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第五話 風の勇者vs魔王エリス

さて、襲ってきた人間は誰かしら♪

人間達が襲撃してきたということはその中に勇者が居る筈なのよね♪

だって優秀の部下を次々と惨殺しているから相当な実力者が居る可能性もあるし、『英雄』レベルの騎士も居るかもしれないからね♪

多分ないと思うけどね。


そういえば思ったけど兵士ってこんなに少なかったかしら?

前魔王はちゃんと管理していなかった可能性が高いわね。


一応、人間達に聞いてみますか。

とはいえ、彼方から剣を向けて来たわね。


「我が名は風の勇者マモルだ! 邪悪なる魔王を倒しに来た! 貴様は魔王か!」


堂々と名乗る物ではないわよ? それで敵に狙われたら言わんこっちゃない。

風の勇者······確か前世だとあの糞勇者の他にも数ヵ国で召喚されているとは聞いたけど本当だったとはね。


「良く来たわね? そう、私こそ魔王よ。

名前はエリス、最強にして最悪の魔王よ。」


堂々と名乗ってしまった私もだけどね。


「そうか、貴様を倒せば我は英雄になれる! 我が風の聖剣の餌食になるが良い! 例え美少女でも容赦はせんぞ!」


風を司る聖剣か······触れたら細切れにされそうだ。

ん? 美少女? 待てよ、良く見るとこいつもゲスな表情をしているな。

気のせいだと思いたい。


「この聖剣はあらゆる物体を細切れにすることも出来る最強の聖剣だ! 例え貴様でもこれは耐えられん!」


そうね、確かにアレを食らってしまったら唯では済まないでしょうね。


「そして、お前に一対一の決闘を申し込む!」


決闘ねぇ······自分の力を確かめるためには丁度良いでしょうね。

でも、他の奴らが邪魔してきそうだからまずは人質に取られている少年を救い出すかな。

しかし、最初は交渉からだけど。


「解ったわ。

ならその子を解放してくれないかしら? 私の可愛い可愛い部下達を殺されるのはもう嫌なの。だから解放してくれない?」


そう言った瞬間に人間達が罵声を浴びさせてきた。


「ふざけるな! お前のせいで俺は妻と娘を失ってしまったんだぞ!」


「俺も仲間を惨殺された! 中には俺の親友も居たんだぞ!」


「何でテメェのような糞野郎が生きているんだ!」


「死ねば良いのに」


「テメェ達のような種族の居場所なんぞ無いんだよ!」


何を勝手なことを言っているのかしらねぇ? 貴方達だって同じでしょう?


「ククク、キャハハハハハハハハ!! 面白いわぁ! 貴方達! そこまで愚かだったとは滑稽ねぇ!」


何とも面白い、人間は愚かじゃなきゃね。

人間は特に迫害や差別と言った物を平気で行うし、自身が優位に立つと見下したりと、相手を平気で貶める。

そして、自分達の都合が良いように相手に責任を擦り付ける。

本当に人間は愚かで下らない生き物よ。

昔の人間は素晴らしいと聞いたことはあるけどそれは昔の話で今と関係ない。


「そんなに言うのなら掛かって来なさい。

風の勇者マモル、貴方に言っているのよ?」


ズタズタにして上げるから♪

あの糞勇者の前に貴方を殺してあげる♪


「この化け物めぇ!!」


と叫びながら突進して、風の聖剣を振り下ろしてきた。


「誰が化け物かしら? 貴方達の方がよっぽど化け物だと思うけど?」


「うるさい!」


彼はブンブンと聖剣を振り回しており、私はソレをすらすらと避けて相手をより焦らせる。


「どうした!! 怖くて攻撃できないのだろう!!」


私が攻撃をしないことを良いことに随分と調子が良いことね。

それに風の勇者、貴方の攻撃はほとんど単調過ぎてあくびが出るくらい避けやすいわ。


「やってしまえ! 勇者様!!」


「そんな屑野郎を倒してしまえ!!」


彼の仲間も優位に立ったのか勇者を応援し始めたぞ。


「ありがとう、皆! これで我も強くなる! 行くぞぉ!」


すると風の勇者が覚醒したのか魔力や戦闘力が上がった気がした。

いや、上がっている?


次の瞬間に風の勇者がいつの間にか目の前に移動して、私の左腕を切り飛ばした。


「そんな、きゃあ!!」


「良し、これで終わりだあああああああああ!! ファイナルトルネードブレイドおおおおおお!!」


風を纏った聖剣を突き刺してきた。


「きゃあああああああああああああああああ!!」


彼の聖剣が私の胸に突き刺さり、細切れにされた。























「······と思ったかしら?」


残念ながら私の人生は無くなりません。

全て演技でした。


すると風の勇者は驚愕な表情を浮かべて何故、聖剣の力が通用しないのかと取り乱していた。


「なっ、何で聖剣の加護が通用しないだよ!」


「はい、残念♪ 私にその程度のパワーで勝てるとでも思ったのかしら?」


「そんな馬鹿な! 卑怯だぞ! 僕は主人公の筈だ! 簡単にやられるわけがない! これはゲームの世界の話なんだ! 」


へぇ、『僕』ねぇ······そっちが素か。

『我』は格好つけるための物か。


卑怯も何も敵を騙して潰すというのは戦略の一部なのだよ。

それと「僕は主人公」? 主人公って何かしら? ゲームの世界? ふざけているのかしら? おそらく彼からするとご都合的な何かを期待しているのかな?


無い無い! 絶対にそんなご都合的な話など有りません!


「本性を晒したわね? 本当に面白いわ!」


「こ、この野郎!!」


顔目掛けて殴ってきたけどそれを小指で受け止めて、風の勇者の腹部をちょこんと人差し指で優しく突くと?


「うぶっ!」


変な呻き声ねぇ、腹部をちょんと優しく人差し指で突いただけなのに何で痛がるのかしら? しかも嘔吐したわ。

汚いからドレスに掛からないように避けておいて良かったわ。

勇者って脆いのかも?


「まだ、終わらないからね。」


そう言い、私は魔剣を創造して、風の勇者の後ろを取り、背中を切り刻んだ。


「なっ、何なんだ! 速すぎる!?」


「ドレス姿であんな速度を出せるのか!?」


人間達もそれを見て驚いているようね。

今更気づいたけど彼ら騎士ではないようだし、アホみたいに雇った冒険者でしょう。


「痛い! このままじゃ死んじゃうよー!!」


情けないわね。

主人公じゃなかったのかしらね。


「そんなことで死なないわよ。人間は丈夫なんだからまだ、付き合ってもらうわよ。」


さて、楽しい楽しい拷問の時間よ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あーあ。まあある意味、屑の前哨戦で半分、八つ当たりの気も。 [一言] しかし、まあ作者さんの作品は、召喚される勇者、屑しかいないのか。 ある意味、現実世界からゴミが異世界へ廃棄されてるとか…
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