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 あの日以来、私は彼女から睨まれるようになり、食堂ではよく追い払うようなことを言われるようになりました。

 それに何度か、本気で殿下がキレそうになっていましたが、毎度毎度、私が引いてあげることで、なんとか怒りを鎮めていました。

 あなたが女性でなく、男性であれば、今すぐキレて殴られているところですよと私は毎回ご満悦顔で殿下に絡みつき、私を見下す彼女を見ながらそう思っているのです。

 殿下は、私が隣で食べてくれるとありがたいとおっしゃるのですが、そろそろ私もストレスが溜まってきたので、今回から真向かいで座り、食べることにしました。

 そのおかげで、普段、喋らないような生徒とおしゃべりすることができ、とても面白いです。殿下は面白くなさそうに私をジトッと見てられますけど。


「あの……、殿下、めちゃくちゃこっち見てません?」

「ええ、そうですね。ですが、少し面白いじゃありません?ねえ……?」

「え、えぇ……え?ええ……、そ、そのようで」

「ふふふ、手を振ったら振り返してくださると思う?」

「そりゃあ、溺愛してる奥方に振られたら……!」

「まあ!溺愛ですって!奥方ですって!いやですね!まだ、結婚してませんよぅ!」

「は、はははは……!とりあえず、振ってみたらいかがです?」


 そう言われたので、私は殿下にそっと手を振ってみました。

 マリナさんとの会話に飽きているのか、うんざりした笑顔で適当に頷く中、ちゃんとこっそり振り返してくれました。

 私は、隣の方に「振り返してくれましたよ!」とニコニコ顔でご報告しました。

 すると、彼はなぜか青い顔で汗を一筋垂らしながら、殿下の方を見て、ブルブル頭を高速で何度も横に振っています。

 どうしたのかと殿下の方を見てみると、意味深にニコッと笑われ、ご飯を食べ始めてしまいました。

 なんだったのかと隣の方に聞くと「溺愛されてるってことですよ」と青い顔で微笑まれました。その後「見てるからな、なんてジェスチャーしなくても誰も手をださねえっての……」と呟かれました。

 ああ、なるほど。殿下の嫉妬ですね。

 あの人、イライラが溜まると、急に嫉妬深くなりますからね。精神的健康ってとても大事です。だから、日頃一応ケアをしてあげているのですが。

 今日だって、学園祭の最終〆切で、明日から始まってしまう祭りに向けてのラストスパートの忙しくないようで、忙しいだろうから生徒会室でお手伝いをする予定なのに、なぜでしょうね。

 連日、生徒会室に行って、お手伝いも殿下のおしゃべりにも高笑いにも付き合っているというのに。やはり、ハグでしょうか、手っ取り早くハグして膝枕してしまえばいいのでしょうか。

 ですが、そんなことしてしまえば、殿下は使い物にならないただの木偶の坊となってしまいます。確実にアウトです。ダメです。できません。困ったことです。

 ハグ一つで脂汗を流して、耳を真っ赤にしてしまうヘタレキング……いえ、ヘタレプリンスですからね。どうしようもありませんね。仕方がない、学園祭後に頑張ってみましょう。学園の生徒と先生たちの平和を守らねばなりません。

頑張ろう、今日も……。



 やってきました、生徒会!

 ……なんちゃって。疲れていると、少しテンションが上がって変になったりしますよね。いけませんね、これでは殿下を支えられません。

 生徒会室に入ってみると、殿下は机から顔を上げずに「ブリジット!やっときたか!手伝え!」と声を張り上げました。ああ、これこそ、ハイスペックの本領発揮です。かっこいいですよ、殿下!

 部屋には、最終日に出せばいいやなんていう甘い考えで出された書類たちが、殿下の机の上で舞っています。ペンは紙面を走り、目は見落としや不備がないかと文字を捉えています。

 私はすぐさま空いている机に座り、殿下が渡してくる紙束たちを机の上にドサドサ置きました。結構な量ですが、去年もそんなものでした。毎回、最終日に出してくるおバカさんたちが大勢いるのです。


「馬鹿共が!申請する数を間違えよった!これから、いたるところに馬を向けているところだ!だがこの程度、去年もあったからな。ブリジット!ここに!この書類を頼んだぞ!それから、こちらの飾り付けの申請書だ。誤りがあった。いますぐ、その間違えた責任者がくる。早いこと直させろ。

まったく、最終日が一番ごたつく……。だが、まあ、この俺だ、全てなんとかしてみせるわ!ふはははははははははは!!!!!!!」

「それだけでいいんですの?それより他の方は?」

「四方八方、東西南北走りに走っている。書類をさせるよりも健康的だろう。ここに缶詰しているのは、俺だけでいい。それに、どっちにしろ使いっ走りが必要であったからな。ほら、追加の書類だ。早く仕上げてくれ」

「わかりました」


 さあて、ここからは淑女にあるまじき腕まくりをして、インクで服を汚しにかかるとしましょう。

 残念ながら、私は殿下ほどのハイスペックさは持ち合わせていませんので、人並みにしか処理はできません。ですが、これでも、きっちりしている方という自負があります。

 人並みであったとしても、確実に殿下のお役に立ってみせます!それと、残念なところが薄まっている殿下を堪能するチャンス!逃す手はありません。ふふふふふ……。

 私が、殿下と同じように、書類にペンを走らせていると、コンコンとドアがノックされました。殿下は「入れ!」と乱暴に言い放ちました。

 それに、なんとなく聞き覚えしかない声で「失礼します!」と女生徒が入って来ました。

 さらりとなびくピンクブロンド、しっかりある胸、媚びているような口元、ええ、マリナさんです。

 私は思わずサッと机の下に隠れました。見つかったらなんとなく面倒な気がします。いえ、絶対に「なんで、ブリジットさんがここに?」なんてキョトンとした顔で根掘り葉掘り聞いてくるに決まってます!

 これじゃ、確実に書類仕事の邪魔です。

 殿下は一瞬私の方を見た後、マリナさんの方を見て「なんの用かな?」と聞かれました。

 笑顔じゃない。

 ダメじゃないですか、殿下!愛想!愛想笑いしてください!

 笑顔でない殿下に、一瞬、マリナさんは怯みましたが、さすがのタフさで持ち直して「えっと、生徒会のお仕事が大変そうだから、差し入れに来たんだ!へへ、ちょっと休憩しない?」と気安い態度で言ってきました。

 おいおい、なに一国の王子にタメ口聞いちゃってるんですか、あなた!殿下の方もぴくりと眉を動かし、わずかながら、不快感を示しました。

 尊大で高慢チキで、そんなことをされると烈火のごとく怒り出すプライド激高王子のわりによく我慢されました!明日、殿下のいうことなんでも聞いてさしあげますね!ああ、殿下の精神的成長が嬉しいですよ、私は!

 きっと、マリナさんと会話するたび、忍耐というのを学ばれたのですね……!短気は損気と、常々説いてきましたが、やっと、私の苦労が実るのですね!やった!

 マリナさんは、お茶休憩用のテーブルにもってきたらしいベリーケーキをおきました。

 あ、これ、イベントですね?書類を押し付けられたついでに殿下を休ませて、仕事を手伝い、好感度をあげるイベントです。

 こういった書類仕事もできるところと働き者なところを見せて、遊びまわり、わがまま三昧の悪役令嬢と比べさせるイベントです。

 しまった、居座られる……。

 私が、しまったなあと思っている中、殿下はベリーケーキに興味のかけらも示さずに「手に持っている紙は?渡してもらえる?」と笑顔もなくそう命令されました。

 おかしいなあというような顔をしたマリナさんでしたが、すぐに殿下に書類を渡されました。

 サッとその書類に目を通し、判を押し、さっさと返して「不備はなかったよ。大丈夫」とここで初めてニコっとされました。

 マリナさんは、書類を受け取ろうと手を伸ばしましたが、すぐに殿下の顔にその手が向かっていきました。不敬!!

 ギョッとした殿下は、思わず手をバシッと叩き落とし「不敬な……」と声には出さず、口だけ動かされました。

 それをどう受け取ったのか、マリナさんは「不思議だ?あの、私、殿下をずっと見てるから分かっちゃうの」ともじもじ言い始めました。


「は?」

「なんか、とっても疲れてるって!だから、休もう?ね?私も手伝うから!」

「いや、だが……」

「大丈夫だよ!なんとかなるって!だから、休も?殿下が倒れちゃうとみんな悲しむよ?」

「……休めば帰るかい、君」

「え、うん!でも、手伝うよ!私、これでも書類整理とか得意なの!えへへ」


 呑気に笑うマリナさんに、殿下は少しだけ考えた後「そうか。じゃあ、休憩する前にこの書類を頼む。不備がないかみるだけだから」と私よりも少ない分量の書類を差し出されました。

 大丈夫なのですか、殿下。そのお嬢さんは、口が軽いようですが……。

 私がハラハラしているというのに、書類仕事を任されたマリナさんは「え?」と間抜けな顔をされました。あら、可愛らしい顔ですわよ……。

 いえ、嫌味でなく、本当に。


「手伝ってくれるんだろう?書類仕事がどれだけできるのか、それで休むか否かを決めるから。さあ、今すぐにやってくれないか」

「え、は、えっと……、うん!わかった!」

「そっちに座って」

「わかった!じゃあ、やるね」

「そういうのは報告しなくていいよ」

「え、うん……」


 しょんぼりしたマリナさんは、しょぼしょぼと書類仕事を始めました。

 あら、案外、それなりにおできになられるようです。イベントとは流れが違いますが、殿下が気に入ればきっとマリナさんは続行させられるでしょう。

 私がそうっと影から様子を見ていると、クロードが側へやってきて、一枚紙を落とされました。

『なにか、クッションなど、必要なものはございませんか?』

 私は、すぐ側にいるクロードのズボンを引っ張って『では、布だけ』と返事を渡しました。

 彼はすぐに裏に戻り、ふわふわとした布をサッと渡してくれました。さすがはできる執事です。

 ありがたく布をお尻に引き、私は引き続き、マリナさんと殿下を観察することにしました。

 ガリガリと書いている殿下が気になるのか、マリナさんはチラチラと殿下を見ています。わかりますが、書類を早く仕上げてしまった方がいいですよ。それ、私に任されている書類の4分の1くらいしかありませんし。


「学園祭前って、これくらい忙しいの?」

「そうだね」

「すっごい大変だね!こんなに大変なら、呼んでくれたら手伝ったのに」

「そうだね、ありがとう」

「えへへ……!これからは、私のこといっぱい頼ってね」

「そうだね。できたら、そうしよう」

「うん!」

「ところで、書類はもう確認してくれたかい?」

「もちろん!早いでしょ?」


 いや、半分くらい、まだ確認してなかったじゃないですか……。これで、採用されたら面倒が増えてしまいます。大変です。

 殿下は「そうだね。それじゃあ、貸してくれ。確認する」と適当な返事をしときながら、彼女から渡された書類にささっと目を通されました。

 大概は不備がないと思うので、彼女に運さえあればこの場は乗り切れます。賭けですね。彼女は勝てるでしょうか?

 私はじっと殿下を見つめました。マリナさんもじっと見つめています。

 殿下はすべての書類を見終わり、机の上に紙束を置き、マリナさんの方を見ました。


「見落としはないようだね。それじゃあ、こっちも頼むよ」と続投されました。

 彼女に運は味方したようです。

 満面の笑みで、彼女は同じ程度の分量を任せられました。

 彼女が書類を始めてから、1分も経たない内に、クロードからまた紙を渡されました。

『ブリジット、あの令嬢はしっかりとすべての書類に目を通していたか?通していたのならば、ある程度、書類をやらせてから帰らせる。そうでないなら、帰らせる。適当にやられるとこちらが困るからな』と殿下の文字で書いてありました。

 私はすぐに『いいえ、殿下。残念ながら、彼女は半分程度しか確認していません』と書いて、クロードに渡しました。

 受け取ったクロードは、さもなにかの予定や来訪だのを言うように耳打ちして、紙を渡しました。

 それを見た殿下は私を見て、しっかりと頷きました。

 ですが、すぐにというわけではないようで、時間を見ておられるようです。

 数分経ったところで、殿下はまた「できたかい?」と聞かれました。

 今度は、優しい声で。

 彼女は、実際、最後まで確認していないのに「できてるよ!」と渡したのです。あちゃー……。最後は運と少し手を離してしまったようです。

 殿下は書類を確認して、同じく紙束を机に置きました。


「マリナさん」

「ん?なあに?」

「申し訳ないが、帰ってもらえるかな。その申請書類を持って」

「え?!なんで?!」

「君に任せた書類、不備がきちんと直っていなかった」

「そんな……!一回だけじゃない!」

「いや、最初に渡した書類も不備が直っていないものが、2枚あった。最初だから見逃したが、二回目に任せた書類も見逃しがあった。偶然でも偶然じゃないにしても、これでは仕事が逆に増える」

「でもぉ、私、役に立とうと思って頑張ったんだよ?ダメなのかな?」

「それは感謝してるよ。でも、こちらも最終日だから色々と立て込んでて大変なんだ。すまないが、こんなにミスする人は使うことができない。帰ってもらおう。正直な話、ここで君と喋っている間も惜しいんだ」

「でも、でも…。次は絶対に大丈夫だから!」

「それでもう一回渡して、私がもう一回、確認しなくてはいけない。タイムロスだ。さすがに今日は君に構えない。帰ってくれ」


 きっぱりと言う殿下に、マリナさんは「そんな……、私、ただ役に立ちたかっただけなのに……」とスンスン泣き始めました。

 これが世に聞く泣き落としをする女子ですね!初めて見ました!強かですね、とても強かです!


「クロード。彼女を部屋の外に出してあげて。外の空気に当たった方が気が休まるだろう」

「はい、かしこまりました。さあ、お嬢様、お外へ」


 彼女の腕をクロードが取り、立ち上がらせた瞬間、彼女はクロードを突き飛ばして殿下のところへ走っていきました。

 見間違いかはわかりませんが、わずかに彼女の顔がしまったという顔をしたように見えました。

 クロードは、強かに腰をぶつけて、あいたた……、と唸っています。出ていけたらいいのですが、ここで出て行くと混乱を起こす可能性があります。今は、じっと待つ時間です。

 さて、殿下のところへ走っていった彼女は、バンと机を叩いて「どうして、そんな意地悪言うの?!」と泣きながら訴えかけています。それを殿下は静かに見つめています。が、若干、いえ、かなり怒っている様子。


「私、そんなに邪魔なの?!私の方が、絶対にあなたの婚約者よりも、あなたのことわかってあげられるよ?こんなところであなたが苦しんでるのに、助けもしないで彼女は遊びまわってるんでしょ!」

「………」

「ねえ!私の何がダメなの?!私のこと、好きじゃないの?!普通、もう好感度は溜まってるはずなのに!!」

「……好感度というのがなにかはわからないが、申し訳ない。今日のところは帰ってくれ。君のことは嫌いではないから」

「なんで!食堂では、いっつも笑ってくれてるのに!きっと、なにか辛いことがあったんでしょう?私に話してみて?絶対、力になるから!」

「そうだね、君は力になってくれるだろう。でも、申し訳ないが今日のところは一旦帰ってくれ。頼むからこの仕事をさせてくれ。もう明日が学園祭なんだ、頼むよ」

「でも……!」

「ドアまで送ろう」


 殿下は、ああだこうだと言う彼女を強制的に部屋から出して、帰されました。

 彼女が出た瞬間、私は腰をさすっているクロードの元に駆けつけて、渡してくれた布を彼の下に敷きました。まさか突き飛ばすなんてするとは思わなかったです。


「大丈夫ですか?」

「ええ、多少は痛みますが、大丈夫ですよ。ご心配おかけして申し訳ありません」

「いえ、私が机の中に隠れずにいたら……」

「ふふ、大丈夫ですよ、ブリジット殿。これしきのこと、なんともありません。それに、きっと、隠れずにいらっしゃったら、さらに面倒だったでしょうしね」


 彼女をしっかりと帰した殿下は慌てて部屋に入り、クロードの側に座り込み「大事ないか!」と肩を揺さぶりました。クロードは揺さぶられながらも「いえ、大丈夫です。ご心配を……」と苦笑いしながら、しっかりと答えました。


「こちらこそ、彼女がこんなことをするとは思わず、お前に任せてしまった。すまない……。もう少し穏便に返せばよかった。色々と頭の血管という血管がぶちぶち切れそうでな。今日は立っていずとも良い。そのソファーで楽な体勢でいろ。すぐに保険医を呼ぶ。ブリジット頼めるか」

「はい!待っててくださいね、クロード」

「ありがとうございます。殿下、ブリジット殿……。それでは、老体はソファーで休ませてもらいますね。あいたたた……」


 腰をさすりながらソファーに掛け、困った顔で私と殿下を見て「執事として、ここまで主人に気にされると嬉しいものですね。ですが、不甲斐なくも思います」と言いました。

「私の方こそ、色々と苦労をかける」と殿下はクロードに言った後、私の方に近づき、手をとられました。


「ブリジット、不快な思いをさせた。彼女の言うお前のこと、否定すればよかったのだろうが、ああいう輩に否定をするとさらに押し問答が始まりそうでな……。すまない、ブリジット」

「いいえ、大丈夫ですわ。ああいったことを言われるのは慣れっこです。それにそんな蝿の羽音のような言葉、気にもなりませんわ。ほら、虎も獅子も蠅の羽ばたき一つに一々反応しないでしょう?それですよ」

「ふっ……、さすがは俺の嫁。さすがは俺のブリジット!それでこそ、俺の妃よ!ふはははは!」

「照れますわ。それでは殿下、保健室に行ってまいります」

「ああ、頼んだ。ブリジット……」

「はい?」

「卒業式までの辛抱だ。卒業式まで頼まれているが、それ以降は頼まれていない。王族の者として約束を違えることはできない」

「わかっていますわ。私の忍耐力は殿下のおかげでピカイチですから。今度は殿下が忍耐力を学ぶ番です。いい機会だから、殿下もしっかりとご辛抱を……。それでは」

「ああ、これを機に少しは学ぶとしよう。クロード、そこで休め!俺は仕事を続けるから、代わりにベリーケーキを食べろ。これは命令だ」


 殿下はさっとケーキをクロードに渡し、さっさと席について、タイムロスを取り戻すごとく鬼のように書類をさばき始めました。



 保険医を呼んだところ、クロードは腰を若干痛めたらしく、1週間は湿布をしなければならないことになりました。

 私と殿下は、申し訳ない気分になりながらそれを聞きました。申し訳ない顔をしている私たちを見て、逆にクロードも申し訳ない顔をしました。

 それから、どちらともなく笑い、すぐに仕事を再開させ、結局、夕方まで仕事や雑用は続きました。

 明日はついに学園祭です!

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