開始前
「という訳でお疲れ様でした」
「「「「お疲れ様でした!」」」」
今回のシナリオも反省点がいくつかあるな。
求められたデータが用意されていなかったのも不味い……売る時はその辺りも追記しておくか。
あとは今回のプレイデータをリプレイとして編集加工して付録にするか、動画として世に流すかも決めないとな。
それと、各自に書かせてるアンケートの内容も反映させとかないと。
こうして考えるとやるべき課題が多いように感じてしまうな。
「そう言えばボス、Every Holiday Onlineって知ってるか?」
「Every Holiday Online?」
「そ、今度発売されるフルダイブ型のVRMMO」
「体感時間の延長技術とかも使われてるらしいし、こうして集まるより長時間遊べると思うんだ」
「つー訳でマスター、俺らから頼みがある」
「「「「買ってください!!」」」」
「うん、だと思った」
まったく、この愛すべきバカどもは……
さて、どうしたものか……軽く調べた限りの値段の場合、確かにコイツらの収入で買おうと思うと生活がキツいだろうな。
それで、自分に対するプレゼンポイントもしっかりと的を得ている。
「確認だけど、この場に居るメンツの分だけでいいのか?」
「まさか居ない奴の分まで買ってくれるのか?」
「一度面倒を見ると決めた以上、仲間外れは駄目だろ」
「マスター太っ腹!」
「よ!我らが総大将!」
「向こうで地獄を魅せたらぁ」
あ、蜘蛛の子を散らすように逃げた。
自分も言われたらそうなる気持ちは分からんでも無いけどさ。
「じゃ、今日は此処までって事で次回以降はEHOでやりましょうか。各自の家に送りつけるからよろしく……と思ったんだが、やりたくない奴とかの話は聞いてるか?」
「ボス以外は全員可決で全員参加予定だよ……まあ、ボスがお金を出してくれなかったら借金して買う気な人もいたけど」
計画性皆無な連中が借金して無事とは思えないな。自分が出した方がいいわコレ。
やるなら演じろ、世界を欺け。その上で支配者として君臨しよう……システム的に可能ならね。
流石にシステムからソレが不可能と否定される様では基本的に打つ手無しだからさ。
「そう言えば、向こうでやりたいシステムって決まってるか?」
「無難に某邪神系とかかな?多分ルルブ持ち込めないと思いますし」
「D100の用意が難しそうだからシノビじゃない?アレならほぼ全員暗唱できるだろうし」
「せっかくファンタジーの世界に行くんですからファンタジー系やりましょうよ」
「ダークファンタジー希望」
「決まってないんだな。じゃあこっちで出来そうなシステム見繕って準備しとくからお前らは我をキャリーできる様に基盤整えとけ」
我の強い奴らを束ねるのも苦労する話の一つだよな。