表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

113/178

真実 続々続々


「いや、なんでお前に任せなきゃなんねんだよ」


 小馬鹿にするような態度で男は言った。

 そりゃそうだ。おれだって、別にこの男の事情を詳しくは知らない。もしかすれば概略ですらまだまだ知らない部分はあるだろう。それでも、シブサワへの対抗策としてどうしても検証しなければならないのだ。

 

 支配からの脱却を。


 それに、この男の戦闘力は本物だ。どうにもモチベーション自体はなかったようだが、遠距離攻撃が出来るスキルはそれだけで脅威である。このまま殺すのは実に惜しい。

 諸々の理由は頭の中に浮かんでいるので、おれは男の態度を無視して言葉を続けた。


「このままでいいのかよ。利用して切り捨てられて。さっきの口ぶりじゃ、嫁と娘は生きているんだろ? なのに、ここで死んでもいいってのはおかしい。シブサワに寝取られでもしたか?」


「…はっ。それこそお前には関係ねえだろうが」


 まじかよ、シブサワってのは本物の腐れ外道らしい。

 男の態度で地雷を踏んでしまったことに気づいたが、この状況ならありだと判断する。地雷を踏み抜いたおれに対して怒りすら湧いてこないのは明らかにおかしい。

 男は疲れたような表情を浮かべるだけ。それが全てを物語っている。


「確かに関係ねえ。けど、気に食わねえんだよ。借金は稼いだ金で返すべきだ。それをカタにして奴隷みたいに扱うなんてことあっちゃならなねえんだ。だから、おれがあんたを救けるのはそれが理由だよ」

 

 本心だ。

 ここでおためごかしや言い訳染みたことを言う必要はない。ただおれ自身の思いをまっすぐに伝えるだけでいいのだ。

 

「ああ、なるほど。シブサワへの対応策ってことか。…なら、おれもあいつのスキルでやらちまってるってわけだ。そりゃそうか。我ながら、随分とひでえことしかしてこなかったしな。よくも殺したもんだよ」


「…なんでそんなに軽いんだ、お前。ふざけるなよ」


 ここまで黙っていたアスラが我慢できなくなったのか横槍を入れてきた。

 いや、言いたいことはわかる。

 怒りを覚えるのも当たり前の話だ。けれど、正気でない人間に感情をぶつけてもなんの意味もない。まして、償いをさせるなんてことも出来やしないのだ。

 おれは視線とジェスチャーだけでアスラを止めた。不満たらたらの表情だったが、それでもそれ以上の言葉を続けることはしなかった。


「あんたの言う通りだ。おれはシブサワへの対抗策が欲しい。あんたをシブサワの借金から救うことができれば、それだけで手出しできなくなるからな」


「それを聞いて、なんでおれがお前に手を貸すとおもってんだ?」


「悔しくねえのかよ?」


 一言。

 おれはより深く男を抉ることにした。


 

 

【ペコからのお願いです】


・面白い!

・続きが読みたい!

・更新応援してる!


と、少しでも思ってくださった方は、


【広告下の☆☆☆☆☆をタップして★★★★★にしていただけると嬉しいです!】


皆様の応援が夜分の原動力になります!

何卒よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ