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CRY OF SOUL   作者: ほわぱち
7/13

7、昨日の友は今日の......

2053年 7月17日 09:30 通信基地

ジャック・ライガン上等兵



「迎撃準備が完了しました」


傭兵集団の一人が大量の対人地雷を持って行ってから10分程で戻ってきた。


「ありがとう。行ってくれ」


エルが部下にそう行って簡易本部のテントから出ていかせた。


「我々の戦争に傭兵たちを巻き込んでしまってすまない」


「助けてもらったお返しだとでも思ってくれ」


兵長の言葉にエルは軽く返した。兵長は珍しく申し訳無さそうにエルに謝り、それにエルが返事しているのを聞いていた。


「報告します。敵の奇襲です!予測より一時間早いです」


「すまないがエル、どうやら休んでいる暇はないようだ」


「大丈夫ですよ」


そう言って、ラバン兵長が通信で兵士たちに戦闘準備の連絡を入れた。本当は通信基地を本部とするはずだったが奇襲のためかなり押し込まれてしまい、基地自体が戦場になるだろう。このまま簡易本部を使うしかなさそうだ。


奇襲だったこともあり防衛戦は苦戦を強いられた。

しかし、傭兵集団が民間組織とは思えない戦闘能力を発揮しているため、どうにか押し切られずに済んでいる状態だ。


「このままでは囲まれている我々がジリ欠になってしまいます!」


兵士の一人が叫んだ。


「分かった。エル、ジャックここ任せていいか?俺は本部に救援を要請してくる」


「いけますよ」


「了解ですよ」


俺とジャックは銃を撃つ片手間で返事をした。それを激しい銃声の中で確認したラバン兵長は後方の方へ下がっていった。

撃っていたマガジンが空になりリロードをする。


「ところで、こんなときになんだが。エルさんよ」


「はい、なんてす?」


エルもマガジンをリロードしながら答えた。


「あんたマコとどーいう関係なの?捕まって会っただけであそこまで心配されるかね。あんなかわいい子に心配されて羨ましいね」


「いや、実は昔、戦争孤児になっていた彼女をうちで預かっていたことがあったんですよ」


「あー、なるほどね。まあ、とりあえずここを切り抜けないとあの笑顔に迎えてもらえないよね」


「そーですね」


そう言って遮蔽物から顔を出し銃を連射した。


「みんな!きっと、援軍が来る。それまで、持ちこたえるぞ!」


エルが叫ぶと傭兵とメタルフォースの兵士も大地を震わすような叫びが反ってきた。はじめに心配だったチームワークもピンチが続いて気にしてる暇が無くなったのか大丈夫なようだった。


それから、しばらくたったが兵長が戻ってこない。


「おい、ラバン兵長遅すぎじゃないか?通信がうまくいかなくて時間がかかることはあるがこれはかかり過ぎだ」


「確かに、ジャックさん見てきて貰えますか?」


「いいのか?」


「兵士が一人いなくなったところでそんなに状況は変わらないですよ」


「言ってくれるね。それじゃあ、頼む」


そう言って俺は後方に向けて走り出した。

ほとんどの兵士が戦場に出ているため本部周辺は静かなものだった。


「静かすぎないか。オペレーターとかはどこいった」


簡易のためオペレーターが三人いたはずだがオペレーター室はもぬけの空だった。


「おいおい、どーなってるんだ。」


そう言ってオペレーターの椅子を引くとぬめっとした感触がした。そこには血がついていた。さっと身構え銃を構える。


「なんかあったみたいだな」


銃構えたまま進む。

食堂という名のただのレーション配布場にも誰もいない。

あと、捜索してないのは倉庫だけか。


倉庫に着き、ゆっくりドアを開ける。隊員たちが更衣室で使ってるロッカールームの扉を開ける。その瞬間目を見開いた。そこには血の跡が着いていたのだ。おそるおそる近づきロッカーを開けるとオペレーターの死体が倒れてきた。咄嗟に音がたたぬように受け止める。


「ナイフで後ろから首を斬られたか。多分他の奴らも他のロッカーに入ってるんだろう」


静かに死体を横たえてロッカールームを出て大倉庫へと向かう。大倉庫の近くに来たとき何かを切る音がした。もしかしたら、オペレーターを殺ったやつかもしれない。足音を消し静かにドアに近づきゆっくりとドアを開けた。

奥に誰かいる。明かりがついてないため誰かはわからない。どうやら、通信機のコードを切っているようだ。通信機自体を破壊するよりずっと穏便に行える。


「誰だ!手を頭の後ろで組み膝まずけ!」


銃を向けながら叫ぶと、その人影はこちらを向き走りながらホルスターの銃を抜いた。


「大人しく捕まってくれないもんかね」


そう言いながら落ち着いて狙う。狙いは人影の手元。これでも、メタルフォース随一の射撃精度を誇っていたりする。ドットサイトを人影の動きを予想し合わせ撃つ。見事、人影のハンドガンを吹き飛ばした。


「終わりだ。スパイ野郎」


そう言って銃口を向けながら近づくと分からなかった顔が見えた。それは非常に見慣れた顔だった。


「ラバン兵長?」

滅茶苦茶遅くなりました。すいません

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