計画は大体思い通りにはいかない。
異世界から元の世界に戻されてから一ヶ月が経とうとしていた。
現在の時刻午後2時、圭斗のバイト開始まであと1時間
圭斗「ねぇみんな、思ったんだけどさー、バルクこの世界に馴染みすぎちゃう?」
シーナ「分かります。私とミルミと同時に来たとはとても思えないくらい馴染んでます。」
ミルミ「うん!馴染んでる!」
三人は円卓テーブルを囲んで話している。
圭斗「だよなぁ!だって最初はあんなに似合わなかったスーツも今はあんなに様になってるもんな。自分用のスーツ買って。」
ミルミ「うん!そだね!」
シーナ「収入もこの4人の中で一番多いですもんね」
圭斗「すいません...。26年間この世界で生きてきたのにフリーターですいません...こっちにきてからまだ一ヶ月のガチムチに収入額すでに負けててすいません...。」
ミルミ「アハハッ!シーナ見て見て!圭斗が死んだ魚の目をしてるー」
シーナ「あっ!違います!別に責めようとして言ったのではありませんよ!」
圭斗「うん。わかってる...分かってるよ?けど、今の一番の悩みがそれなんだ...」
ミルミ「んー...まぁ、頑張れ!」
圭斗「ガンバル」
シーナ「あ、でもこんな話をするためにバルクの話を持ち出したんじゃないですよね?」
圭斗「あ!そうだった!そうだった!俺が言いたかったのは明日は俺のバイトのシフトがないからさ、バルクの仕事ぶりをこっそりみてみようぜ!ってことだった。」
ミルミ「おおー!いいね!さんせーい!私さんせーい!」
シーナ「でも、どうやって?姿や気配を消す魔法なんて誰か覚えてましたっけ?」
圭斗「フフフ!そこに関してはお任せを!なんとこっちの世界でも新しい魔法を覚えられることを最近知った!」
シーナ「知ってましたよ?」
ミルミ「なんで新しい魔法を覚えられないと思ってたの?」
圭斗(あーそうだった、こいつらとはこの感動を共有出来ないんだった。)
ミルミ「で?新しい魔法は?」
圭斗「おっとそうだった。新しい魔法は、何を隠そう『千里眼』さ!!!」
シーナ「あーあの魔力探知の下位互換の」
圭斗「いや...こっちの世界では千里眼の方が役に立つぞ。だってこっちの世界の人間は魔力を持ってない。正確に言うと魔力を解放していないからな。魔力探知では探知できないんだよ。」
ミルミ「たしかに、こっちに来てからは魔力は私たちのしか感じないね」
シーナ「ですから、魔力を探知するのではなく目で見る方が良いと...」
圭斗「そゆこと」
バツッ!!
圭斗(?...バツッ?)
アミュ「あなたは死にました。」
圭斗「はい?」
アミュ「あなたは死にました。」
圭斗「はい。聞こえてます。」
アミュ「まぁ正確に言うとあなたをここに呼ぶために私が殺しました。」
圭斗「⁉︎......もっとなんかなかったんですか?殺さないとダメなんですか?」
アミュ「ぶっちゃけると、こっちに呼ぶのって結構面倒な手続きをしないといけないので、めんどくさくて私が殺しました。」
圭斗「ぶっちゃけたねー...」
アミュ「まぁいいじゃないですか!何回死んでもいいんですし。」
圭斗「まぁ...そうですけど」
アミュ「では、本題に入ります。あなた以外の三人にはない、あなただけの魔法制限が元の世界に戻った時に課せられています。それは、新しい魔法の取得は2つまでというものです。」
圭斗「...前も言ったけどそういう重要なことはもっと早k」
アミュ「善処します。」
圭斗「別に返事を早くとは言ってないですけど...まぁ、お願いします。」
アミュ「最後に1つ。渡部 圭斗さん、あなたの死は今の所皆勤賞です。」
圭斗「嬉しくないです。」
アミュ「では、気を付けて...」
圭斗「変なフラグ立てないでください!!!」
圭斗は生き返った。
圭斗が死んでいる時は時間が止まっているのでさっき死んだことはシーナとミルミは知る由もない。
圭斗「んじゃ、明日この計画は実行に移すからな。バルクにいうんじゃねぇーぞ?」
ミルミ「わかった!」
圭斗「じゃあ、バイト行ってきます!」
シーナ「行ってらっしゃーい。まさか死ぬことはないと思うけど、くれぐれも気を付けて...」
圭斗「ねぇ...もしかしてみんなして俺を殺そうとしてる?」
シーナ「?」
圭斗「いや...なんでもない...」
圭斗は案の定車にひかれ死んだ。
アミュ「...プフッ!」
圭斗「アミュさん、笑い堪えきれてないですよ?」
アミュ「いや...まさかこうも期待どうりに死ぬとは思わなかったもので...フフ可笑しくて。」
圭斗「で、今回俺の死因はどんな感じで書かれてます?」
アミュ「えーと...必然死(笑)」
圭斗「なんですか!(笑)って!!人の死をみんなして笑って!」
アミュ「そうですね。いくら生き返るからと行っても一応死んでますもんね笑」
圭斗「セリフに出てますよ『笑』って」
アミュ「失敬。では、戻します。」
圭斗「お願いします。」
圭斗は生き返った。
〜翌日〜
バルクの会社は設立記念日で休みだった。
今朝は快便でした