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久しぶりに小さなサロンを開く事にしました。
近頃は私も忙しく、さらに、あのマリナさんのおかげでさらに面倒……いえ、人のお世話をしたりと、中々、開く時間が取れなかったのです。久しぶりですので楽しみです。
やってくる方々は、いつものカトリーヌ様、ミレーユ様、アンナ様と他7名の方です。
まあ、その7名の方の中にマリナさんも入っているのですが、それはそれ。私はホストとして、キチンとするだけの事。
すごく胃が痛いです……。
しかし!ここでくじけてはいけません!国母たる妃になれば、さらなる胃痛の種がそこかしろにあるのですから!ええ!ここが勝負所ですよ、私!
ムン!と胸を張って、私はやってきた方々ににこやかに挨拶しました。
9名集まりましたが、1名まだ来ていません。
マリナさんです。
来たくない気持ちはわかりますが、ここで退けば、これから先の貴族社会で生きていけませんよ。たしかに逃げるのも一つの方法、大切なやり方です。ですが、今回は出た方がよかったと思われます。
来てもこなくてもいいよというのは、スタンスとしてありますが、彼女のためにも無理やり連れてくるしかありません。
私は、そっと控えの使いの者に、マリナさんを呼び、連れてくるようにお願いしました。
来たくないからきていないのはバレバレですが、ここは「きっと、場所がわからなくなってしまったのかもしれませんね」という事にしておきましょう。私がこう言ったので、皆さんは口を閉じてくださるでしょう。ここでは。
マリナさんが来ていない間、私は皆さんに素敵な提案をしました。
いえ、私が考えたただのなんでもない凡庸なシナリオです。もうアホかというほど、なんてバカバカしい!と思えるようなシナリオです。
「実は、マリナさんは私に協力してくれていただけ。時折起こる婚約者同士の争いは、絆のなさにあると思った私は彼女に頼み、皆さんの絆を強固なものにさせるよう、わざとそういった事をさせていたのです。ですが、ここでそれに終止符を打たねばなりません。ここにいる皆さんで、マリナさんに報いましょう。そう!マノス殿下に彼女を幸せにしてもらうのです!どうでしょうか!」と。
素晴らしい嘘八百です。もうすぐに嘘だと見抜ける程度です。
ですが、私の友人三人にはすでに「殿下が即位する前に、聴衆の面前で国外追放だのなんだのというのをさせるわけにはいきません。暴君だと思われ、それによる反乱が起こられては困ります。それで、暴君よりも他の者を王にと言われるのは、私が許しません。ですので、ここは協力していただけないでしょうか……」と言って、協力の了承をとってあるのです。
三人は私に目配せし、信じさせるためにある事ない事、全て辻褄合わせしながら喋ってくれました。
全部嘘っぱちですが、信じるに値する言い方、そして、完璧な時系列……、後々彼女がやってきても、全ていい勘違いをされます。
ふふふふふふふふ……、完璧だ!!!!!!!
ふは!ふははははははははははは!!!!!!!
おっと、殿下のくせが、私に。
いけない、いけない。とにかく、これで完璧です。こうして、合法的かつ誰も多分不幸にならずにすみます。イエーイ!ハッピーエンド!です!
私が心の中で、殿下ばりの高笑いをしているところに、マリナさんがやってきました。
とてつもなく不機嫌そうに。
ですが、皆さんはこう思ったはず「一生懸命演技をされてるんだわ!」と……。
ええ、彼女のことを「私の妹分のようなもの……。一方的に好き好きと言われ、利用しているのです……」ということにしておきましたから、皆さんは、加えて「健気!」と思われていることでしょう。
よくやった、私!
さて、皆さんに思いの外歓迎を受けているマリナさんは、とても居心地が悪そうです。
自己中心的に好き勝手やって、嫌われているとばかり思っていた女性陣に、こんなに「お菓子はいかが?」だとか「お茶のおかわりを!」だとか「これ、美味しいんですのよ」だのと構われているのですから。
困惑して、居心地悪いと思いますわ、そりゃ。
私と、三人はニコニコしながら、成り行きを見守ることにしました。
「やはり、こういったことには、好意というもので対抗するのが一番ですわね」
「ブリジット様がこれでいいなら、私は別にいいんですけど……」
「あら、不満そうですわねえ、アンナさん。私は、合法的に面倒なくどこかにやれるからいいと思うけど」
「それはそうだけど!そうじゃないのよぉ。なんか、ブリジット様ったら、いろんな目に合わされてるのに、こんな生ぬるい方法でいいのかってことよ!」
「あら、生ぬるいんだって、ブリジット様。ご説明したら?」
「まあ、そんな、恥ずかしいですわ……」
「と、いうわけで、私が説明してあげるわ。よく聞きなさいよ、アンナさん」
「カトリーヌさんは人に説明するのがお上手で、羨ましいわあ」
「お黙りミレーユさん!いいこと?元々市井の女が国外追放されたところで、なんの罰にもならないわ。それよりも、王族の嫁に入った方がよっぽど辛いに決まってる。常識も違うし、マナーだって厳しい。それに、彼女、結構プライドお高いし、あまちゃんじゃない?相当、辛いと思うわ。まあ貴族の血が入っているとしても、元は平民。正妃は無理。だとしたら側室以外ありえないじゃない?かわいそうよねえ……」
「絶対思ってないですよ、この人!」
「当たり前じゃない、アンナさんってちょぉっとバカよね」
「なんですって!」
そう喧嘩しだしたミレーユ様とアンナ様に「あらあら、お二人共、喧嘩はいけませんよ。それより、卒業式、楽しみですねえ」と微笑みかければ、お三方は一瞬固まって「ブリジット様が、一番怖い……」と言いました。
私、怖くないですよね?!辛いだろうけど、彼女の根性があればいけるものと思ってのこと!
いや、本音は「殿下に一生近づけないようにしてやろう」ですけどね!でも、怖くないじゃないですか。卒業式が近いから、普通にパーティーとか楽しみですねと言っただけではないですか……。
なぜです、なぜなのです……。
落ち込んでいるのがわかったカトリーヌ様に「あ、いえね、私たち、勘違いしちゃったみたいなの。卒業式で、マリナさんを追い出せるのが楽しみねっていう風に……」とおっしゃってくださり、理解ができました。
なるほど、確かに言い方としてはそんな感じでしたよね。うっかり、うっかり!テへ!
サロンは、なんだかんだとマリナさんが嫌味だのなんだの言っていましたが、全てすばらしい勘違いにより、素晴らしく驚くほど和やかに終わりました。
すごいです。
こんなにうまくいくものなのですね……。正直、私と三人は、ここまで和やかなサロンになるとは思っていませんでした。皆さん、騙されやすすぎでは??私は、皆さんのことが心配ですよ……。
とにかく終わった後は、お片づけの時間です。
食べ散らかしたお菓子は、まだいけるもの、いけないものと分け、食べかけのものは、口のついているであろうところだけ捨てて、他はどこかに混ぜ混ぜしちゃいましょう。
え?貴族のくせに意地汚い?なにを言いますか、貴族だろうとそうでなかろうと、節約は良いことです!
使用人達に「ああ!奥様はやらなくてよろしいのです!」と奥様でもないのに、奥様ー!と言われながら、楽しくお片づけをしていると、マノス殿下がやってこられました。
ええ、ええ、わかっていますよ。マリナさんが心配だったのでしょう?私は、慈母のごとき微笑みで彼の入室を許可しました。使用人もいることだし、大丈夫でしょう。
少し挙動不審にしているので、少しおかしいなあと思いながらも「マリナさんのことですね?」と言ってみると、彼は戸惑うように固まりました。
はてな?と首を傾げてみると、ズンズンこちらに歩いてきたマノス殿下は私の手をとって、頬を染めました。
おいおい、どういうことですか?
「ありがとう、ブリジット殿!」
「はい?」
「あんなに婚約者にベタベタするマリナの為に、わかりやすい嘘をついて庇ってくれるとは!あなたは、女神か!!」
「は???」
「くっ!君が、あの男……、いやディミトリ殿下の嫁でなかったら、嫁にもらいたかった!」
「ま、まあ……」
どうしたんですか、あなた!!!一途が売りのキャラだったでしょう!なにしてるんですか、本当に!
その発言、確実にアウトですよ!使用人たちの顔が真っ青です!もしもここに殿下がいたら、確実に首と胴体が繋がっていませんよ!!
いや、待ってください。この訓練された使用人達が、なぜ、こうもわかりやすく、顔が真っ青になっているのです?まさか……。いや、そんなまさか。
殿下がいらっしゃるわけでは?
いやあ、まさかあ!
いないですよね?!?!
バッと入り口を見れば、無言、無表情で、こちらをみる殿下が!!!!!!!
ガッデム!!ジーザス!!!!!助けて、神様!!こんないらない知識を与えたもう、神よ!頼みますからこの人たちの修羅場を回避させてください!おおごとになります!まじで!
私も、使用人のように少し顔を青くさせていると、殿下は私の手をがっしりと掴むマノス殿下の元へと歩いてこられました。
待ってください、殿下!この人はこんなおばかな事を言いましたが、真実、彼は一途にマリナさんを!修羅場らないでください殿下ー!!!
私は、必死に心の中で叫びました。
殿下に気がついたマノス殿下は、彼を見て「おお!ディミトリ殿!」とすごくいい笑顔をなさいました。なんなんです?ハイなんですか?お酒でも飲みました???
ハラハラする私と使用人を差し置いて、マノス殿下は、上機嫌に殿下にニコニコと笑顔を晒しています。
ニコニコするマノス殿下に、殿下は手をフッと高くあげました。
殴るのはいけません、殿下ー!!!!シャレになりませんよ!!!
私と使用人が嫌な汗をドッと流した瞬間、殿下はマノス殿下の背中に向かって、手を振り下ろし、バシバシ叩いて「ふはははははは!!!!ブリジットを女神とは!貴様、わかっているな!だろう!俺のブリジット、女神であろう?羨ましかろう?ふはははははははははは!!!!」と上機嫌に高笑いをし始めました。
なんなんだよ!!!!という叫びが、使用人から聞こえてくるようです。
よかった……。とにかく、殴らないあたり、よかった……。
心の底からホッとしたらしい使用人は、これ以上関わりたくない、見たくない、聞きたくないようで一生懸命掃除をし始めました。
わあ、今日はいつもより綺麗になりそうで、ブリジット感激……!
なんちゃって。
ドッと疲れた私と使用人は放っておいて、殿下はマノス殿下に、私の事をあれこれ話し始めています。
殿下、やめてください……。
私は、彼の話を遮って「提案があるのです!」と大きな声を出しました。
「おっ!元気があってよろしい!いうが良い!ふははははは!!」
「それで、なんですか?」
「卒業式で、マリナさんとマノスさんの結婚宣言です」
二人は、私の発言にそろって「は?」とおっしゃいました。
やめて……、そんな顔しないでください!
「大胆発言なのは分かっています!ですが、聞いていただきたい!」
「お、おう……」
「これからの時代、我が国とマノス殿下の国の対等で強固な同盟が必要不可欠!なぜならば!最近、我が国とそちらの国の間にある小国に不穏な動きがあるようですから」
「は?そんな事、俺は聞いてないぞ」
「私もだ」
「あら……。最近、女生徒の間で、あの小国から来ている兵士たちが生意気……いえ、小国にしては身なりが良いようで、町に出るとナンパされるそうなのです。それで調べてみたところ、あの戦好きな大国の王族が戦力を増強させるような事をしたりと、おおっぴらには同盟とは言えませんが、そのような関係があるようで。
立地的にどちらかにしかけるつもりでしょう。まあ、どちらかがたとえ勝ったとしても、疲弊は免れませんし、あの大国は無傷でしょうから、これを機に攻め込んでくる可能性が大。そうすれば属国にさせられ、また、マノス殿下のところか、我が国を攻めるつもりでしょう。そうであれば、お互いに手を組み、強い同盟関係を繋いでおくべきです」
「ふむ……、なるほどなあ」
「だが、その為にマリナを犠牲にするのはどうかと思うが」
「まあ、なにをおっしゃいますの。一番幸せな道ですよ?ねえ、殿下」
「うむ!なぜならば、俺は卒業式に、なにか問題を起こせば、彼女を即刻荒野に放り込む気だったからな。さすがに元平民と言えど、誰もいない荒野では、暮らせまい。野垂れ死ぬのがオチよ。であればこそ、彼女を使うのは、そのマリナ嬢の為になるというものよ」
「問題を起こしただけで荒野へ、とは、暴君と思われるぞ?」
「ふはははははは!!!まあな。だが、これで、俺に逆らい、問題を起こせば、どうなるか、という事が、バカな貴族にわかりやすく示せるだろう?俺はわかりやすいのが好みだ。で、どうする?ブリジットの提案を受け入れるか?杞憂であろうとも、強い同盟関係がある事は良いことであると思うが」
「ふむ……。正直な話をすると、とても魅力的だ。だが、彼女の家はそこまでのものではない。それに、そもそも平民であったのだから、側室が良いところだ。同盟が強くなるかと言われれば、多少としか言えまい?」
「そうですわね。そこはおいおい考えるとして。とりあえず、同盟の強化に対しては乗り気であるということで結構ですか?」
「ああ。そういえば、そちらからもらい受けるということは、そちらが弱いと受けれられるのでは?」
「だが、それぐらいは別段問題ではない。それに俺の威厳は、それ程度のことで純度も明度もましてや、威光も失わぬ!なぜならば!俺だからだ!ふはははははは!!!とにかく、我が国のことは気にしないでいい。俺がいるからな。そちらの助けにくらいはなろう。俺は慈悲深いからなあ」
「ははは、そう言われると腹が立つな。だが、ありがたく受け取らせてもらおう。そちらから、マリナ嬢を我が国にということでいいな?」
「ああ、適当に感動エピソードでも作っておいてやろう」
「そうか。では、期待していよう、珠玉のエピソードをな!」
「ふはははははは!!!俺の文才と語りの才に度肝を抜かれると良いわ!!!ふははははははは!!!!!」
「しかし、一番の懸念がありますのよ、殿下方」
そうお互いにニコニコする二人に言えば、揃って「ん?」という顔をされた。
本編ではまったく交流のなかった二人が、こんなにも仲良く……、いえ、話がそれました。
「マリナさんが拒否をした場合ですの」
「拒否とな?俺が許さなければ良い話では?」
「まあ、殿下!あの方は多分、相当、場を汚されますわよ。嫌がれば」
「確かに……。あ、マノス殿、悪いな」
「いいや。彼女の性格の悪さと欲深かさはわかっている。大丈夫だ」
そう笑顔で答えたマノス殿下に、私と殿下は「それがわかっていて、嫁にとは。この人、やばいのでは」と引きました。
それに慌ててマノス殿下は「いや、根はとても良い人間だと思う。きっと、平民生活や、ここでねじ曲がってしまったのだ。そう思う」と答えました。
まあ……、なんだか若干無理のある……いえ、とにかく、もらっていただけるならそれで結構なのです。
「とにかく、彼女を黙らせて、従順にさせる必要があるのです。あの場だけでも」
「無理だな」
「私もそう思う」
「……ですわよね。ただ、外道ですが、方法はありますの」
「ふははははは!!外道とな!王道とは外れるが、それも戦法!許す、言ってみよ」
「はい、殿下。では、言いますわね。父親をおだて上げ、確実に嫁がせるようにプレッシャーをかける。ですが、彼女はこの程度であれば抵抗なさるでしょう。多分、私を悪者にしようと、場内で一生懸命叫ばれるはずです。そこで、殿下の出番ですの。あ、これは後でいいますが、とにかく、彼女を静かにさせ、場内の全員に勘違いさせるようなことを言った後、私が隠しナイフで脅します」
「ほう……。ナイフで脅すとはなかなか大胆な」
「あら、大胆な私はお嫌ですか?」
「む?なにを言うか、俺はどんなブリジットも好きだ。続けろ」
「まあ、照れちゃいます。とにかく、私は彼女に抱きつきますわ。その時にナイフを突きつけて「これに黙って頷き続けないと、権力を総動員して始末しますわよ」と適当な脅しをつけますの。彼女、脅しには弱いですわよ、腕力の」
「そうなのか?」
「ええ、そうなのです。あまりにベタベタされるから、キレかけたミシェル様が、剣で脅した時にバッチリ確認が取れていますから大丈夫です」
カトリーヌ様がいるのに、ベタベタとあちこちに余計な世話を焼いてくるマリナさんに、若干キレ気味だったミシェル様が「申し訳ないが、防具は自分で手入れをしたい主義なので、触らないでいただけますか?」とにこやかに剣を突きつけたところ、無言で頷くだけの人形のようななったそうなので確実です!
カトリーヌ様から大笑いにつぐ大笑いの中、報告されました。
そんなに、面白かったのですね……。まあ、笑い上戸な方ですから、なんでもお笑いになられますけども。
「ミシェルもあれで中々短気だからなあ」
「そうなのか」
「笑顔ですぐキレる。ブリジットの場合は、笑っているが目がこう……暗黒サイドにある感じで本気で怖い。ブチギレたブリジットはな、魔王もかくやというこわさで……」
「殿下」
「ほら、これだ。この目が笑ってない感じ」
「なるほど、これは怖い」
「私のことは良いのです!とにかく!卒業式にマリナさんがそちらの国にいけるよう、手はずを整えてしまってもよろしいですね?!」
「ああ、大丈夫だ。こちらも話を通しておこう。多少、なにかを言われるかもしれないが、そちらからの贈り物のようなものということでよろしいな?ガンガンそちらが弱い立場ということにしてしまうが」
「良い!なぜならば、俺がいるからだ!!ふははははは!!どう公表され、どのような噂があろうとも、俺のこの姿、この声、この存在一つで全てが覆る!なぜならば、俺だからだ。これ以上の理由はない。俺だからなのだ……。さすが俺……。王たる男だ!ふはははははは!!!」
「そうですわね、殿下。とにかくこちらは気にしなくて結構ですわ。正直な話、マリナさんが殿下に近づかなくなれば良い話なのです。それに、王になる前に暴君っぷりを見せると、不安がる方もいますからね」
「そちらが狙いか。ははは!さすがはブリジット殿だな!大人しく君のことを観察していたが、中々、肝の座った御仁だ。それに機転もきく。穏やかなだけの愚ではないのはわかってはいたが……。マリナがいなければ、私は君に恋をしただろう」
「まあ、マノス殿下……」
「ふはははははははは!!!!!!さすが俺のブリジット!!!!!他国の王子まで魅了してしまうとは!!!さすが!俺の!嫁!!!ふは!ふははははははははは!!!!!その愛くるしさは世界も時代もなにもかもを超えるな!うむ!神殿を立てよう!いや、塔も立てるぞ!ブリジットの塔と像と神殿を建て、後世にまでブリジットの素晴らしさを広めるのだ!!おお!!なんといい考え!早速、宰相に相談してみるか!楽園のごとき美しく、それでいて優しく包み込むようなブリジットを表すように草花が美しく咲き乱れ、小鳥達が歌う素晴らしい神殿を!そして、塔はズバリ!ブリジットの凛々しさを表すように荘厳な佇まいにしてみせる!!!像はとにかくでかく!でかくだ!!!俺のブリジットは世界の女神!いや!俺の女神であり、天使であるのは変わらない事実であるが、その相貌の一端くらいは世間に見せてやらんでもないというか……、俺の太陽であるブリジットは、事実、太陽なのであって、太陽と言うことは世間を明るく照らし続ける存在!なくてはならぬ存在!で、あれば!!その像を作り、太陽の加護を民草とその他に与えるのも、また道理!!すなわち!!俺のブリジットは至高の存在であり!!また!俺もブリジットにふさわしく、至高にして最上の王なのである!ふははははははははは!!!かわいそうな貴様にもブリジットの像くらいは見せてやろう!慈悲だ!俺の慈悲である!ふはははははははは!!!うわーっはっはっはっはっは!!!!」
高笑いをし続ける殿下はまるっと無視をして、マノス殿下はそろそろ部屋に帰り、自国と相談するための手紙を出すと部屋から出て行かれました。
殿下は、未だに高笑いを続けています。さすがの肺活量です。私はお茶の手配をし、いつでも、殿下の喉を潤せる準備をするのでした。




