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チョコ嫌い

作者: ぽっけん

今回のお話はいつものと違います。期待されている方がおりましたらプラウザバックを推奨です。だいぶ眠い頭で書きました。書いてるうちに私の頭はどうかなってしまいこんなことになってしまいました。お時間泥棒になるだけかもしれないので、注意してください。

「あーあ、べったべただよ。」


甘ったるいアイツがかかった。

なんか表面がピキピキして凄くいやな感じ、体もしぼんじゃった。






昔は楽しかった。でも、それも夢みたいなもんだったんだ。

バブルが崩壊したのは一瞬だったよね。




お店に来る奴なんでもかんでも、チョコちょこちょこ!


僕はまだいいんだ。今でも現役選手としてなんとか食いつないでるから。

でも、九里くりの奴なんかは一瞬だったよ。

本当に一瞬。体中に流されてもう誰だかわからない状態で、食われた。

そして一言

「チョコあまーい!」


チョコあまーい、じゃないんだよ。じゃあチョコ食えよ、いちいちかけないで欲しいんだけど。

九里は自分自身で合わないって言ってたんだ。

凄く悲しそうだった、いつも皿に残るのは決まってたんだから。




「もー食べれないよー。」

あっ、久しぶりに僕が残った。全く手もつけられてないんだけど。

何が悲しくてこんな状態で終わらなきゃいけないのかな・・・。


九里のこと思い出すなぁー。いつもいつもこんな気持ちでウエイターさんに下げられていたんだ。

皿にベッタリと張り付いた僕は、洗い場まで通される。



このまま水に入って終わりかな?

次は他のお菓子に生まれ変われますように!

なんど願ってもいつもいつも僕は僕だ。せめてチョコかけられない所がいいなぁー。




不意に、僕は摘まれた。

厨房に最近入ってきた、お姉さんだ。

食べられるかな?いや、せめて食べてもらいたいな。



お姉さんは僕を見ると苦笑い、お皿に戻した。

キッチンの方に戻っていっちゃった。





体中がカピカピに乾いて、ひび割れを起こす。

全てを覆われてるため、息ができない。

だんだん寒くなってきた。

体が動かない。もともとだけど。

意識もなくなって・・・







ん?体がふやけてる。さっきまでカチカチだった僕の体は溶け、皿の上にいるという感覚を取り戻す。


なんだか暖かい。芯からあったまってくる。

さっきのおねーさんが笑顔でこちらを向いている。

それにしても温かい・・・暑い・・熱い!!!


「まだ、食べれるー食べれるー。」

コック帽を頭に乗せたお姉さんは僕を炙ってた。ガスバーナーで。

「本当はかける前に焼くんだけどなー。まあ・・・これもこれで。」



洗い場にはあまーい香りが漂っていた。

シュポっと、火が止められる。

少し湯気を立たせた僕の身体は、天井に取り付けられた白熱電球によりラメがかった濃い茶色に輝いていた。


お姉さんは厨房にもどると、もう一人男の人を連れて戻ってきた。




「これ、一生懸命作ったんです。私の気持ちなんで良かったら食べてください。」


「君の気持ちはよく分かった。じゃ、仕事戻るから。」



冗談に付き合ってもらえなかった彼女は不満そうだった。


男の人がいなくなると、僕をひょいと摘み、

「いいじゃない、本命なんて恥ずかしいんだから、これで我慢してよ。」


食べられる寸前に見えた彼女の目は涙を溜め込みながらも笑っていた。








そんな彼女に伝えたい。




あの男の子はチョコが大嫌いなんだ。





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