LOST METAシリーズ「LOST METAVERSE≪失堕の箱庭≫」設定・用語集(人類篇)
■人類関連
空中浮遊荘園
世界の上空を、正確に(ゲーム内時間で)1年の周期で周回軌道を描きながら、あたかも大海原を回遊する鯨が如く飛翔する巨大岩盤群。主人公を始め、すべての領主はこの空中浮遊荘園を領有している。常に気流の赴くまま漂流しているのではなく、ごく短時間なら岩盤底部に設えられた重力に作用する魔導力によって自律運行することも可能。その場合、周回軌道や周期は崩れる。常に元に戻ろうとする作用が働くが、影響のほどは計り知れない。領主にとって大きな決断が必要とされる。継承の螺旋に停泊することを決断した際には、継承の螺旋直上にアンカーを下ろす。
どの領主も空中浮遊荘園内で完結する自給自足体制の確立を目指してはいるが、実際問題、それは不可能と言っていい。現実的な落とし所として、積極的な「交易」による互いの特産品の売買と、継承の螺旋からの「略奪」によって、自領の荘園経営を成立させている。交易品には、魔結晶に代表される構造体、食料品、肥料といった消耗品から、武器や防具、建材といった耐久消費財、美術品、譜面といった芸術的嗜好品、果ては労働力としての隷魔族や獣魔も含まれる。
魔結晶の入手に失敗した場合、空中浮遊荘園は直ちに自律航行機能を喪失する。こうなると自領を空中に維持する術はない。そのため、機能停止に先立って領有権を売却し、他の領主の庇護下に入るのが通例である。
植民荘園
テリトリーのうち、主たる荘園領地と区別して従たる荘園を植民荘園と呼ぶ。一般に植民荘園は主たる領邦に橋梁で接続され、空中浮遊荘園に牽引されて航行するため、従属する植民荘園の増加は、それぞれが単独で航行するより多くの魔素を消費する。それでも植民荘園を接続するのは、大規模荘園を領有する領主だという示威行為であるとともに、「埋め立て」によって平面方向への空間的連続性が向上し、有効利用可能な平地の拡大に繋がるからである。
荘園領主
本作の主人公たちの総称。自領の統治とタワーの略奪を生業とするものが大多数。魔導文明において、程度の差こそあれ人類は皆一様に魔導士である。大荘園を領有する名門「六家」を除いて、荘園の規模は、せいぜいフットボールスタジアム程度の大きさでしかなく、荘園はファミリービジネス。領主は、長子相続を原則としている家門が多いが、明確な規定があるわけではなく慣例に過ぎない。民主的に当事者間の協議により決定されたり、女子を領主と定める事例も少なくはない。領主以外の一族は領内に「部屋住み」として留まるのが通例だが、中には別の領主の庇護を受ける者、没落貴族が手放した荘園を譲り受け独立を果たす者、中核魔導都市で財をなし商人として大成する者など、人生の選択肢は多様である。
連座同盟
荘園領主同士の相互扶助を目的とした共同体。その名の通り、一蓮托生を誓約した領主間の同盟組織である。封建的封冊に基づく主従関係はなく、経済的軍事的優劣に基づく雌雄が決せられた時、魔導による盟約が勝者より強制される。
中核魔導都市
塔頂魔導学会
魔導の最高権威である学術機関であり、学会が運営する併設の学園のことをも指す。魔導回路と内在する形而は発見から一定年数の経過の後、公知となる。
運営者
セントラルを運営する人工生命体。荘園領主たちの公平性と透明性を担保するために、何人にも恣意的にコントロールされないことが、絶対的な生存意義のレベルに組み込まれている。性別不詳で、機械的な外見を有し治安維持を担うゴーレムと、女性的で行政サービスに従事するホムンクルスによって構成され、いずれも魔導の産物である。歴史の中では、扇動政治家の登場によって一時的にセントラルの社会基盤への信頼を失わせる事態へと発展することが頻発しているものの、レギュレーターズの危機管理能力と、荘園領主たちの協調介入により、常に危機は数日のうちに解消している。
放浪者
失堕の箱庭 / Lost Metaverse
本作のタイトル「Lost Metaverse」を日本語で解釈すると、メタの失われた世界(Lost Meta-universe)という意味になる。これは世界の統一語でも同一表記、同一発音である(注:そもそも統一語は、現代の英語と同一だが魔導文明期の世界人類はそんなことは知らない)。観測可能な事象に対して関連付けて解釈すると、転じて深い世界の底を意味する言葉となり、要するに人外の秘境と化した地表面のことを指す言葉になる。
忘却の秘術
先の人類文明崩壊により失われた技術の総称。物質そのものは残ったものの科学技術は総じて失われた。
浄化
魔導文明の成立に至った重要なターニングポイント。塔頂魔導学会によって、人類の大多数に対して秘匿されている。
呪術投錨(spell-anchor)
山岳登山におけるペグ(独:ハーケン)と同様の役目を果たす「命綱」。スペランカーは複数所持可能で、ひとつの荘園に対してひとつ設置できる。自領に設置できるほか、セントラルや他のプレイヤーの荘園で「握って」いてもらうこともできる(抗争の敗北による握られてしまうこともある)。植民荘園を複数持つ領主のアドバンテージでもある。死亡すると破壊されてしまうが、デスペナルティを回避できる。何度でも再設置可能。
死の克服
魔導士は、すぐ死ぬ。が、しかしその死は人生の終焉を意味するのではなく、彼らは魔導により死を克服している。呪術投錨により自己の魂と世界の誘因力とを強く関連づけておくことで、意力の離散と肉体の消滅を免れる。
空間跳躍点
生体霊園
中核魔導都市に位置する呪術投錨を設置できるエリア。さながら墓標が立ち並ぶような殺風景で無機質な光景だが、その実は反対で、魔導士の生還を握る生命のシンボル。
生体霊園内には、個々の領主が占有できる分譲地と、一度きりの利用だが早い者勝ちで誰でも利用できる公民地がある。魔力供給のない公民地の呪術投錨は、その期間の生死に関わらず、1週間で魔力を失い消滅するため再設置が必要。
生体模写
記憶の保存方法。肉体という器は最悪替えが利くが、意力(=記憶)の替えは利かない。そこで、ある時点の意力の状態を複製し保存しておくことにより、死を克服した。生体模写により希薄化した意力は、魔素で埋め合わせることで、時間経過とともに元の精神状態へと緩やかに復帰する。
デスペナルティの前払い(通常最大意力20%くらいのペナルティに対して5%程度に留めるバランス?)が必要なため、頻繁に取ると弱体化する。