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鬼人の旅路 これは君を探す物語  作者: 直江真
第ニ章 王都エウロアエ 神が堕ちた日編
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第19話 冒険者ギルド

 船着場からとりあえず冒険者ギルドを探して歩いて行く。すれ違う人族や獣人族が目に入る。


 改めて見ると獣人族って色んな獣人がいるんだなぁと感じる。


 犬や猫に兎など色々だ。姿は人族に耳と尻尾をつけたって感じだ。ちなみに獣人は種類が多い為、獣人族っていうのは総称で個々によって族名があるらしい。


 なるべく人が良さそうな感じの人に道を尋ねて道を聞く。


 俺の見た目は相手を睨んでいるみたいに思われるので話し掛けたら一歩引かれてるというのが多かった…ぐぬぬ。


 辺りを見渡せば、談笑している主婦達や遊んでいる子供が目に入る。


 俺も幼い頃はリサぐらいしか遊んで無かったがとても充実した毎日であった。本当に彼女には感謝している。思い出すとちょっと口元がニヤケてしまった。


 そばに居た子供は泣き、談笑していた主婦達はその子供を自分の後ろに隠して俺を見て警戒している。


(なんか悲しいぜ…)


 途中に妖精の雫(スノー・ドロップ)という宿屋があったので取り敢えず3日分の宿代を払って後にする。


 手提げに入れてあるお金と適当な布を魔法袋に突っ込んでおく。宿代はそこまで高くない。銅貨9枚、前世だったら一泊3千円だ。


 ホテルに泊まるよりも安いから得した気分になるのが不思議だ。


「……ボロいな」


 他にも果物を売っている所や建物がボロボロで見た感じ怪しいお店がある。見た事のない果物もあるし、あのボロボロな店は何を売っているのか気になるが先を急ぐ事にした。


 人伝ではあるが案内の通りに歩いて行くと剣を構えた人が描かれている小さな看板を見つけた。


「ここが冒険者ギルド!」


 どうやらここが冒険者ギルドらしい。先程、教えて貰った特徴と一致する。扉はドアノブがなく押しても引いても開くスイングドアだったのでそのまま前に進み、手でドアを押し込んで入った。


「おお、思っていたよりも綺麗で立派だな」


 目に入る情報では受付カウンターや紙が色々と貼られている掲示板、2階へ続く階段。それから買取場みたいな所もある。


 こういうのって荒くれ者の巣窟ってイメージだったからちょっと汚いかなと思っていた。


 それは流石に失礼だったか。


 とりあえず、冒険者登録をしておく必要がある為、受付カウンターがある所へ並ぶ。人も少なかったのですぐに順番が回って来た。


 運の良い事に三つ編みで穏やかそうなお姉さんが対応してくれる様だ。


「こんにちは、王都ギルドへようこそ!私、ナタリーがお受けさせて戴きます。当ギルドのご利用は初めてで宜しいでしょうか?」


「あぁ、登録をお願いしたいんだが、大丈夫ですか?」


「はい、承りました。まずはご当人様のお名前を教えて頂けますでしょうか?」


「俺はアルバルトと言います」


「ありがとうございます、アルバルト様。まずは冒険者ギルドについて説明させて頂きますね。当ギルド以外にも我々がいるこのミストレア大陸に複数存在しています。私が待っているこのプレートは何処の冒険者ギルドでも使用可能です」


 ナタリーさんの手に持っている鉄のプレートを見せて貰った。首から掛けられる仕様になっている。


「へぇ、これが…」


「このプレートにはギルドで特殊な加工を施しております。その人の魔力を登録する事でそれがご本人様の物だと分かる仕様となっていますのでご自身の身分証明書としても使えます」


 ナタリーさんはテーブルの脇に置いてある水晶玉を取り、手に持っていたプレートを水晶玉を支えている台に差し込んだ。


「お待たせいたしました。では次に此方の水晶玉に手を触れてみてください」


 言われるがままに手を触れてみる。すると薄らと手のひらに熱を感じた。驚いてすぐに水晶玉から手を離してしまった。


「…………っ!?」


「大丈夫ですよ。皆さんもそういった反応する方は多いので…それに今のでもう登録は完了しました」


「…ん?なんだ、水晶玉が赤く光ってる」


 赤く輝く光を見て少し驚く。そんな俺を見てナタリーさんは口に手を当てて小さく笑う。


「水晶玉が赤く光っているという事はアルバルトさんには火魔法の適正がありますね。色もかなり濃いので上手くすれば強い火魔法も使えますよ!」


「確かに火魔法は使えるがそんなので適正なんて分かるものなのか…他の魔法適正はどうなんですかね?」


「はい、これは()()()()…今もこの国を治めているエウロアエ王が開発された魔導具で適正も正確に分かるんですよ」


 大賢者様って…五百年も昔にいた人だ。


 生きる伝説と呼ばれた七英雄の1人である。そんな凄い人が作ったのだ…凄いに決まってる。


「後はこの反応ですと他の魔法適正は出来ても初級魔法が良い所かも知れませんね。魔法や魔物、薬草につきましてはそこの階段を上がって頂き、2階にある書物から学んで頂く事も出来ます。持ち出しは厳禁ですからお気をつけて下さい」


(本があるのか…!知識は家にあった本しか無かったから助かる)


「魔導書か…火の魔導書があったら是非、読んでみたい」


「王都の冒険者ギルドでは中級まで取り扱っております。上級をご希望させるのであれば、他の冒険者様にご教授頂くか、ご自分で魔導書を入手するぐらいしか無いですね」


 …まあ、仕方ないか。中級があるならまずはそれをマスターしてから考えよう。


「話は戻りますが、冒険者にはランク制というものがございます。D、C、B、A、Sと五階級に分かれており、アルバルト様は登録したばかりなので駆け出しのDランクですね」


 ナタリーさんが今度は冒険者について話始めたので大人しく聞く。


「一般的にはCランクから一人前と呼ばれ、Bは熟練、Aで一流、Sは超人と言われています。ランクが上がるにつれて、人数も減っていき、Sランクは過去にまだ7人しかいないそうですよ」


「過去に7人…もしや、英雄の足跡に出て来た人達ですか…?」


「あら、もしかしてその本お好きなんですか?…実は私も好きなんですよね。そのSランクも勇者パーティーに出てきた人物達なんですよ…!」


 勇者ミナトは勿論、その旅を支えたという伝説の6人の仲間達。あの熱くドキドキさせられる冒険章は今の俺を構築する一つのピースだ。


 こほんとナタリーさんが一息つく。


 やっちまった。また自分の世界に飛んでいたらしい。リサの奴にも注意される事があった。気を付けよう。


「ランク制度につきましてはご自分のランクよりも一つ上まで受けられます。上のランクを複数回こなして行き、ギルドから出る昇格試験を合格すればランクが上がる仕組みとなっています」


 ナタリーさんが話してくれた長い説明を聞いていると水晶からピコンという音がした。


「アルバルト様、お待たせ致しました。此方をどうぞ…」


 渡されたプレートを見てみると真ん中にDと文字が入っていた。


「ありがとう。これで俺も冒険者になったんだな…」


 プレートを光に当て、まじまじと見る。これが俺の身分証…初めて持った事に感動していた。


「はい、最後にあちらにある掲示板に依頼書が貼ってありますのでそれを取り、受付で受理したらクエスト開始です。依頼書には推奨ランクも書いてあるので目安として下さい。クエストを達成したら買取場で提示し、受付で報告すれば終わりです。以上で説明を終わりにさせて頂きます。本日はお時間頂き、誠にありがとうございました」


 軽くナタリーさんがお辞儀する。俺も釣られてお辞儀した。


「ナタリーさん、此方こそありがとうございます。早速、クエストを受けてみようと思います」


 ナタリーさんに感謝を伝え、依頼書が貼ってある掲示板へ向かうとそこには簡単な魔物の絵が書いてあったり、薬草の絵が書いてある。


(迷い猫を探せっていうのもあるのか。まあ取り敢えず、推奨Cランクの魔物討伐でも受けてみるか)


 Dランクは薬草採取や雑用みたいのが多く、報酬もあまり高くない。Cランクならそこそこ高いし、戦闘ならリサとの手合わせで多少の自信はついた。よし、これにしよう。


 掲示板に手を伸ばして依頼書を掴む。


「おい、お前。ちょっといいか」


 依頼書を取ろうとすると後ろから声を掛けられた。


 一体なんだと俺は振り返ると驚愕する光景が広がっていた。

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