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1.起床時間は14時です

「んん、ふぁあ……」


(めっちゃ寝た気がする~)


そう言って、「んぅっ……」と伸びをしたのは白藤 姫乃(しらふじ ひなの)

趣味は読書と絵を描くこと、たまに小説やら漫画を描く。投稿サイトなどには載せず、一人で描くだけ描くタイプ。勉強はほどほどに。運動はちょっと苦手。好きな食べ物はビターチョコ。かなりの人見知りで、友達は深く狭く、というタイプ。顔は可愛くもなく、不細工でもなくといったただの平凡な少女である。

現在、春休み。丁度、先週高校生活初の修了式を終えたところである。


「ん、今何時だろ?」


そう思い、姫乃はスマホを開く。【14時02分】という文字が目に入った。


(うわ~、母さんに怒られそ……)


だが、もう時間すぎちゃったし、仕方ないよね!と姫乃は開き直る。


「ん、あれ?」


メッセージアプリに一通のメッセージが届いていた。


「あっ!」


姫乃はパッと顔を輝かせる。

来ていたメッセージは彼氏である須藤 伊織(すどう いおり)からだった。

同じ中学校出身で、中三から付き合いだした。だが、高校では学校が離れてしまったのだ。残念極まりない。それからは、部活が忙しく、月に一度会えるくらいになってしまった。


(同じ学校っていうのがどれだけ貴重だったか、今なら分かるわぁ……)


メッセージをタップし、アプリを開く。


【今週の土曜、空いてないかな?話があるんだ】


(話?話ってなんだろ)


「ま、いっか!会えるのは嬉しいし!」


そう楽観的に考え、姫乃は承諾の返事を送った。

かなり考えて送るのは、毎度のことである。誤字脱字がないか、伊織を嫌な気持ちにさせるような言葉はないか――など。



こう見えて姫乃は、かなり彼氏のこと大好き人間なのである。



小四から抱えていた想いがようやく叶ったのは中三。アピールなど、何をすればいいのかも分からず、その結果何もしなかったため、その間に伊織は一年か二年ほど他の女子と付き合っていた――という噂もあった。その頃は毎日嫉妬で焼ききれそうだったのを覚えている。


そんな伊織と姫乃がどうやって付き合ったのかって?


答えは、友達の協力である。

修学旅行の日、たくさんの友達、友達の彼氏などが手伝ってくれたおかげで、自由行動で一緒に回ったり、写真を撮ったり――。まぁ、ほとんど業務連絡以外で話さなかった女子と急にそんなことになったのだから、好きバレした、というのが結果。それによって、何とか付き合ったのだ。


(ホント、友達様様です。私、何もしてない)


片思い期間がかなーり長かったせいか、恋愛小説、漫画の見すぎなのか、かなりの理想主義者である。もちろん、表に出す気はないが。


基本的に横顔しか見れなかった伊織が自分を見てくれるだけで嬉しいし、運よく班が一緒だったり、少し話せただけ、といったことも覚えている。


(私、絶対重い)


『重い女を、男は面倒くさいと思う』

それを知ってから、絶対に伊織に重い女と思われてはいけないのだ。


「ひなーっ!そろそろ降りてきなさい!!」

「あっ、やばっ。……はぁーいっ!今降りる!」


(楽しみだなぁ。服も考えないと!)


そう思い、姫乃は階段を降りる。


「おはよ~」

「おはよう、じゃない。ひな、最近夜更かししすぎ。どうせ、またタブレットで小説読んでるんでしょ?失明するわよ」

「うぅ……」


(楽しいんだし、仕方ないじゃん)


ちなみに、姫乃は視力がかなり悪い。0.1をきっているのだ。

分かっていても、止められない。どうにもならないのである。もはや薬物中毒者だ。


「昼ご飯、食べちゃって」

「はぁい」


温めてくれていたらしい昼ご飯を口にする。


(ホント、母さん様様だよ)


昼ご飯を食べ終わり、また本を読んでいると、スマホの通知音が鳴る。


「ん、あれ」


スマホに表示されたのは友人の井上 綾菜(いのうえ あやな)


「あーちゃんだ」


あーちゃん、とは綾菜の愛称である。

ちなみに、綾菜には伊織と仲のいい彼氏――森川 颯(もりかわ はやて)がいる。

姫乃と伊織が付き合うのに、一役買った人物だ。全員同じ中学校出身で、かなり仲がいい。それこそ、部活が終了してからの下校では、ほぼ毎日一緒に帰っていたくらいの仲である。


【ひなのん、おひさ~】

【再来週の日曜さ、遊園地のチケットあるんだけど、一緒に行かん?】


といった風だった。最後にはお願い!っといった可愛らしいスタンプも送られている。


〔颯はいいの?〕

【いや~、誘ったんだけど予定あるっぽくてさ】

〔あらま〕

〔ならいいよ~〕

【ありがとー!】


グットのスタンプを送り、姫乃は自室に戻った。

勉強道具を取り出す。中学まではそれなりに勉強はできる方だったのだが、高校は少し無理をして偏差値の高い高校に入ったため、授業も周りもレベルが高いのだ。ついていくので精一杯である。


「はぁ、めんどいなぁ……。伊織くんに会いたいよぅ」


そう思いつつ、姫乃は教科書を開いた。


◇◆◇


「姫乃……」


自室の窓から、ぼんやりと夜空を見つめていたのは、須藤 伊織。


(姫乃は、僕のこと、どう思ってるの?)


伊織は今まで、誕生日や記念日なんかに姫乃からもらった手紙やプレゼント――そして、メッセージアプリの画面を見つめる。


(嘘、なのかな。全部全部)


「僕は、こんなにも姫乃のことが好きなのに」

ふらっと思いついたので書いてみます。4話ほどで終わらせる予定です。

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