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43話


「……そういうわけで、王を守ったリュネ様やその奥方に残党が牙を向くとも限らないので、しばらくは付きますことをお許しください」

「うむ」



 兵士が言うことをさて置き、妾は奥様という響きだけで満足している。

 兵士は申し訳なさそうに伝えてくる。

 確かに普通の人なら気になるだろう。しかし、妾としては後ろからついていくとしても何のストレスもない。むしろダンジョンの頃より、自由だ。


 妾は承知して歩き出す。

 もうコソコソする必要はないだろう。

 強いていうならリュネの言っていた髪色での差別か。

 リュネのマントを借りたので、問題ない。

 ちょっとリュネの匂いがして落ち着かない。


 

 昨日の地図によれば、半分は東洋風の街、もう半分は西洋の煉瓦造りが主の町に分かれているんだったな。

 今回は洋風の街並みを渡り歩く。

 まずは市場というやつを見にいくことにした。

 

 妾は本でしか知る術は無かったから新鮮だ。

 服に野菜、特に飲み水が多く売っていた。



 ……それもそうか。

 赤い水は飲むことができないから。確か、川の上流はまだそこまで汚染されていないはず。

 それにこの国の研究部所が赤い水を浄化できる装置を生み出したこともチラッと耳にはしている。


 どちらにしろ、肉より高いのは大変だ。

 肉は食える魔物がいるらしい。それのおかげで安く売っていた。

 兵士にチラッと聞くと、「紅水でも育てられる魔物で、体内で浄化されているらしいです」と嫌な顔せず教えてくれた。

 豚に似た魔物らしいから毒の心配もないということか。


 でも……これはリュネは食べなさそうだな。


 リュネは竜の血以外。竜の肉は食えるんだろうか?

 生肉なら行けそうだな。試しに食べさせてみるのもいいかもしれない。

 だが、生憎ここには売っていない。

 残念。



 今度はおしゃれなストリートへ足を運ぶ。

 妾にはなんだか敷居が高そうなおしゃれな洋服店や嗅いだことのない匂いが鼻を付く。……コーヒーというやつか。


 妾にはあまり好ましいものではないかも。

 しかし、午睡前の一時を優雅に楽しむ方々が外でもゆったりしていた。うむ、これをリュネとするのも悪くないと、叶うことのない想像をする。


 そうだ、と兵士に聞いてみる。



「なあ……王にお話し――謁見? できるか?」



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