page2:約束
凪杏=なぎあん
相沢美野里=あいざわみのり
伊原せな=いはらせな
長谷敬太=はせけいた
和泉香里=いずみかおり
美野里が教室へ向かうのを見ていた私に、せなは挑発的な目を向け、美野里の後を
追って教室へ走っていった。
実は、私・美野里・せな。のグループに本当はもう一人いた。
その子は、香里といい静かな性格の女の子だった。
私は呼び出されなにされたかを、まるでチクルように香里に言った・・・
『あぁぁぁありえない。ホントウザィ・・・美野里が告んなかったから敬太は
うちの所に来たんでしょ?なんで怒られなきゃいけないわけ??』
『美野里は、敬太が杏ちゃんの事好きなの小6の時から知ってたんだよねぇ』
と香里が言った。 確かにある日の帰り道に
『敬太はいつからうちなの??』 と、聞いた日があった・・・
『ん〜一筋になったのは6年の時だなぁ』 って言ってた。
6年の頃、香里・せな・美野里は同じクラスで私だけ違うクラスだったのだ・・・
香里は6年の頃の敬太について話はじめた。
『敬太、結構杏ちゃんの事好きだったよ。「あ」とか言うとすぐ顔赤くなっ
ちゃってね。周りの男子に「杏の事好きだべ」とかよく言われてて、なにも抵抗
しないで、黙って照れてたんだよ〜』
・・・・・・・・・・・・・・・結構驚いた。。。6年の時は敬太の事は
眼中に入っていなかったので。。。
『遅れてゴメン』
『うん。いいよ 行こ!!』
いつものように遅れてくる敬太に私はトキメキを覚えてしまった・・・
『敬太・・・なんかカップルらしいことしようよ!』
『えっ。どんなこと??』
『ん〜こういうの!!』
と私は、空に□を書いた。漢字で読めば“くち”と読むのを期待して・・・
だが可愛いらしく単純な敬太は
『しかく??』
『あぁ・・・じゃぁ・・・漢字で読んでみて』
『・・・・・・・あぁ!!!! えっっ!!』
というやり取りで、やっと伝わった。ほっぺに・・・と思ったのだが、遅い時間
なので、明日という事で約束をした。
もちろん知ってるのは2人だけ 自分にしてはめずらしく、早く明日になってほしい
と思っていた。
あなたのほっぺに触れた最初の唇は誰の??
凪杏