ダンジョンへの第一歩
処女作です(๑¯ ³¯๑)うー
暖かい目で見てやってください
暇潰しに書いてるので毎日更新とか多分しない(ハマったらするかも)です!
FWO時代とまで言われるほど世界を震撼させたVRMMOゲームが発売されてから10年。
その間にも色々なゲームが開発され、FWO1強と呼ばれた時代も過ぎたこの頃。
俺こと“桜華 漆”はとあるゲームの開始を今か今かと待っていた。
今年高校に入ったばかりの俺が去年の冬からずっと待ち望んでいたこのゲームは今までのVRMMOとは全く違うシステムで楽しめるとネットや雑誌での評判も中々に高かった。
今までのVRMMOの特徴は、まるで異世界に来たかのような世界で魔物と戦ったり武器を作ったりして、自分を育てる事がメインのゲームが殆どだった。
勿論、FWOの様にリアルに何でも出来る世界の牧場で牛を育てている様な生産型プレイヤーも居るには居たが、マイナーすぎて目を向けられる事は今まで殆ど無かったと言って良いだろう。
実際少し前まで俺はその生産型プレイヤーだった。
一緒に仲良くやっていた人ととある事件で一緒に出来なくなり、そのゲームを辞めたのだ。
そんな生産型プレイヤーの俺が待ち望むゲーム。
それは“ダンジョンを作成・育成し、外敵からダンジョンコアを守る”というダンジョン作成型ゲームである。
ピピピピ!ピピピピ!
セットしておいたアラームが鳴る。
「後1分…!」
期待を膨らませ興奮しながら頭に被ったMS内の右上にある時間がゲーム開始のカウントダウンを待つ。
「『マインドイン!』」
一瞬目の前が真っ暗になり何も見えなくなるが、すぐに開けてくる。
目の前にメイド服の綺麗な女性が立っていた。
《ようこそ、“ダンジョンバトル”の世界へ》
《私は初心者用ガイドAIの“ナビ”と申します、よろしくお願いしますね》
綺麗な声だ。
そういえばこのゲームは人気声優さんが隠れ要素として参加している、と雑誌に書いてあったな。
あまり声優には詳しくないから分からないが聞く人が聞けば分かるのだろうか。
《まず始めに、あなたの見た目を選択してください》
見た目と言っても性別や身長を大きく変更する事などは出来ない。
出来ても顔や髪の変更くらいだ。
大きな体の変化は現実に戻った際や緊急時の被害が大きい為制限されている。
FWO初期では性別や身長なども変更出来たが、FWOで悪質なプレイヤーに残酷な殺され方をしたプレイヤーが現実でも被害を受けた事件があり、瞬く間に修正されたのだ。
その影響が大きかったのか今ある全てのVRゲームは見た目の大きな変化は“基本的に”出来ない様になっている。
「見た目はファイルに保存してあるデータを使用っと」
あまり派手なのは好きじゃない俺は髪の色を黒色でリアルではコンプレックスでもある吊り目を少し柔らかい表情に変更している。
当然のように変更なしにしている美男美女達が恨めしい。
《ファイルの確認を実行……確認完了》
《ファイルデータの読込みを実行……読込み完了》
《名前を設定してください》
名前は先着順とかの決まりは特にないので自由につけられる。
俺は前まで使っていた馴染みのある名前にした。
「ウルっと」
…そうだよ、本名から取ったんだよ、悪いか!
《プレイヤーネーム『ウル』でよろしいですか?》
「はい」
《プレイヤーネームを『ウル』で登録しました》
《武器を選択してください》
これは俺の武器だ。
ダンジョンバトルの世界ではダンジョンの中に魔物やトラップを作って敵を倒すのが基本だが、もし全てが看破されてしまった際の最後の砦として作成者本人が戦闘する事が出来る。
初期装備は剣、槍、斧、杖のどれかを選択する事が出来る。
勿論俺は最初から決めている。
「剣で頼む」
《エピローグを開始します》
エピローグか…ある程度の情報は頭に入れたつもりだけど、念の為に聞いておくか…
ナビさんの斜め後ろ側に映像が流れ、ナビさんかゆっくりと話し始める。
《20XX年、新たなエネルギーの開発に成功したこの“セルティア”の世界では、そのエネルギーを求めた数々の国や企業が法を度外視した戦争を始め、罪の無い命を奪い、自然は消え、遺産はなくなり、人間はセルティアを破壊しました》
《数多の大切な物を失ってもまだ続く戦争の中、遂に神々の怒りに火を灯してしまったのです。絶対神であるゼウス様がこのセルティア内での戦争を止めるために人々の前にご降臨なされたのです》
《神々は人々の行為に対して罰を与える事にしたのです》
《“そんなに戦いが好きなのであれば戦の場を与えてやろう”という言葉を残して》
《神々は人間が戦をする際に幾つかの条件を定めました。1つ目は“ダンジョン”と呼ばれる空間で戦う事。2つ目は義務付けました。これを破った者は誰であろうと自分のダンジョンの魔物にされることとなりました》
《また、ダンジョンの運営には魔物が落とすダンジョンコイン、通称“DC”の存在が必要不可欠だったため、神々はダンジョンの外に魔物を放った…これにより人間はダンジョンでの生活を余儀なくされたのであった》
《人々は混乱し発狂するものもいれば、自分達の過ちに気付くものもいた…しかし皆一様に気付くのが遅かったのです…世界が変わっていく光景を見ながら人々は涙を流しました》
《それから100年、数々のダンジョンが作られては滅び作られては滅びを繰り返した》
《変わった世界でもまだ戦をする人々、神々は人口の急激な減少への対策として“異世界”から人を召喚することにしたのだ》