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それからのこと 獸壱


「いきなり告白されたのにはすっごく驚いた。だって、見た目は子供だし、けれど、魂は大人だったから、きっと本気だって思ったの。でも、同い年くらいの恋人やお姉さんたちもいたし、だから、ふざけてるんだって思った。とんでもない奴って思ったけれど、でも、宴の時は楽しんでくれたし、嘘じゃなかったし、だから、なんかいいなって思って。そしたら、また会いに来てくれたし」


 ぽつりぽつりと語る言葉にいちいち驚いていた。

 いや、だってツッコミどころが多すぎる。

 心の動線というか、なんでそんなふうに考えているのかがまるでわからなかった。わからなかったが、どうしてか否定もできなかった。


 これが嘘だとしたら大した詐欺師だ。あるいは、おれがただ女心を理解できないダメ男なのか。とにかく、七歳児には理解できる範疇を超えている。


「あー、姉は関係ないんじゃ」


「姉という名のライバルだし。異論は認めない」


「えぇ…」


 何言ってんだこいつ。

 突然の言動にまた困惑した。キャラ変というか意味がわからない。おれの言葉にも動じることなく、フレイヤは言葉を続けた。


「しかも、親まで同伴とかありえない。しかも、私のパパとママと知り合いだったとか、その、運命だって感じちゃうじゃないっ!?」


「いや、そんなこと言われても」

 

 やっぱりよくわからない。

 そういう偶然ってのは生きてればよくあることだ。しかも地元(?)から出たことのない人間には珍しくもない話だった。親同士が知り合いだったり、何かしらの縁があったり。そんなことは本当に世の中珍しくはないのだ。それは、前世の経験から知っている。しかも、この世界は世間が狭い。

 だから、そんなことに運命を感じる感性がどうにも信じられなかった。


「だから、婚約者になるっていうのも嫌じゃなかったの。まだ体は子供だし、一緒に暮らせばお互いの良さもわかるかなって。時間はあるし、世界を救うってそれだけ大変なことだし」


「まぁ、そう、なのかな?」


「そうなの。そう、あの本にも書いてあった」


 また本かぁ。

 今更ながら、実際に読み込むことができない身としてはそこまで盲信する理由もわからない。ただ、一つ気になることがあった。


「おれとフレイヤの同棲も?」


「どっ! 同棲ってことだけど、うん、そう」


 そんな痒いとこまで手が届いてんのかよ。

 あの本が思ったよりも恐ろしいものだと認識を改めたと同時に、


「そうしなければ、私はあの迷宮から出られないの。ひとりぼっちで、また攻略者を待たなくちゃいけない」


 そんな、想像もしていないカウンターパンチを喰らったのだった。

 

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