4.【エンドゲーム①】簡単なチェックメイト!1手メイトとキング+クイーンvsキングのみのチェックメイト
チェスの目的は、相手のキングをチェックメイトにすることです。
それなのになんで、先に「駒損をしない」をやったのかと言うと、特に初心者のうちは、戦力に差がないのにチェックメイトになることがあまり多くないからです。
それよりも駒を得して戦力に差がある状態からチェックメイトを狙いに行くパターンの方が圧倒的に多いのです。
・・・とはいえ、駒得をしているうちにチェックメイトされちゃったら負けになってしまうのはダメなんですけどね。
では、チェックメイトを狙う方法と、簡単なその防ぎ方をやっていきましょう。
・・・といっても、むずかしい手は後回し。まずは簡単なチェックメイトからです。
①クイーンでチェックメイトしてみましょう
クイーンは一番強い駒なので、一番チェックメイトを狙いやすい駒でもあります。
これは図を見てもらった方が早いでしょう。
こんな風に、相手がキャスリングをしていても、キングの目の前にクイーンともう一つ別の駒をきかせてクイーンを突っ込ませればチェックメイトにできます。
一番左の図に限っては、f8のルークがいなければ黒キングは逃げることが出来ますが、クイーンがここに入ればかなり勝ちに近づくことは間違いありません。
左の図とまんなかの図はもし黒の番ならg6と進めることによって簡単に防ぐことが出来ます。この防ぎ方もぜひ覚えてください。
②ルークでチェックメイトしてみましょう。
これもよくある形です。
自分がチェックメイトを狙うだけでなく、逆にこんな形のチェックメイトにされないように気を付けることも大事です。
みんな違う形のように見えるかもしれませんが、実は共通点があります。
キングが一番端の方にいて、端から出る場所がすべて行けなくなっているのです。
特に一番最初の図は『バックランクメイト』と言われるすごくよく出てくる形です。
見落としていると簡単にチェックメイトにされてしまいますが、気づいていたらどれか一つポーンを付いて逃げ道を作るだけで簡単に防げます。
ビショップやナイトでチェックメイトにできる形ももちろんたくさんあります。
でも、実戦で出てくる頻度があまり高くないのとちょっとむずかしめの形が多いので後回し!
ここまでは『あと1手でチェックメイトできるよ!』って言う形からの正しい一手の見つけ方です。
じゃあ、もしあなたが圧倒的に戦力で勝っているとして、みじかい手数ではチェックメイトできない形だったらどうしますか?
例えばあなたがキングの他にクイーンを持っているとして、相手はキングだけ。
いくら圧倒的に勝ってるとは言ってもすべての手をみんな読み切るなんて出来ません。
ここは頭の中だけだと分かりにくいので、ぜひ並べてみてください。
それでもわかりにくかったら何度か繰り返し並べてみると自然にわかるようになります!
ちなみにここで案内するのは、強い人に聞くとほとんどの人がこういうふうに教えてくれる、って言う方法です。
でももしこれで分かりにくかったら、本編の14話に別のやり方を載せますので、そちらもぜひ並べてみてください。
例えばこんな局面
黒はキングの他には何も駒がなく、白はクイーンを持っています。
でも、ここから1手や2手で黒のキングをチェックメイトにすることは出来ません。
そして、チェックメイトまでのすべての手をしらみつぶしに読み切ることも難しいでしょう。
でも、コツを覚えれば全部の手を読む必要なんてないんです。
もう一回、同じ局面を見てください。
点線を一つ入れてみました。
相手のキングは、白がクイーンを動かさず、キングでこのききをさえぎらない限り、この点線から右側に進むことは出来ません。
だからここで白番なら、クイーンは動かさずにキングで近づくようにします。
このとき、ひとつだけ気をつけることがあります。Kd2は点線上のクイーンの利きをさえぎってしまうからダメです。
だから、ここではKe2とします。(これを仮に1手目として1.Ke2と書いておきますね。以下同じです)
次にもし、1…Kb4 ,1…Kb5,1.Kb6のどれかだったらどうしますか?
これはすぐに正解を言ってしまいましょう。
この場合は、2.Qc1 または2.Qc2とします。
これを見てください。
どうでしょうか?
黒のキングはさっきよりもせまい範囲に閉じ込められているのがわかりますか?
だからもし、次に黒が2…Ka5としたらどうしますか?
もちろん3.Qb1とか3.Qb2が正解ですね。
こうなると、黒のキングは一番左の列の中を動くことしかできません。
ここから先は、以下の棋譜を並べてみてください。
ここまできて大事なのは、白がクイーンを動かすのはとどめを刺すときだけということです。
クイーンがもしbの列から動いてしまったら、せっかくaの列に追い詰めた黒のキングに逃げられてしまいますからね!
3…Ka6 4.Kd2 Ka7 5.Kc3 Ka8 6.Kc4(6.Kb4は6…Kb7と逃げられちゃうからダメだよ!) Ka7 7.Kc5 Ka8 8.Kc6 Ka7 9.Qb7#
最後はキングを端に追い詰めたこの形でクイーンを相手のキングの横にもっていったらチェックメイト!
ちなみに今は左側に追い詰めたけど、上でも下でも右でも、端だったらどの方向に追い詰めても同じようにチェックメイトにできるよ。
さて、もう一度、この局面に戻ってみましょう。
さっきは黒のキングが自分から隅っこのほうに行っちゃったのですが、もしかしたら端のほうに行ってくれないかもしれません。
だから、次は相手が端に行きたくなくても行くしかなくなるようにする方法をやっていきましょう。
1…Kc4 2.Ke2(ここもさっきと同じ理由で2.Kd2としたらダメです。Kd4とにげられちゃいます)Kc5 3.Ke3 Kc4 4.Qd4+
さて、ここで黒は4...Kc5とも4…Kc3とも出来ません。4…Kb4とも出来ないので、黒ができる手は4…Kb3か4…Kb5のどちらかしかないのです。
もし4…Kb3だとしたら、白は5.Qc5、(黒が4…Kc5なら白は5.Qc3です。)
これで、黒のキングが動ける範囲を狭くすることに成功しました。
さらに進めてみましょう。
5…Kb2 6.Kd2 Kb3 7.Qc3
これもさっきと同じく、黒の手は7…Ka7 または7…Ka5とするしかありません。7…Ka7に対しては8.Qb5、7…Ka5に対しては8.Qb7とすれば、一番端の列にキングを追い詰めることに成功しましたね。
ここからチェックメイトする方法は・・・もうわかりますね?
ちゃんとできるかどうか、自分で試しにやってみてください。
さて、ここまででキング対キング+クイーンの勝ち方はほぼ終わり、なんですが、一つだけ気を付けなければならない形がありますので、それを見てみましょう。
この形で次が黒番。
さっきの原則に従ってキングを追い詰めていったのに失敗してしまった図です。
黒の番なのに黒はキングを動かせません。
他に動かせる駒はないので、ステイルメイトの引き分けになってしまっています!
では、ここから数手さかのぼって見てみることにしましょう。
ここから、白はこんな風に指して失敗しました。
1.Qc2+ Ka1 2.Qb3
だから、例外としてこれだけ覚えてください
b2にいる相手のキングは、クイーンをc3にもっていく。そして、クイーンがc3にあるとき自分のキングをc2とb3には絶対にもっていってはいけない。
相手のキングがいる位置が、b7でもg2でもg7でも考え方は全部いっしょです。
具体的に正しい手を指してみましょう。
1.Qc3+
この形を見てください。
この形は、クイーンがここにいる限り、黒のキングが動けるマスはa2とb1の2つだけです。
でも、もし黒のキングがa2にいて、白のキングがc1やc2に行ってしまったら、これもやっぱりステイルメイトになってしまうのがわかりますか?
だから、白はそのマスにはキングをもっていかずに別のマスにどかします。
そして、黒のキングがa2にいればクイーンをb4に、b1にいればクイーンをd2に動かせばいいのです。
例えば1…Kb1 2.Kd3 Ka2 3.Qb4
これで一番左の列まで黒のキングを追い詰めましたから、あとはさっきと同じようにチェックメイトにすればいいだけです。
ちなみに黒のキングがb1にいて白のクイーンがd2にいる形は一番左の列にはおいつめていませんが、一番下の段に追い詰めれば同じことです。チェスはポーン以外は上下左右、全て進み方が同じなので左端で出来たことは全部他の端でもできるのです。
次回の更新予定は明日11月13日です。