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第十七話 帰還、優しさ、睡眠

「あらあらお帰りなさい! 貴女を待っていたところよ!」


私が魔王城に転移して先に出迎えて抱きついて来たのはお母様だった。


「お母様ッ

胸当たってるッ当たってるよ!」


流石にお母様の胸に埋もれてしまったため、何とか引き離そうとそう叫ぶが、離す気配なし。

逆にもっと抱き締める力が大きくなっているような気がするのだが?


私は何とかHELPと叫びながら助けを求めるとロンスカメイド服を着た二人の猫耳の女の子が姿を現した。


あれ? この二人どっかで······?


「こらっ、フレイヤ様いけませんよ?

帰ってきた娘に早々に抱きつくのは。」


「そうですよね、エリナさん······ちょっとやり過ぎな気がします。」


ぁぁぁぁぁぁッ!! 思い出した! 確か処刑される数前に助けた子達だ!!


でもそんなことより私を助けてえええ!! 胸に埋もれて息ができないいいい!!


と思ったらお母様は離してくれた。

おそらく、この二人のお陰だろう。


「はぁ、はぁ、ありがとう······死ぬかと思ったわ。」


「いいえ、礼には及びません。」


「私達はフレイヤ様のメイドなのですから。」


ハッ? メイドにされたの?

そういえばお母様が言っていた気がするなあ。

どうでも良いことなのでスルーしてたけどまさか、本当にやるなんてね。


「ゴホンッ、お母様に何かされてない? 何かされているのなら私かセバスチャンに言って? 相談に乗るから。」


流石にお母様に何かされていないか確認しないと気が済まない。

するとお母様が微笑を浮かべて突っ込んできた。


「ちょっ、ちょっと待ちなさいな。

何故、私が何かする前提になっているのかしら?」


お母様がそう言って、ツッコミを入れてきたが無視した。


「いいえ、特に何もされてませんわ。

フレイヤ様は私達の身体を癒し、私達の住む環境を良くしてくれて、況してや仕事もお与えくださいました。」


へぇ~、てっきりお母様に何かされてないと思ったんだけど、彼女がそう言うのなら大丈夫そうね。


「それは良かったわ······貴女達、あんなにボロボロだったから心配してたのよ。」


「そうですか、あっ、すみません、わたくしの名を名乗っていませんでしたよね?」


確かに名前は聞いてなかったかな?


「わたくしは元王女ですが、名はエリナと申します。

あの時は助けていただいてありがとうございます。」


「いやいや、礼には及ばないよ······彼処元から滅ぼす気で居たからね。」


すると「えっ?」と驚いた表情になった。


「ああ、もう彼処には何もないよ。

彼処はとりあえず教皇が暴走して滅んだ国と言うことになっているから。」


そう言うと彼女が少しだけだが震えたような素振りを見せた。

様子がおかしいと思った私は彼女にどうしたのかと尋ねた。


「どうしたの?」


「あっ、すみません。

ちょっと昔の事を思い出してしまって。

あれでもわたくしを育ててくれた恩がありましたので、何だか複雑な思いをしてしまって、その······すみません。」


「まあ、その気持ちは解らなくもないわ。」


(私も前世では育てられた恩くらいは有るからね。まあ、どうでも良いけどね。

そういえばお母様に聞いてないけど父は居たのかしら?)


自分の父の事を気になったため、猫耳娘になってメイドになった闇の勇者の少女の耳をモフモフしている母親に耳元で小さく聞いてみた。


するとお母様は眼を伏せて寂しそうな笑みを浮かべて父について教えてくれた。


「あ~、あの人はもう居ないのよ······だいぶ前に私が魔神になる前に人間達になぶり殺しにされて最終的には処刑されたわ。

今でもその光景を鮮明に覚えているわ。」


「聞きたくは無いけどその後、どうなったの?」


「皆殺しにしたわ。

処刑に関わった人達を全員、あの人にあんな仕打ちをした奴らをね。」


解っては居たがその話を聞いて罪悪感を覚えてしまった。

聞いた私のせいかもしれないと思い謝罪した。


「ごめんなさい、私······」


しかし、彼女はゆっくり首を振り優しげな微笑みで私を優しく抱きしめた。

さっきのえげつない力で抱きしめ方ではなかった。


「ううん、良いのよ? 気にしなくても、もう過ぎたことだし、別に気にしてないわ。」


と言いながら私の頭をナデナデと撫でた。


(気持ちいい、何だか眠くなっちゃった。)


その優しさに包まれながら眼を閉じてそのまま眠った。


そして、お母様に「おやすみなさい。」と耳元で言った。

エリスも一応、前世での両親の事は育ててくれた恩が有りますが、それ以外は微塵も有りません。


彼女が信用する親はフレイヤのみです。

父親は人間の手によって殺されてしまい居ません。


また、エリナが兄王子の事を触れなかったのは虐められていたからです。

エリナは心の何処かで兄王子の事を無意識に『死んで良かった』と思っています。

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