みのむしのゆめ。
うとうと うとうと
ぶらりぶらりと ただ揺れて
落ち葉を眺めるしかなくて
温かい毛布に包まれた 自分はみのむし
雨粒だけは 逃れたい
いつか見た あの姿 天然記念物
国蝶に なれるかな?
眩い紫色 洗練されたバランス
疲れた羽を休めた姿でさえ
いつまでも 観ていたくなるような
ただ 羽化してみたら みすぼらしい
ちっぽけな 蛾であったとしても
紅葉に寄り添い 麗らかに待つ
川のせせらぎを 耳にして
いつまでも 閉じ籠る
桜の花びら舞う頃 嫌われたって構わずに