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試練 唯一にして最高の報酬編 続々


 希少価値まであんのかよ。


 あまりにも理想的すぎる展開に息を呑む。もし、これを全て手にいれることが出来ればいくらでも通貨を生み出すことができるんじゃないだろうか。

 まぁ、もちろんこのトンデモ金貨の価値がどれだけあるかにはよるが。けれど、見た目はもちろん、これだけ魔力がこもっているだけでも価値自体は相当高いんではないだろうか。

 いや、おれの審美眼ではなんの担保にもなりはしないんだが。


「でも、ここにあるものなら全部上げる! 私が持っててもしょうがないし」


「まじでっ?」


「え、ええ。なんだか、あなた性格変わってない?」


 ドン引きされても気にしない。

 ここでの行動一つで今後の人生にどれだけの影響が出るかわからないのだ。

 なにより、ただ手に入れるだけでは駄目なのだ。もっと上手いやり方をしなければならない。


「それじゃ、これはあなたの家に届ければいいのかしら? 私の魔法ならすぐに」


「それはだめだ!」


「え、でも…これを魔法なしで持っていくのは流石に無謀じゃないかしら?」

 

 困惑するフレイヤさん。

 いや、わかってる。わかってるけど、そこを譲るわけにはいかないのだ。どう伝えるべきか思案しつつ、とにかく、最低限の条件を交渉しなければならない。


「その、普段はここに置いておくことはできないですか? こう、必要な時に引き出したりできるようにできるみたいな」


「え。それはできるけど」


「え。できるんですか?」


「できるわ。でも、その、そのために必要なことがあって…」


 歯切れの悪い回答に違和感を覚えたが、できるという事実を優先することにした。いや、やっぱり規格外だ。いくら魔法といえどもなんでもありじゃない。ないのに、おそらくは膨大な魔力量カバーするということなんだろう。

 

 まずは、保管場所の確保と引き出し手段。

 

 それを最優先で確保しなければ。


「必要なことがあるならなんでもします。とにかく、この金貨をおれのものとして保管してください。その上で、いつでも引き出せるようにしてください」


「あー、その、だから、できるにはできるわ。でもね、その、物体の転移って意外と大変っていうか、使い勝手も悪くって」


「やっぱりできないってことですか?」


「違うわ、できるの。できるんだけど、無闇やたらに出来ないっていうか。ほら、取り出すってことは外でってことでしょう? 迷宮のバックアップがないとちょっと疲れちゃうし…」


「疲れる? バックアップがないとって、フレイヤさんはここにいるのにですか」


「ああ、ごめんなさい。物を送ることはできるんだけど、どこでもいいってわけじゃないの。私自身ならその場で取り出すことは出来るんだけれど、誰かに送る時はその人がどこにいるのか、あるいは場所を把握する必要があって」


 フレイヤさんの説明には感覚的な部分もあり、理解するのに少しが時間が必要だった。


 要約すれば物体の転移にはマーキングが必要であり、それは彼女自身が言ったことがある場所が条件になるらしい。最初におれの家に送ると言ったのは、あくまでおれの記憶から地点を読み取った上で実行しようとしたとのことだった。

 …記憶を読み取ることが可能なことに関してはこの際無視する。それもどうせ出鱈目な魔力量によって無理やり可能にしていることだろうからだ。

 だから、おれが迷宮の外に出てから取り出そうとしてもフレイヤにその地点がわからなければ送ることができない。流石に迷宮内からどこにいるのかを探る手段もないからいつでも取り出すことはできないというわけだ。

 

 もちろん例外もある。

 フレイヤ自身である。彼女が迷宮の外に出た場合ならば、彼女はどこでも迷宮内にある物体を取り出すことが出来る。


「だから、仮にどこでも取り出せるようにしたいのなら、私があなたのそばにいるのじゃ条件になるの。でも、それって現実的じゃないし」


「んじゃ、欲しい物をかえます」


「え、それでいいの? じゃあ、一体なにが欲しいのかしら」


 面倒臭い要求にフレイヤの表情はこわばっている。それでもおれにとっては死活問題なのだ。だから、


「あなたが欲しいです」

 

 直球で言った。

 

 次の瞬間、全身に衝撃が走り、おれの意識は途絶えたのだった。


 

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