練習あるのみ!
圭斗「チクショォォォオオオ!!!また落ちた!!!」
不合格通知が届いた26歳独身フリーターの悲痛の叫びがこのアパート周辺に轟く。
圭斗「なんで受かんないんだろう...」
シーナ「いつもは受かるために何をしてるんですか?」
圭斗「面接で何を聞かれてもいいように会社の長所とかどうゆうことをしてるのかを調べて、会社が必要な人物像を自分なりに考えて自分がそういう人ですよってのが伝わるように問いの返答を考えておいてそれを暗記する、とかかな。あともちろん筆記試験があるならその対策も」
シーナ「んー そうですね。一見死角がないように見えますが...そうですね...予行練習をするとかはどうでしょう。」
圭斗「予行練習か...そうか...今まで一人だったから、予行練習とかは考えたことなかったな。よし!やろう!」
面接官役 バルク
悪魔役 シーナ
天使役 ミルミ
受験者 圭斗
圭斗「いやいやいや!!おかしいだろ!!」
シーナとミルミ「?」
圭斗「何が『?』だ!!お前らだよ!おかしいのは!天使役と悪魔役って何??要る?」
シーナ「だって...じゃないと私たちの役がないというか...」
圭斗「でも、だからって無い役を入れられても...」
ミルミ「え?面接に天使ってないの?」
圭斗「ないわ!!ドアホ!!」
バルク「まぁいいではないか!もしかしたらこういう状況が来るかもしれんからな!準備にしすぎはないと言うしな!」
圭斗「じゃあ、まぁいいよ...」
圭斗は全く腑に落ちない様子で承諾した。
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円卓テーブルに面接官その3メートルくらい前で向かい合って受験者が正座している。そしてその受験者の両脇に天使と悪魔、という配置である。
面接官「はい!では始まりました〜 第156回E社面接大会〜!」
悪魔「パチパチパチ〜」
天使「いよっ!待ってました!」
受験者「いやっ!!!おかしいだろ!!!何?その変なノリ!しかも第156回って無駄に歴史あるし!!」
面接官「そこ!私語は慎みたまえ!」
受験者「まさかの強行ですか⁉︎」
面接官「はい、ではまず第1問!」
受験者(もう どうにでもなれ...)
面接官「私バルクの好きな食べ物ってなーんだ?」
受験者「知るか!!!」
天使「私は天使!答えは肉よ!バルクは肉が好きなのよ!」
悪魔「私は悪魔!答えは酒よ!多分...」
受験者(おいおい 悪魔ってもっとこう...ガツガツくるイメージだったんだけどなー。つーか酒って食べ物じゃなくて飲み物だろ。)
面接官「答えは?」
受験者「消去法で肉だ!」
面接官「残念...正解はサラダでした。」
受験者(予想外すぎるだろ!答え!って違う違う...ちょっと⁉︎天使さん?)
圭斗は話が違うぞ的な目でミルミを見る。
天使「引っかかったな。フフフ。」
と、意地悪そうな笑みを浮かべながら言った。
受験者(ミルミ、お前...さては天使を理解して無いな...)
面接官「そして不正解のあなたにはマイナス10ポイント!」
受験者「えーーー!まさかのポイント制⁈」
面接官「では、続いて第2問!満員電車であなたは座っています。そして目の前にはご老人がいます。あなたの次に行うべきことは?」
悪魔と天使「?」
受験者(そっかこいつら電車を知らないんだ。異世界にはなかったもんな。)
受験者「はい。ご老人に席を譲ります。」
面接官「無難すぎるので0ポイント!」
受験者「他にどうしろと⁈」
面接官「模範解答はご老人に『できる!!目的の駅まで立つことをあなたならできる!!!頑張れ!!!』と、鼓舞してあげる、だそうだ」
受験者(誰が書いたんだよ...その模範解答。多分周りの人全員『変わってあげろよ!』って思うだろうな。)
面接官「では、最後の問題です!」
受験者「とうとう最後まで質問じゃなくて問題って言ったな」
面接官「財布が落ちてました。あなたならどうする?」
悪魔「まぁ!落とした人が可哀想です。持ち主を探してあげましょう!」
天使「やったじゃん!貰っちゃえよ!」
受験者(とうとう天使と悪魔が逆になった...)
受験者「はい。交番に届ける!」
面接官「無難な答えだが、まぁいいとしよう。10ポイント!合わせて0ポイント!不合格です!残念でした!また来週!」
受験者(クイズ番組かよ...)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シーナ「やってみてどうだった?」
圭斗「正直、何にも得るものはなかった!」
後日、圭斗はE社に落ちた。
圭斗「ですよねー...ってあれ?今回、俺死んで無い!やったー」
アミュ「死んでますよ?」
圭斗「?」
アミュ「死んでますよ?」
圭斗「え?家の中だったのに...」
アミュ「殺されてますね」
圭斗「誰にですか?」
アミュ「設定に。」
圭斗「そりゃないっすよー」
あとがきってなんだろう(哲学)