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イケメン王子とメロンな親父  作者: 大野 大樹
二章 マンゴスチーン青年
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4.マンゴスチーンとサイゾーの出会い

 あんなに大きなドラゴンをあんな速さで操れる人がただのメロン売りであるはずがない。そうだ、確か、あの老人は、「サイゾー」といわなかったか?

 伝説の勇者がたしかサイゾーという名前だった。誰よりもうまくドラゴンを操るドラゴンマスターにして勇ましい勇者サイゾー。どこの国にも属さない伝説の勇者‥。そうか、あれは伝説では無かったのだ。勇者サイゾーは本当にいる人物だったのだ! 


 会いたい‥。絶対に会いたい。


「あの人にはどうしたら会えるのですか? 」

 早速、近くに居た野菜を売る村人に、サイゾーの事を聞くことにした。

「そうさね。毎日ここに来るというわけじゃない。雨の日は来ないし、メロンが腐りやすい夏場も来ないね。だから、もうそろそろ来なくなるんじゃないかな」

急にすごい剣幕で話しかけたマンゴスチーンに驚きながらも、村人は親切に教えてくれた。

「来るって‥どこから来るんですか? 」

「第一の国。そこからきているよ。あんなに遠いところから一日でここに来れるもんなんだね。わしらには、ドラゴンのことはよくわからんが、ドラゴンというのは凄いもんなんじゃね。おまいさんのドラゴンもそうなのかい? 」

「‥‥」

 マンゴスチーンは、何も言えなかった。

 ‥できるわけがない。

 驚きすぎて声がでなかったのと、出来ないということが恥ずかしかったのと。

 それにしても

 第一の国とはどこで、ここからどの位の距離があるのだろう。

 聞こうにも、そこに住んでいるサイゾーはもうすぐここには来なくなる(らしい)

 こちらから、行くのも不可能だろう。‥何せ、場所も分からない。

 なら、ここで待ち伏せするほかない。

 マンゴスチーンは、ぎゅっと拳を握りしめた。

「私を今日ここで泊めてくれる宿はありませんか? 」

 気づけば、マンゴスチーンは村人にそう尋ねていた。すると、通りすがりの男がマンゴスチーンたちの話に入って来た。

「今晩お泊りになるお宿ですか? では、どうぞ私共の宿をお使いください。私の家は宿屋をしておりますので、ドラゴンをくくっておける場所もあります。ただ、あなたのドラゴンは普通より少し大きいですね? 小屋に入れますやら‥」

「ああ、カンスケさんの家ならここから近い。じゃあ、カンスケさんあとはお願いするね」

 村人はさっさと店の奥に引っ込んでしまった。

 マンゴスチーンは、先ほど「カンスケさん」と呼ばれた男にお辞儀をする。

「では、よろしくお願いします」

 心は、もう明日の事でいっぱいだった。



 ‥とまあ、これが今に続いている。

 寝入り際、ぼんやりとそんなことを思い出しながら、

「兄さんたち、心配してるだろうなあ‥」

 と、ちょっとホームシックになるマンゴスチーンだった。


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