馬鹿の死体に縁のある日
馬鹿の死体が3つも転がっている家から出た僕を迎えたのは、馬鹿そうな頭だった。
今日は何だろうか、馬鹿の死体に縁のある日なのだろうか。
正直、そんな日は願い下げなのだが。
僕は僕の友達である賢い人間を思い浮かべ、少し悦に浸る。
そういえば、モニカがさらわれて、ロルフとは別行動で彼女を探しているのだったと思い出した。
彼女を見つけ出す手掛かりは無いだろうか。
そう考えて、ロルフと別行動をしている無意味さに気付く。
良くも悪くも、僕はロルフがいないと、どうにも駄目なんだなと思い知らされる。
家に帰って、ロルフが戻るのを待とう。
彼も、僕の力が必要だと考えれば、家に来るだろう。
その時、広い心でロルフの要望を受け止め、力になってやれるのは僕しかいない。
そんなわけで、僕は帰宅の途についた。
その道すがら、馬鹿の死体を10体以上も見る羽目になったのには、少し辟易した。
本当に今日は何という日なのだろうか、馬鹿の死体に縁のある日だ。
と、自宅の近くまで来て、僕は少し途惑いを覚えてしまう。
家が燃えていた。
赤々とした火の色が幻想的でとても綺麗だった。
特に思い出の物などはなかったが、あそこが無くなってしまったら僕はどこでロルフを待てば良いのだろうか。
それが少し困ってしまう。
火から視線を移すと、馬鹿も相当な数が群がっていた。
本当に、今日は、馬鹿の、死体に、縁の、ある、日、だな。
「ラザファムだ!」
「おい、ラザファムの馬鹿が戻って来たぞ!」
「アイツ、また殺りやがったんだ、血塗れになってやがる…」
煩いな、馬鹿のくせに人語を弄し、僕を侮辱するなんて何を考えてるんだ。
反省の必要はない。
馬鹿は反省しても馬鹿のままだ。
そして、今日は本当に馬鹿の死体に縁のある日だ…。




