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幕間


 戦士候補生となるためには弛まぬ鍛錬と努力が必要である。

 いくら才能があろうとも、いくら優秀な戦士の血を引こうとも、いくら有益なスキルを持っていようとも。

 それを鍛え上げ、練り上げなければ意味がない。

 その果てに戦士候補生を名乗ることが許されるのだ。

  

「静かだな」


「ああ」


 彼ら自身も例外ではない。

 幼い頃から切磋琢磨し合い、相棒となり、今日を迎えている。


 既に三度目。

 

 戦士となるための最終試験を超えることができずにいた。


「まだ、誰も入ってないよな」


「ああ。俺たちが一番のはずだ」


 草葉の影、という言い方は正しくない。彼らの一方が魔法で植物を操るのに長けていて、その能力を利用して草の葉などで潜んでいるのだ。もちろん不自然さがないように何度もくり返し訓練した魔法だ。狩りの時でも獣に悟られることなく潜み続けることができる。

 だから、彼らの存在を見抜くのは至難の業と言えた。ただし、彼らと一緒に修練を積んだ戦士候補生達は例外だ。日々の修練で共に過ごした仲間達には十分に見抜けるはずである。


 だからこそ、彼らはその魔法を使って潜んでいるのだ。


「本当にいるとはな。あのクソガキ」


「女の方は見ない顔だったな? だれだ、あれ?」


「さぁな。どうせ村から出てった奴らだろ、どっちにしろ碌でもないやつさ」

 

 吐き捨てるような言葉には明確な敵意があった。

 

 トール。

 

 最強の戦士であるアグニルが拾ってきた子供であり、彼らとは違う人間の子供である。長老の意向もあり村の一員として暮らしているのは知っていた。知っていたが、まさか、戦士となる儀式に参加するとは夢にも思っていなかった。


 というか、参加することを聞いた時点でほとんどの戦士候補生にとってトールは不倶戴天の敵となったのだ。


「合流したら真っ先に潰す。なんであんなクソガキがおれらと一緒なんだよ…!」


「長老もアグニルさんも身内に甘すぎる。まぁ、この間の事件も理由の一つなんだろうが」


「ふざけんなよっ! おれらがどれだけ鍛錬を積んだと思ってやがる! せめて戦士候補生としてからだろうが!」

 

「声がでかい。…まぁ、甘やかしすぎるのも問題だろうからな。ここらで世間の厳しさっての教えてやらなきゃならねえな」

 

 この二人の意見が大部分の戦士候補生の総意だった。

 

 しかし、長老や最強の戦士であるアグニルに逆らうことはできない。集落で生きるというのはそういうことだ。ならばこそ、正当な手段で叩き潰せばいい。

 

 そのために、彼らは戦士候補生を集めることにしたのだ。

 ほぼ九割。彼らの呼びかけに答えてくれた戦士候補生の割合だ。中にはやりすぎだと非難する者もいたが、数では圧倒している。その計画の一端として、彼らは真っ先に迷宮前へと向かったのだ。

 

 ここで、トール達を待ち伏せするのだ。


「しかし、イーナとジーナはどうする? あいつらは厄介だぞ」


「ふん。確かに厄介だが、数が違う。クソガキを片付けたら、あいつらもやっちまえばいい。どっちもクソガキなのは変わんねえよ」

  

「違いない」

 

 勝算は十分にあった。

 彼らも戦士候補生。烏合の衆ではない彼らがまともに数で当たれば絶対に勝てていたはずなのだ。


「…()()()()


 敗因は一つ。

 戦士を目指す者が自分の相棒以外を頼ったことである。

 まして、一割といえども彼らに賛同しない者達がいる時点で警戒度を上げておくべきだったのだ。


 彼らの背後。

 影の中から刺客が迫っていることに、彼らは最後まで気づくことはなかった。

 

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