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46話※リュネ視点


 ドアが閉まる音と共に目を覚ます。



「はあ……」



 良い夢見ではなかった。

 それにとてもリアルに感じた。

 


 ――たしかあの後、アルトが助けに来ていたのだ。

 おそらく、飛び込んだのもアルトだろう。そのままこの国に亡命した。


 奴も奴で、直属ができたことを表には出さないが嬉しがっていたらしい。にっこにこで奴の乳母に伝えられた。



 ドアが閉まった音は現実かと、漸く覚醒しだした頭で考える。


 あの子の気配がない。

 ……どこかへ出かけたということか。

 どうせアルトが兵をつけてくれているはず。そうでなくとも、何となく察知できる。吸血鬼の能力なのかは定かではない。感覚が鋭くなっているのだろうか。

 まだ自分のことがわからない。


 ベッドから動くことなくごろごろする。

 天蓋をしっかり閉めてくれているので、昼間だとしても気分が悪くなることはない。心の中で感謝を伝える。


 私としては、もうやりたいことはなくなった。

 安息の地とはいったが、適当な場所で暮らそうと思っていたが、問題はあの子だ。


 ただの魔女でも魔物でもない。

 一体魔王とやらは何を捕まえていたのか。 


 それにあの子に見えなくて、私には別の物に見える絵。

 といっても、今は同じに見えるみたいだが……。


 まずは魔王のことか。

 必然的にあの子のことも知ることができるはずだ。魔王から薬やら魔法やらを教わったと言っていたし偉大な魔術師だったとも言っていた気がする。あれほどのダンジョンや魔物を創れるほどだ。きっと記述があるはず。



 夜にでも王立図書館に行ってみるか……。



 ……しかし、私はなぜあの子自身に髪のことを伝えてしまったのか。


 戦前なのに緊張感なかったな。


 今更羞恥心が芽生える。

 口は災いの門だな。もう何も伝えるまい。

 今回は……、嬉しそうだったしいいか。


 夜まで二度寝しよう。

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