1、【基本設定】
本編ではないです。興味があるという酔狂な方だけ見てください。
1、【基本設定】
現実世界を模したヴァーチャルリアリティで、『AA』(アヴァターズエージェント)と呼ばれる戦闘兵器を利用しリソースの奪い合いをする話。ただし、AAとは仮想人格であるがゆえにその死は現実の死と限りなく近い。
2032年現在、利用されているあらゆる通信手段は、世界政府とAIのアルゴリズムによって管理されている。つまりは、不正な行為やそれをほのめかす行為などが非常にし難い状況である。そこで情報の秘匿性の高い通信手段として利用されているのがヴァーチャルリアリティであった。といっても、従来のパソコン通信と同じでログなどの解析によって犯罪者の特定はそう難しくないのだが、これを管理する『衛星サーバー』の所在が宇宙であること。その所有者であったアハリ教授が行方不明であること、彼の国籍が複数あったために所有国が不明であること、現在はAIによって管理されている事など複数の要因が絡んでいる。
衛星の爆発物などによる破壊も検討されたが、配置的に破片が各国の衛星を巻き込んでしまうことやダミーを含む複数の衛星で軌道と運営を乱数的に管理されているために対象の特定が難しいことなどの理由で放置されている。つまりは、放置された合法的な無法地帯がヴァーチャルリアリティの正体である。また、通常のアヴァターと呼ばれる使用者を模した擬似人格では攻略不能であったガーディアンだが『The Book』(仮想空間用のOS)にデフォルトでインストールされている『GENESIS』を転用することで脆弱なアヴァターは、ガーディアンに対抗できるAAと呼ばれる戦闘兵器へと変質した。
仮想空間上は、基本的に現実世界の大陸、国家程度の規模で分離されている(ただし、全体としては現実以上の空間的広さを持っているとされる)。国家間や特定の地点間を移動する手段が『ゲート』であるが、ここを通行するためには特殊なパスを入手するか『ガーディアン』と呼ばれる強力なNPCを退けねばならない。なぜ、危険を冒してまでこれを攻略しようとするのかといえば、通信手段が限定されている(通信手段の使用は可能であるがアルゴリズムによる検閲がある)世界だから。さらに言うならば、そこが合法的無法遅滞であり、抜け穴として最適であるとされたため。
そして、そういった状況の変化に伴い仮想空間上で独自の職業が台頭する。
『傭兵』マーセナリー、『護衛』エスコート、『海賊』パイレーツ、『掃除屋』スイーパー『商人(情報屋)』のなどである。
『傭兵』は、金や条件次第で何でもする職業である。護衛に就くこともあるが、翌日には別の雇用主に雇われ敵対することもある因果な職種。一番多い職種とされるが、海賊連中の数が完全に把握されているわけではないので潜在的には海賊が一番多いとされている。
『護衛』は、それのみを専任に行う職業。ガーディアンの攻略などの行動は基本的に行わないで、雇い主や特定の対象を保護する職種。人口はそんなに多くない。
『海賊』は、The Bookの性質を利用したPK専門職。戦闘によって破壊した対象のデータは、自動で自身のデータと統合されるため特定の場所で待ち伏せなどをして無差別に殺人を行う。ただ、この職種の連中は仮想で起きていることをゲームであると勘違いしている連中が多いため殺人に対する罪の意識が希薄である。
『掃除屋』は、殺しのプロフェッショナルであり基本的には海賊連中と変わらないが、彼らは契約によってのみ動くと言うこと、無差別な殺人を行わないことなどが明確に異なる点だろうか。概して傭兵と海賊を足して二で割ったような存在。彼らは、護衛よりもさらに希少な存在である。
『商人(情報屋)』は、一番初めから存在していたジョブ。そもそもジェネシスの利用されていた本来の用途は情報の秘匿性の高い空間でのやり取りが目的でありその安全性の確保のために護衛や傭兵が存在しているのだから。商人としての側面は、データの有料での提供が挙げられ、情報屋としては掲示板のような意義がある。このクラスにいる人間が非戦闘要員であるかというと、必ずしもそうではない。傭兵や海賊の中にまとめてカウントされたり、実際に他のクラスの連中が兼任したりするジョブである。
上記の職種に分類される彼らは、一人からなる無所属の『フリーランス』、十人以上の規模からなる大型の『ギルド』に所属するか、ギルドよりも規模の小さい二名から数名からなる『パーティー』に分類され活動する。あとは、各人の好みによって同盟を組むなどして仕事を請け負う。従来は大型のギルドにガーディアン討伐依頼が頼まれていたが、損害が大きいために最近は少数精鋭で攻略するやり方が台頭してきている。また、仮想空間上で起きる事象の推移は過去にあったオンラインゲームの様相と概ねで酷似しているが、AIによって自動でアップデートされて調整されるために、いわゆるチート行為は発生してもすぐにバランス調整されてしまう。
現在におけるゲーム版との明確な差異は、戦闘行為における『死』が確定した瞬間に自動で回線が遮断されるか否かというもの。演習には『The Book』経由で起動した『Genesis』を使用し、勝敗如何に関らずデータの統合は行われない。
これ公開してもいいのかしら。まあいいや。細かいことは気にしない。(2月3日更新)