布団を買おう!
圭斗の部屋にはあまり物がない。あるのは布団セットが二つと床にはカーペットその上に円卓テーブルその上にノートパソコン。あとは必要最低限の物しかない。テレビもない。
圭斗はシーナにも自分が元々この世界にいたことを話した。
二人は円卓テーブルを挟んで話している。
シーナ「質素でいい感じですね...。」
圭斗「無理に褒めなくていいぞ。逆に傷つくから。」
シーナ「ごめんなさい...。」
圭斗「これで3人目か...布団が足りないぞ...仕方ないな...ない金をはたいて買うか。」
シーナ「ごめんなさい。まだこの世界に居場所がここしかなくて...迷惑かけます。」
圭斗「いーよ そんなかしこまんなくても さぁ 行きますか!」
二人で外に出た。
シーナ「この世界は不思議な建物が多いですね。」
圭斗「そうだなぁ シーナがいた世界は中世のヨーロッパ風だったからなー その風景に慣れてるとここは不思議なんだよなぁ」
左側の公園で子供たちがはしゃいでいる。
シーナは右側のでっかいアパートを物珍しそうに見ている。
子供たち「すげーー!!」「このホームレス姉ちゃん すげーー!!」
ホームレス姉ちゃん「そうだろ!そうだろ!もっと褒めよ!!さすればもっと凄いのを見せてやろう!」
子供たち「すごいからもっと凄いのを見せて!!」
圭斗は嫌な予感を感じた。
圭斗「なぁシーナ?あのホームレス姉ちゃんってミルミだよな?」
シーナ「そうですね。魔力を感じます。ミルミですね。」
ホームレス姉ちゃん(ミルミ)「よし!行くぞ!ファイヤーブレス!!」
ホームレス姉ちゃん(ミルミ)は口から火を吹いた。
圭斗「...あれ?今魔法使った?」
シーナ「そうですね。いくら弱攻撃でも子供たちが怪我をしてはダメですね。止めて来ます。」
圭斗「あーいやいや。俺が言いたかったのはそれじゃあない。確かに危ないけどな。言いたかったのは、この世界で魔法使えるんだってことだよ」
シーナ「え?私も使えますけど、もしかして圭斗、あなたは使えなくなってしまったのですか?」
圭斗は試しに右手に力を込めてみる。すると、
ポンッ
圭斗が異世界で愛用していた剣が出てきた。
圭斗(あー そういうことね。アミュさんが特典がどうのとか言ってたのはこのことか...)
圭斗は後悔した。
圭斗(こっちでも使えるならもっと日頃から役に立つ魔法を覚えておけば良かったぁぁぁぁ!!!)
そして圭斗は考える。
ミルミを無視するか否かを。
あんな危ないやつと交流があるなんて近所の人たちが知ったら俺の評価が下がってしまう。でも、ほっとくと子供たちが危ない。
おだてられたホームレス姉ちゃん(ミルミ)が吹いた火でブランコを溶かした。
圭斗(あ...公共物破損...損害賠償...お金...たくさん...消える。)
圭斗「よし!シーナ!見捨てよう!!」
ホームレス姉ちゃん(ミルミ)「あ!!圭斗とシーナだ!ヤッホー!」
圭斗「ですよねー」
子供たち「なになに?あの人たちも魔法使いなの?」
ミルミ「そうだ!」
圭斗(あの馬鹿!勝手にペラペラと...!)
圭斗たちは公園に入り子供たちに自分たちは大道芸人だと説明した。
子供たち「すごいなー大道芸人凄い!!」
圭斗(まぁ魔法使いを見た。よりは大道芸人を見た。っての方がマシだよな。)
子供たち「ねぇお兄ちゃんも何か見せてー」
圭斗「!俺か?...仕方ないな」
子供たち「やったー!」
圭斗(ここでやんないと怪しいしな...)
圭斗「よし!よーく見とけよ!」
子供たちとミルミ「分かったー」
圭斗(おい!ミルミ、なぜお前はそっちにいる?)
圭斗は両手に何もないのを見せてから両手を背中の後ろに持っていった。そして前から見えないように愛用の剣を出した。
圭斗「はいっ!何もないとこから剣が出てきましたー。」
子供たち「えーなんか地味ー」
圭斗(なんと!)
ミルミ「もっと凄いのをあのお兄ちゃん出来るんだよ。」
圭斗(は?)
子供たち「じゃあそれ見せてー」
圭斗はミルミを一生恨もうと決意した。
圭斗(もう、ヤケクソだ!)
圭斗「このでっかい両刃剣を丸呑みしまーす。」
子供たち「マジで⁈それはすげーー!!」
圭斗は剣を丸呑みした。
半泣きだった。
子供たちやミルミやシーナは知らないだろう。この数秒の出来事の真相を。
圭斗の計画は剣を口に入ったところから消すというものだ。
が、そんなことはできなかった。
アミュ「...」
圭斗「また、会いましたね。」
アミュ「今度は剣呑み自殺...ですか...」
圭斗「今回は仕方ないですね」
アミュ「では、戻します。」
圭斗「お願いします。」
圭斗は生き返った。
アミュ「...」
圭斗「...」
アミュ「?あれ?私失敗しました?」
圭斗「いえ、俺はたしかに生き返りました。」
アミュ「では、なぜまた同じ死因でここにいるのですか?」
圭斗「生き返ったんですけどまだ剣呑みの途中で...」
アミュ「馬鹿なんですか?」
圭斗「という訳でもう何回かはこれを繰り返します...」
アミュ「馬鹿なんですか?」
圭斗「はい。自分の力量をはかり違えて自ら無限地獄へと突入した者の末路です。」
アミュ「あ、ちなみに死の間隔の最速記録更新です。おめでとうございます。まさかの3秒。おそらく全知全能の神ですらビックリの記録です。誇ってもいいですよ。」
圭斗「嬉しくないです。」
というのを数回繰り返してやっとなし得た剣呑みだという真相を。
子供たち「じゃあねー」
ミルミ「じゃあなー」
圭斗「なぁシーナ、あのブランコを魔法で直せたりする?」
シーナ「出来ますよ。」
圭斗「万能!!」
そしてミルミも圭斗の家にくるというので圭斗は布団を二つ買った。
そして圭斗のお金が死んだ。
あとがきって普通なに書くところなんだろう...