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最強の戦士 五


「待て待て待て待てぃっ! 先ほどからわけがわからん! 聖地だとっ? 一体何を言っているのでおじゃる!」


 麻呂ニがおじゃる語になるのもわかる。だって意味がわからない。

 おれが米農家になる上に村の管理人になるとか意味不明すぎてどう抗議すればいいのかわからないのを代弁してくれている気分だった。

 

 だって、聖地だぜ?

 

 なんの宗教だよとしか思えなかった。


「この村で起きたことを後世に残すんだ。愚かな虐殺が起きたことを。罪のない者達というつもりは毛頭ない。それだけの血を我らが生み出したのも事実だからな」


「…それが、大和に対する報復になると?」


「それももちろんある。けれど、一番大事なのは象徴としてこの村を残すということだ」


「まるでわからん、お前は何を考えているっ?」


 長老の詰問にアグニルは平然とした態度で答えた。

 


「平和、あるいは共存と言えばいいかな。俺たちが流した血を贖う時が来たってことさ。ずっと考えてたんだ。こんな時が来ないかってな」


 

 長老が言葉を失っている。

 どうにも言っている意味はわからない。わからないがそれでも長老には響くものがあったらしい。


 傭兵稼業。


 父親が最強の戦士なんて称号をもらってくらいだ。なによりこの村にいる者達は確かに戦闘能力が以上に高いように感じる。魔物だって簡単に狩るし。この世界では普通のことかと思っていたが、一つの集落に軍が動く時点でその認識が間違っているという事実に気づいた。

 

 それだけ、この村が恨みを買うことをしていたってことにも。

 

「平和、共存。確かに、望むべきところは同じであるが…」


「それと他にも約束してほしいことがある」


「っとに、お主は人の話を聞かない男じゃな! なんじゃ、この際言いたいことを全て言え。全て受け入れることはできんじゃろうが、聞くだけ聞いてやるでおじゃ!」


 ヤケクソ気味で麻呂ニは胸を張った。

 そもそも、この親父の意見が村の総意ではないことを突っ込める奴はもういない。得体が知れない上にまだ何かがある気がするのだ。

 そう、これまでの出来事を全てひっくり返すような何かがある予感がするのだ。


「一つは俺たちが滅びに瀕しているという噂を流してほしい。世界各国の支部を通してな。そうすればこれ以上の他国かの出兵は阻止できるはずだ。あとは村の戦士たちについては大和の構成員として扱ってくれ。紛争や合戦の際に派手に暴れさせたい」


「前者はわかる。だが、後者はなぜだ?」


「滅びに瀕したと言えども我ら戦士の力は侮れないと知らしめる必要がある。この村の戦士はやわじゃない。激戦区だろうとどこにでも尖兵として送り込んでやってくれ。あいつらにとってもいい修行になるはずだ」


「いや、だから、それでは意味がないのではないか? 結局は主の願いである村の贖いには」


「血を流さないで生き残れるほどこの世界は甘くないのはわかっている」



「だから、大和と共存することで生き残る。我らの武と大和の武。二つを合わせることで世界に圧倒的な武力を知らしめ、本当の意味で平穏を手に入れたいというのが私の願いだ」

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