11.【オープニング②】駒を動きやすくするのが基本!
オープニングには昔の強い人たちが指した棋譜をもとに、『こう指すとうまくいくよ』って言う手があって、それを『定跡』と言います。
定跡にはいろんな形があって、みんなそれぞれに強い人たちが研究した結果なので、どの定跡が良くてどの定跡がダメか、なんていう判断はなかなかできません。
でも、定跡の中でも『基本に忠実』な定跡と、そうでない定跡があるんです。
どうせなら、定跡の手順をなぞって覚えるよりも、序盤の基本を覚えた方が良いとは思いませんか?
実はその辺、5話目の所でもすでに触れてるんです。
たとえば、駒を展開する順番は、ビショップよりナイトが先!って書いてありましたよね?覚えてますか?
あれも別に絶対ではなくて、例えば1.e4 e5 2.Bc4って出る手だって立派な定跡なんです。ただし、その先をちゃんと覚えていれば!ですよ。
その後で結局g2の弱点を攻められて負けちゃったらダメですからね。(2.Bc4が間違いじゃないと言うことは、白が正しく指せばg2の弱点を攻められて一方的に不利になることはない、ということです。でも、正しく指すことが出来なければやっぱり弱点は弱点。だから弱点は作らない方がいいんです!)
でも、定跡って覚えきれるほど少なくはないんです。
全部覚えるなんてとても無理。
だったら2.Bc4なんてせずに2.Nf3ってしといた方が良いですよね?
手順を覚えてなくても応用がきくのが『基本』です。
A.駒が動くためのマスを確保しよう
特に黒番の時、自分の駒の動きどころがなくって困ることがあります。
そういう事にならないよう、『駒が動けるスペース』をちゃんと確保しておきましょう。
①フィアンケットによるビショップの居場所の確保
特に気を付けなければならないのが、黒番の時のc8にあるビショップです。
もしeのポーンをe6に進めると、このc8にあるビショップが外に出られなくなってしまうことが良くあります。
かといって、e6を突く前にビショップを出そうとするとb7が弱点になる・・・
このような場合、b6とポーンを突いてビショップをb7に持っていくことで活路が開ける場合があります。
この形を『フィアンケット』といいます。もちろん、g6とポーンを突いてf8のビショップをg7に持っていくのも『フィアンケット』で、これはキングの守りも強力になります。
ただし、b6と突いているのにc6も突いていたりするとせっかくb7に行ったビショップの進路が妨げられて駒の働きが良くなくなってしまいますのでそこは気を付けましょう。
②f6やc6にいるナイトを攻撃目標にされないように!
ナイトを展開する時、黒番なら一番自然な展開の場所はg8のナイトはf6、b8のナイトはc6です。
しかし、白からポーンをe5 とかd5などと突かれることによって無理やりこの場所のナイトをどかされてしまう場合があります。
これを防ぐためには、相手のポーンがe4にあるときは自分のポーンをe5に、相手のポーンがd4にあるときは自分のポーンをd5に持っていくのが有効であると言えます。
ですが、相手のポーンがe4とd4の両方にあったら、黒の方はポーンをe5とd5の両方に置くわけにはいきません。
そういう意味でも、自分が黒を持った場合はポーンをe4とd4に並べさせる『白の理想形』は阻止しておいた方が良いのです。
B.他の駒の行先はなるべくふさがない。
この例も単純です。
初手から1.e4 e5 2.Bd3?
この2.Bd3がダメです。
なんでだめかと言うと、d3にビショップがいるとd2のポーンが動けないからです。
本当はd2のポーンを突いた後でc1にいるビショップを展開していきたいところですから、この位置のビショップはあまり良くないと言えます。
同じ位置のビショップでも、例えば1.d4 d5 2.e3 e6 3.Bd3だったら悪い手ではありません。(それでもナイトを先に出す3.Nf3の方がオススメですが)
何で悪い手じゃないかと言うと、d2にあったポーンはもうd4に出ているので、ビショップがd3に行ってもポーンの行先を防いでいないからです。
これならc1にあるもう一つのビショップもちゃんと展開することが出来ます。
C.手順に展開されてしまう手はダメ
たとえば初手からこう指したとしましょう。
1.d4 Nf6 2.e3 e6 3.Bc4?
これは悪い手です。
ナイトよりビショップが先に出てる・・・って言うのもありますが、もっと重大な点は次に黒に3…d5とされてしまう点です。
こうなると、白は次にビショップを逃げなければなりません。
もともと、黒はいずれd5とは突きたいところですから、白は単に1手損をしている、ということになります。こういう手は指しちゃだめですよ。




