反省会
「災難じゃったの。どうも、お主らはそういう星に生まれておるらしい」
広間に残ったおれたちは各々好きな体勢で座っている。おれは胡座をかいて、アスラに至っては足を大きひろげていた。
長老はそんな態度にも何も言わずに、おれたちと同じ目線で座ってくれた。さすがに七歳児であるおれたちよりも視線は高いが、それでも世間話をするような柔らかい雰囲気で接してくれるのはありがたかった。
「俺は違うよ」
「ほ?」
「こういう面倒なのは全部トールのせいだ」
「な」
突然のキラーパス。
普段通りのぶすっとした物言いのせいで本気かふざけているのかわからない。わからないがバカにされたのはわかったのでカチンときた。
「ふざけんな! お前がいっつも捕まるからだろうがっ!」
「うるせえ。お前が攫われねえから俺が代わりにやられてやってんだ」
「間抜けなだけだろ!」
「お前の陰が薄いんだよ」
「仲がいいのはいいことじゃ」
ほっほっほ、と好々爺そのものの態度で長老は笑う。なにがおかしいのかわからない。わからないが笑われているのはわかったので黙ることにした。アスラのやつも不服そうな顔をしている。いや、いつも通りぶすっとしているだけか。
「なぜ、お主らだけを残したのかわかるか?」
少しだけ、長老が緩んだ場の雰囲気を締めた。
真剣な話をしたいのだろう。おれとしても必要なことだと思っていたので、話を聞く態度を見せた。
今は、アスラの方へ意識を向けない。
大事なのは長老が語ることの方だからだ。
「いくつか、お主らに教えねばならんことがある。本来であれば七歳のお主らが知る必要はないことだが、まぁ、トールは例外じゃろう。アスラは言わずもがなじゃ。トールの友人であるお主は今後もさまざまな困難に巻き込まれることになる」
反論の余地はない。
既に二回。
おれが原因で、こいつは命を危険に晒している。
一度目はおれがあんまりかくれんぼがうまいもんだから。鬼になっても逃げてもどっちにしろ最後まで残っちまうから、おれを負かそうとして森に入ったのだ。いや、物理的に入れなければ勝ちってのは流石に単細胞すぎるだろ。
そして、二度目は今回の件。
今回は流石にアスラの奴は何も悪くないのだ。
「おれが人間だからってことですか」
「そうじゃ」
おれの言葉に長老は端的に答えた。
我ながらデリケートさのかけらもない質問だったが、長老も同じ態度で答えてくれたのだ。
それだけで話を聞こうと言う気になっちまうのはなぜだろう。
「ワシらの村で暮らす分にはどうにかなろう。けれど、お主が大人になってここから出れば、その瞬間に狙われることとなる」
「…誰にですか?」
「世界にじゃ」
長老の言葉はどこまで真剣そのものだった。
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