6.【番外編①】本編13話で出てきた『異世界のチェス』について
本編第13話に出てきた「異世界のチェス」は、実際に行われた対局です。
私たちの世界から見たら「みんなの世界が異世界」だから問題ないよね。うん。
白がJ.R.Capabkanca
偉大な世界チャンピオンだから知ってる人もいるよね。
黒がHerman Steiner
この人もアメリカチャンピオンになったぐらいの人だから相当強い人です。
対局があったのは1933年。
カパブランカはアリョーヒンに世界チャンピオンを奪われた後、シュタイナーはアメリカチャンピオンになるより15年も前、ですけどね。
チェスには有名な名局があって、それらに比べるとこの局はちょっとマイナーかもしれません。
だけど、私はなんかこの局が好きなんですよね。
本編にも載ってるけど棋譜をもっかいのっけときますね。
駒を持ってる人は是非並べてみてください。
1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Nc3 Nf6 4. Bb5 Bb4 5. O-O O-O 6. d3 d6 7. Bg5 Bxc3
8. bxc3 Ne7 9. Nh4 c6 10. Bc4 Be6 11. Bxf6 gxf6 12. Bxe6 fxe6 13. Qg4+ Kf7
14. f4 Rg8 15. Qh5+ Kg7 16. fxe5 dxe5 17. Rxf6 Kxf6 18. Rf1+ Nf5 19. Nxf5
exf5 20. Rxf5+ Ke7 21. Qf7+ Kd6 22. Rf6+ Kc5 23. Qxb7 Qb6 24. Rxc6+ Qxc6
25. Qb4#
ちなみにこっちが『名局中の名局』と評価されるポール・モーフィの『オペラ座のチェス』
です。
1. e4 e5 2. Nf3 d6 3. d4 Bg4 4. dxe5 Bxf3 5. Qxf3 dxe5 6. Bc4 Nf6 7. Qb3
Qe7 8. Nc3 c6 9. Bg5 b5 10. Nxb5 cxb5 11. Bxb5+ Nbd7 12. O-O-O Rd8 13. Rxd7
Rxd7 14. Rd1 Qe6 15. Bxd7+ Nxd7 16. Qb8+ Nxb8 17. Rd8#
1-0
私ごときが評価するのはものすごーくおこがましいのであくまで個人的な好みの問題と思ってほしいんですが、私はやっぱり上の局の方が好きなんですよねぇ・・・
もちろん、『オペラ座のチェス』のモーフィの指し手には全く文句はありません。それは素晴らしい。
けど、負けた方の人の指し方が、どうしてもコレジャナイ感があるんですよ。
もっとはっきり言うと、負けた方の人が強いのかどうか疑わしい。
(でも世界で名局と評価されてるのは下の方なので、私の感覚の方がおかしいんだと思いますけど)
でも、一人でも共感してくれる人がいたらちょっとうれしい・・・かな。