LOST METAシリーズ「LOST METAVERSE≪失堕の箱庭≫」登場キャラクター(荘園ファミリー篇①)
■主人公を取り巻く人々①
執事長:セバス・チャーン
褐色の肌にすっかり白くなった髪と髭を蓄えた紳士。筋肉質で大柄だが骨格的にはやや細身。一瞥しただけの風貌からは、70歳前後のすっかり盛りを過ぎてしまった、ただの老人に感じられる。ところが、ひとたび彼の間合いに入れば、年齢に似合わない質量が執事服を押し上げていることが解る。顔の彫りは深く、眉間に深く刻まれたシワからは、彼の思慮深さが伺える。靴や時計といった小物にまで気を配り、高価で品の良いものを全身に身につけている。口数は少なく、主人公に意見を求められるまで、口を差し挟むことはない。
白髪の髪も髭もすべてカツラで、実はスキンヘッドの東洋人(南アジア〜東南アジア系)。セバスの「真実」は周知の事実なのだが、主人公家では最大の禁忌とされ、触れるものは誰もいない。本当のところは、ヅラとヒゲは正体を隠すための変装なのだが、誤解を解かずにそのままハゲ隠しが「真実」だということにしている。セバスの正体は先代当主の無二の親友で、かつて名を馳せた略奪者。忌まわしい「事件」から生還したものの、正体を秘匿する必要が生じた。若くして亡くなった先代の遺言を受け、主人公の成長を見守り続けている。偶像を崇拝する異国の宗教の敬虔な信徒で象が好き。
メイド長:ロッテ・メイヤーサーン
外見は25、6歳と妙齢の女性メイド。ブロンドの長く伸ばした髪が美しい。すらりと痩身で、女性らしさという意味では、若干物足りない肉付きをしているが、そんな些細なことは欠点と感じさせないほどの端正な顔立ち。エア眼鏡を掛けているつもりで、しばしば人差し指を鼻先にやり、ズレた眼鏡を元の位置に戻すポーズをとる。誠実なあまり融通の効かないタイプで、同格の執事長セバスに対しても、露骨な対抗心をむき出しにして憚らない。主人公に対して苦言を呈することも厭わないが、それは主人公の身を案じてのこと。
主人公に対して、主従関係による忠誠心をはるかに超えた、純粋無垢な恋心を抱いている。ところが、自身の乙女な一面を知られたくないこともあり、常に虚勢を張っている。心の奥底で主人公に「ロッテ」と呼ばれたいという妄想に悶えているが、その願望をひた隠しにしており、ファミリーの誰にも知られていない(つもり)。ゲーム的には、セバスとの掛け合いを通じて、ミッションの目的、問題点、攻略の糸口を示唆する役どころ。
メイドの少女:アーデルハイド
明朗快活で誰に対しても物怖じしない。格上のセバスやロッテのみならず、空中浮遊荘園の主人たる主人公に対しても奔放に振る舞う。歳の頃は14、5歳といったところで、面立ちにはまだあどけなさが残る少女。「ハイディ」の愛称で、お屋敷の人々全員から愛されている。
一切の記憶を失っており、その出自は不明。主人公がとあるタワーを攻略した際に、主祭壇に横たわる彼女を連れ出した。普段はおくびにも出さないが、不意に知らないはずの故郷に対する憧憬がフラッシュバックすることがある。お屋敷に来た当初は、自身の「特異性」に苦悩し心を閉ざしていたが、そのうち考えるのをやめた。主人公をはじめファミリーの皆は、ハイディがフラッシュバックでフリーズしていても、単に夢見がちな少女が空想の世界に想いを馳せているだけだと思っている。
下男:ミニオ
ゴブリン然とした異形の小鬼だが、この世に生まれ出でた瞬間から人間の世界であるテリトリーに「隔離」されて暮らしてきたため、自分をヒト族だと思っている。キモカワイイのは自分の個性であり、他の人にはない大きなウリのひとつだと解釈している。自称主人公の一の子分。主人公をアニキと呼び、ロッテにいつも窘められている。主人公の探索に常に付き従い斥候の役割を買って出るが、基本あまり役に立たない。主人公もそれを織り込んでおり、陽動の選択肢のひとつとして位置付けている。主人公のミニオに対する命令にはまったく愛がないのだが、当のミニオは頼りにされていると勘違いしている。スケボーが得意。
機関長:シン・トクダ
テリトリー機関部を取り仕切るエンジニア。7代前から主人公家に仕えているが、元はといえばソラを派手に暴れまわりその覇権を手中にしていた海賊衆の末裔。傘下の各テリトリーの一斉蜂起を機に弱体化。落ち延びた祖先が航行技術を差し出す見返りに主人公家に庇護を求めた。主人公が持ち帰る変異体の解析もトクダの仕事。祖先から脈々と受け継ぐ「使命」を主人公に対しても秘匿している。とはいえ、基本的に主人公と利害関係は一致しているため、主人公の不興を買うような不穏な動きを見せることはない。主人公のほうも、この老練の技師の忠節に対して全幅の信頼を寄せている。なお、空中浮遊荘園のキャプテンは当主たる主人公なのだが、それは形だけのもので、空中浮遊荘園運行に関する一切の実務はトクダに委ねられている。
料理長:トニオ・モリモト
40歳台に差し掛かり円熟味を増した料理人。どんな食材でもそれなりの味に仕上げるプロ中のプロ。スパイスとハーブの研究に余念がない。地鶏と自撮りが好き。常に白の糊の効いたコックコートにコック帽、そして半身のエプロンというベタなスタイルに身を包んでおり、プライベートな装いを誰も見たことがない。衛生面への配慮から、髪を短く整え、ヒゲも伸ばしていない。10代のころから各地を放浪。その間、他の略奪者とは異なる「美食」という視点タワーをで攻略してきたが、金策に失敗して5年前に主人公家の庇護下に入った。アーデルハイドやミニオが落ち込んでいると、特別に甘いものを作ってくれる。