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お願いごと

「ええ、いますよ。ああ、そういうことですか」


 どきりとした。

 流石にわかりやすすぎただろうか。けれど、まぁ、そういう思惑を悟られても特に問題ない。向こうだっておれが善意で協力するなんてかけらも思っていないはずだ。…いや、どうだろう。この娘頭お花畑なところがあるから、今までの会話の流れを無視して、おれが改心したとか考えている可能性も否定できない。

 果たして、彼女は、


「残念ですが、確かにあなたのスキルは役に立つものです。けれど、おんりーわんではありません。…いえ、わかりますよ? 特別なスキルをもらったと考えてしまう気持ちは。でも、私のファンタジスタだって過去に所有していた方はいましたし、今時、自分だけのチートスキルなんて都合のいいものは現れないんですよ」

 

 そんなよくわからないことを言った。

 

 いや、本当に何を言ってるんだこの娘?

 

 言われたことの意味を考え直してみたが、どうにも話が噛み合っていない。というか、なんで彼女は気まずそうな顔をしているんだろう。


「はぁ、いや、それはそうでしょうけど…」


「落胆するのはわかりますが、いいこともあります。あなたのスキルを長年使用している方もいますから、その方からノウハウを学ぶことができます。まずは自身のスキルを高めることを優先しましょう」


「?」

 

 いや、初めからそのつもりなんですけど。

 彼女が何を言いたいのか本気でわからなかった。が、途中脱線した話の本筋が戻ってきたので言葉を飲み込んだ。

 

「あなたの要求はわかりました。私の感想ではありますが、条件面については妥当なものだと思います。ギルド長には私の方から直接今の条件で話しますが、おそらく受け入れられると思います」


「そうですか」


 ほっとする。とりあえず時間を稼ぐことができそうだ。

 さすがに赤ん坊のままよくわからない組織で働くなんてことはしたくなかった。というか、面倒臭すぎる。せっかく生まれ変わってモラトリアムを取り戻したのだからそれを十分に味合わないでどうするのか。

 ふと、シーナさんと目が合った。

 相変わらず心配そうな表情をしていたが、横槍を入れる気は無いようだ。それなりに筋の通った提案だったと自負しているのである程度は納得してくれたのかもしれない。

 この表情を見ていると本当に運が良かったと改めて思う。

 何よりこの数ヶ月の生活でこの一家の家族になれたことは本当に幸運なことだと思えたのだ。これからもおれはこの家族と一緒に過ごしていく。成長して大和に関わる頃にはどうなっているかわからないが、少なくともおれの中心はこの家族と共にあることだ。

 改めてそんなことを思っていると、


「ただし、ひとつ条件があります」

 

 伊藤咲奈はそんなことを言ってきた。


「条件ですか?」


「ええ。おかしな話ではないですよね。透さんのお願いを聞くんですから私のお願いも聞いてほしいんです。ね、長老?」


「え、ワシ?」

 

 事の成り行きを見守っていた長老が驚いた表情を浮かべた。誰もが疑問符が浮かぶ中で、伊藤咲奈は笑みを浮かべて、


「私もこの村に住ませてください」


 そんなことを言った。

 

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