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第六話 拷問と掃除屋と死刑執行人

「なっ、何をする気だッ!!」


まだ、元気があるじゃない。

楽しめそうだ。


「貴方にとっても素敵なお遊戯よ。」


まあ、彼らからしたらお遊戯ではなく唯の殺戮ショーにしか見えないかもしれないけどね。

でもこれは貴方達が毎回していることじゃない。

虐殺、強姦、侵略、陰謀、虐めなどあらゆる悪事を働いているじゃない。


「素敵なお遊戯だと? ふざけるな! 僕はな! 女神から異世界に召喚された救世主なんだぞ!!」


彼がそう叫んだ時に彼の腹を殴り付けた。


「ゴフッ!!」


それを見ていた私は笑みを浮かべた。


「ふふふ、救世主? 貴方みたいな屑共が救世主? ねぇ、勇者ってどういう存在か知ってる?」


「知っている! 勇者はお前達のような悪い種族を滅ぼすために倒し、人々を救うために呼ばれた正義の味方、つまり正義のヒーローだ!!」


人間の世間一般からしたら正義の味方でしょうけどね。

でもね、私からするとどうしても勇者が······


「貴方達人間からしたらそうでしょうね。

でも勇者って虐殺者だよね?」


そう言った瞬間に彼は「は?」と呆然として、まるで何も知らない赤ん坊のような呆然とした表情をしていた。


だが、彼は首を横に振り「違う!」と否定していた。


「ギャアッ!! 痛いッ!! 耳があッ!! 僕の右耳があッ!?」


流石に素直じゃない彼に苛つきを覚えたため彼の右耳を引き千切った。

半分八つ当たりかも知れないが許してほしい。

まあ、許す許さないも関係ないけどね。


「否定してんじゃないわよ。

あんた達、今まで罪の無い女子供らに何をしたと思うのかしら?」


「ヒィーッ!! 嫌だ!! 助けてくれぇ!!」


私に対して恐怖を覚えたのか風の勇者の付き人である冒険者の一人が逃げ出した。


「逃げないでよ、クラウザー殺ってしまいなさい。」


「了解。」


クラウザーという緑色の軍服を着たナイフ使いの魔族を呼び出し、逃げた冒険者の一人を抹殺するようにと命令した。


「ッッッッアガッ!!」


そして、その瞬間にその逃げた冒険者の一人がクラウザーのナイフ一振で首、胴体、両腕、両足を一瞬でバラバラに切断した。


「良くやったわ、クラウザー・・・次逃げ出した奴が居たらお願いね?」


「了解」


相変わらず無口な男だけどセバスチャンが説明した通りに相当強いわ。

ベヒーモスの通常個体をナイフ一振でパラパラにしたと聞いたときはびっくりしたわ・・・


と思っていると斧使いの冒険者が私に攻撃をしようと迫ってきた。


するとドバンッ!! という銃声が聞こえ、斧使いの冒険者の頭が吹き飛び脳や目玉が飛び散っていた。


大体後ろから銃声が聞こえたため振り向いてみると銃剣を死体になった冒険者に向けているタキシードを着た、シルクハットの男が居た。


貴方居たんだ。


「チッ、レオンお前かよ。何故ここに居る?」


ああ、レオンね・・・クラウザーが何故か敵視していて、殺し合い染みた喧嘩をしていたとセバスチャンが言っていたわね。


「何って、俺は魔王様が心配で見に来たんだよ。セバスの奴が頼み込んできたから此処に来たんだが?」


確かセバスチャンは非戦闘員や住民達を避難させている筈だからかな。


「ああ、それと魔王様、貴女のところに向かっている途中に冒険者の増援が少しだけ来ていたので全滅しときました。」


「良くやったわ。何か有ったら私に伝えてね。」


「畏まりました。」


レオンとの会話を話終えた後に風の勇者の方へと視線を戻して、口角を上げて彼の名前を聞いた。


「そういえば聞いてなかったけど、貴方、名前は何かしら? 殺す前に聞いておきたいわ。」


「僕を殺すのかッ!? 誰が教えるものかッ!!」


まだ、反抗するのか・・・じゃあ話を変えるか。


「ねぇ、だったら私達の仲間にならないかしら? 仲間になるのならあなたを今すぐに魔族に変えて私の眷族にして上げるわ。

人間族よりも仲間を大切にするし、生活の保護もするわ。」


そう提案するが彼は首を横に振り「嫌だ!!」とまるで駄々を捏ねる小さい子供を相手にしている気分だ。


「駄々を捏ねるじゃ無いわよ。

それじゃあ死ぬ?」


「それも嫌だ!!」


「じゃあ、どうするのよ?」


「僕は自由に生きたいんだ!! あらゆる美女と美少女に囲まれて幸せを掴み、英雄になることなんだよ!!」


「男はどうなの? その女性達の中に一人はその男と恋をしていたと思うけどそこのところどうなの?」


「はあ? 男なんて塵だよ!! 全ての女は僕の物で、後は塵だよ!!」


・・・呆れて物も言えないわ。

まあ、もう良いでしょう。

仲間にしようと話を聞こうとした私が馬鹿だった。


「もう良いわ。」


もう本当にどうでも良いくらいにズタズタに切り裂いてやるわ。


「ちょっと待ッ!!」


「貴方はもう死んだわ。

誰にも気付かれることもなくてね。」


そう言った瞬間、風の勇者は「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」と発狂しながら肉片一つ残さずに私が切り刻んだ。


残ったのは風の勇者の血痕だけだった。

クラウザー:緑の軍服を着ているナイフ使いの魔族で掃除屋。身体能力が非常に高く、制御不可能なベヒーモスの通常個体をナイフ一振でバラバラにしたという。

何故かレオンを敵視している。


レオン:シルクハットを被っていて、タキシードを着ている魔族の男で死刑執行人。ちなみに銃剣使いである。

噂によるとゴーレムを百体相手に一人で破壊したらしい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者さんの他作のとにかく人類皆殺しマン(まあ何故彼がそうなったかは、そりゃあそうだにしても)よりは随分慈悲も有りますよね魔王様。投降しろとか言うし。 [気になる点] 「僕は自由に生きたいん…
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