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死の行方 六


『別名《《迷宮食い》》。あいつらは全てを貪り、全てを自分たちで染め上げる』


 意味がわからない。

 そもそも別名を使って言い直す必要があったかも疑問だ。確かに、あの姿を実際に目の当たりにすればあれがどれだけヤバい存在なのかはわかる。けれど、食うとはどういう意味だろう。

 魔力を吸い取っているとフレイヤは言っていた。

 それが《《迷宮食い》》に繋がるのかもしれないが、フレイヤ自身はそこまで危機感を覚えていなかったように思えた。

 そもそも、怪物の集団一つで迷宮がどうにかなるもんだろうか。

 ただ、唯一あり得るとすれば、

 

「染め上げるっていうのは、感染するってことですか?」

 

 そう、ゾンビのように。

 どれだけ強い存在だろうと関係ない。感染させ、自分たちの仲間に仕立て上げることができるならば、あるいは、可能なのかもしれない。

 

『そうだ。やつらは無限に増える』


 真摯な言葉が最悪の未来を想起させる。

 あのゾンビどもが他の怪物達をゾンビに変えて迷宮を破壊し、そのまま生物災害よろしく外の世界へ飛び出してきたとすれば。


 この村なんて一瞬で蹂躙されてしまうだろう。


「…事情はわかりました。すぐに案内します」


『助かる。では』


「え」


 静止する間もない。

 というか予備動作すらもなく、いつの間にかおれは龍の背中に乗せられていた。


『掴まっておれよ。すぐに見えてくる』

 

 高い視点からの景色に呆気にとられているとそのまま急上昇、急加速。流れる風景と叩きつけれるような風に吹き飛ばされまいと背中を掴んだ。

 鱗の感触が冷たい。

 やっぱり爬虫類みたいなんだな、とどうでもいいことを思った。


『あれか』


 急停止のGは感じなかった。

 急に風がなくなったと思ったら、眼下に迷宮がある。

 普段よりもはるかに上空にいるので小さな穴のようにしか見えなかったが、間違いなくフレイヤの迷宮だと判別できた。


「あれです。あそこにいます」


『…そうか』


 降下に備え、龍の背にしがみつく。

 流石に急降下はしないだろうが用心して身構えたが、いつまで経っても動きがなかった。


「…あの、どうしました?」


『……』


 もしや既に降りているのかと思い、視線を周囲に向けたが何も変化はなし。龍に問いかけたが、反応がなかった。

 急な沈黙は怖い。

 なんだか嫌な予感がして、けれど、何もできることはないのでただ背中を見つめいていた。


『遅かった』


「え」


 ぽつりと聞こえた言葉で鼓動が早まった。

 遅かった。

 反射的に迷宮に視線を向けた。

 

 いつもとかわらずに大口を開けた迷宮があるだけだった。


 しばらく待ってみたが何も起きない。


「あの、どういう意味」



『来るぞ!』


 切迫した叫び声。

 同時に、迷宮が揺れ、そこから巨大な何かが飛び出した。


 

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