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ストレイシープの旅

作者: 城里 泉美

一番目の街に

虹が掛かったのを見て

ストレイシープは言った


「ああ、何て美しい」

ある人は言った

「雨のせいで泥が跳ねた」

またある人は言った

「虹の麓には宝があるんだ」

ストレイシープは否定した

「虹を見よ、美しいだろう」


彼は知らない

同じものを見たとしても

多様な感じ方があることを




二番目の町で日照りが続いた

ストレイシープは言った


「太陽よ、消えてしまえ」

とたんに空が暗くなり

町に雨が降った

けれどももう二度と

その町に太陽は現れない

人々に憎まれて

ストレイシープは首を傾げた


彼は知らない

太陽が雨にはなれないように

大地が空にはなれないように

全ての理は

補い合っていることを




三番目の町は貧困の町だった

飢えた子供に彼は言った


「自分は全てを知っている。君に与えよう」

子供は言った

「知識より、食べ物を頂戴」

ストレイシープは眉をよせた


彼は知らない

心身の豊かさがあってこそ

知が尊ばれることを




わたしやあなたが知っていることは

この世の無限の理の

ほんの一部でしかない



一人で解決できると

思っている



彼のような旅人を

迷える子羊(ストレイシープ)と呼ぶんだ



羊たちよ


驕らず

かつ卑屈にならず


周りの人を尊重しよう



物事を達成するには

決して一人ではできないのだから




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