二話 二人の始まり
二話 二人の始まり
白銀の少女の一言で白竜は化物に体当たりし、あっさり倒した。
その隙に白銀の少女はユウと少女の手を掴み、細道へと入った。三人はそのまま進み続け、落ち着けそうな場所で止まった。
「よし、ここまで来ればもう大丈夫だろう」
三人が止まった場所は、さっきとは打って変わってとても静かな場所だった。
「ごめん、勝手に動いて。あと、助けてくれてありがとう」
「ほんとうだ! お前達の方に道があったから良かったものの、なかったら私は見捨てていたぞ!」
「ほんとうにごめん!」
腕を組みながら優しく怒る白銀の少女に、ユウは反省しながら謝る。
「その子のことも助けられたし良しとしよう。それにその子、死の恐怖を感じて気を失っているようだし
な。まあ、じきに意識を取り戻すだろうが」
一息ついて落ち着いたユウは、ダンジョン祭の話を切り出した。
「これは本当にダンジョン祭なのか? 僕の知っているダンジョン祭は、迷宮をただクリアするだけなのに、なんで神話の化物、オーガが出てくるんだよ!」
ありえない状況に置かれ、動揺するユウに、白銀の少女は落ち着いた声で答える。
「本来のダンジョン祭は、君が言うように迷宮をクリアするだけのものだ。だが、今年のダンジョン祭は例年とは全く違ったものになっている」
「何で君は、違っているって事を知ってるの?」
キョトンとした顔でユウは聞く。
「言っただろう。妾はトゥール国の王女だ。そしてトゥール国はダンジョン祭の開催を担う、七国の中の一国だ。当然ダンジョン祭の内容も知っておる」
「確かに言っていたかも。オーガに襲われてる状況だったから聞き流していたけど……この話も相当ぶっ飛んでるな……」
今更ながらに、その時の状況の凄まじさを思い起こす。
「そうだ!例年とは違うって言うのはどうゆうこと?」
「今年のダンジョン祭を考えたのは七王じゃない。その背後にいる何者かが考えたものだ」
「どうしてそんなことが分かるの?」
「七王会談の時、王ではない何者かが参加し、会談を仕切っていた。そしてその会談の内容はダンジョン祭と、神話の化物、オーガ供の話だった」
「今更だけど、とんでもないことに巻き込まれてしまったみたいだな」
ユウは、顔をひきつらせながら頭をボリボリと掻く。
「それで、何をしようとしているのかを探るため、連れの者と参加したんだが、すぐに逸れてしまってな、一人オーガと戦っていた時に、君と出会ったのだ」
「そんな壮大なストーリーがあったんだ……」
壮絶な情報が入ってきてユウの頭はパンクしそうだった。
しかし、そんなことは御構い無しに白銀の少女は話を続ける
「そう言えば、まだ名を聞いていなかったな」
「ん、ああ僕の名前はタツキ ユウ好きな呼び方で呼んで。貴女のことはなんて呼べばいい?」
「ああ、そうだな。本当の名は使えないからな…」
一番大事な所を考えていなかったのか、頭を抱えて考え始めた。
「まだ決めてないなら、ハクって言うのはどうかな? 白銀の髪に因んで」
「ハク……か。うん気に入った! ハクという名にしよう」
「じゃあ、これからよろしく、ハク」
「ああ、よろしくなユウ」




