表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/178

試練 大暴れ編


 姉の暴力で一瞬意識が飛びそうになったが、それでもアスラは暴れ続けていた。どうやらある程度のことは命令すればやってくれるらしい。

 つまり、おれが戦闘不能になってもある程度ならば、アスラはおれのスキルで大暴れできるってことだ。

 新発見に喜びつつも、どうにかしてこの状況を生き残る策を考えなければならい。姉二人の殺意が身内へ向けるものから本気に変わっていくのを肌で感じながら、おれはどうしたもんかと頭を悩ませた。

 いや、悩む必要もないか。

 やることはもう決まってるんだから。


「そもそも、この試練自体おかしいんだよ!」


「愚弟。愚弟らしく脳みそが足りない話をするつもりはない。すぐにアスラを止めろ。愚弟だって戦士になるために試練を受けたはず」


「そうよ! あんたは戦士にならなくちゃいけないんでしょ!」


 やっぱり長老に事情を聞いていたらしい。

 説得の言葉はある意味芯を食っていたが。この場での説得の言葉としては正しくない。おれが適当なことを言ってミァハさんを救おうと思っているのだろう。それはある意味では正しいが、けれど、それだけじゃない。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「だってよぉ、そもそも三日もここに籠る意味って何だよ! こんな物騒な場所があって、迷宮から魔獣が飛び出して森まで魔獣の棲家になっちまってる! 戦士が森の番人までやってるなんて、馬鹿みたいな話じゃねえか!」


 ずぅん、と震動が全身を襲った。

 アスラは絶好調だ。

 迷宮全てを揺らすような破壊行為を躊躇いもなく実行している。その効果も絶大すぎて、姉二人が動揺するのも当たり前のことだった。

 いや、まぁ、見た目は変わっても一桁代の年齢なのだから当たり前なんだろうが。

 

「何言ってんのよあんた! 意味わかんない!」


「迷宮に三日籠るってのはあくまで迷宮で探索するの見越した訓練だろ! 生き残るって時点で頭がおかしいんだよ! どうせなら探索して迷宮を攻略しろって方がまだわかる! そうしないってことは誰もこの迷宮の底に行ったことがないってわけだ!」


「愚弟。それは」


「そもそもこんなもんがあること自体が間違ってんだ! 戦士になる? だったら死ぬほど鍛錬積めばいい、あとは実戦だってんなら他所で積めばいいじゃねえか! ここはみんなが安心に暮らすべき集落の近くだぞ! こんな物騒なとこをぶっ壊さねえ方がおかしいんだ! なんで残してるっ? つまり、なにもしようがねえってことだろ? 今、戦士になってる連中じゃな!」

 

 我ながらめちゃくちゃな理論を叫びながら、とにかく魔力の解放に注力。いける。まだまだ暴れさせられることを確信した。

 


「だからぶっ壊す! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」


 今度はゲンコツは飛んでこなかった。

 姉達の顔は今まで見たことのない表情を浮かべている。得体の知れないものを見るような、頭がおかしくなった人間を見るような顔。

 見覚えがある。

 前世でのことだ。

 それに気づいたと同時に、おれ自身が間違っていないことを確信した。 

【ペコからのお願いです】


・面白い!

・続きが読みたい!

・更新応援してる!


と、少しでも思ってくださった方は、


【広告下の☆☆☆☆☆をタップして★★★★★にしていただけると嬉しいです!】


皆様の応援が夜分の原動力になります!

何卒よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ