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反省会 三

 クローン。

 突然の近未来SF用語。いや、生前のころにもその技術は明確に存在していた。していたが、それが自分の日常で触れる機会なんて、当たり前だがほとんどなかった。どこかの国のどこかの研究機関で実験が成功したなんて話ならニュースで目にすることもあったが、まさか、こんな形で関わることになろうとは。


「ワシらのような長命種との戦いの中でもやつらは何度でも蘇った。終いには自分を無数に生み出すなんてバカな真似をしおったが、結局自爆しよった。所詮は自分自身しか考えておらん愚かな連中じゃった」


「それなら人間は滅んだんじゃないの?」


「いや、その時の大戦では戦争を起こした側の人間が敗れただけじゃった。戦争を受けた側、あるいは戦災を被った側は生き残ったのじゃ。そこからが本当の悲劇のはじまりじゃった」


「…悲劇?」


「彼らは旧時代の価値観から抜け出せなんだ。そのせいで、ワシらのような人間以外の種族を受け入れることができずに、ある者は滅ぼされ、ある者は迫害され、ある者は自ら命を断ったのじゃ」


 この話を、おれはどう聞けばいいんだろう。

 前世の記憶があるせいである種の想像ができる。もちろん、おれの世界には鬼はいなかった。ただ、漫画やゲームにアニメ、なにより昔話ですらその存在はよく知っているのだ。

 空想が現実に負けたと言えばいいのか。

 いや、この世界はおれの世界とはまるで違う世界のなんだ。長命種なんて存在は間違い居なかったし、なにより、おれが初めて会ったドラゴン。あれこそが、まさに伝説そのものの存在である。

 そもそも、魔法なんて物理法則を無視した代物がある時点で同じ世界として考える方が無理がある。だから、自分の常識を変えなければならないんだろう。

 

 この世界は思っている以上に、生きるのが過酷な世界なのだ。


「それでも生き残った人間はおる。そういう者たちは過去に()()()()()()()()()を排斥した者達じゃ。だから、彼らを同じように虐げ、あるいは利用し、滅ぼしたい同胞達がおる。それを()()は人間排斥派と読んでおるのじゃ」


 ()()()

 その言い方に違和感を覚えたがある意味では予想通りの答えだった。

 人間排斥派。

 読んで字の如く、人間をかけらもよく思っていない連中。けれど、経緯だけ聞けば明らかに人間の方に非がある。というか、むしろ人間排斥派という言葉があること自体が驚きだった。

 誰にでも嫌われる種族。

 そんな風になっていてもおかしくないんじゃなかろうか。


「でも、この村じゃそんな奴いないじゃんっ」


 なぜか、アスラが強めの言葉で言った。

 おれがそれに驚いていると、


「そうじゃ。ワシらは、少なくともこの村では昔のことは許したのじゃ。過去のことは過去のこと。いつまでもそんなことに縛られることが最も時間の無駄じゃからな」


 長老はそう言った。

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