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鎖 〜例え、どんなに歪な形でも〜  作者: 暦海


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目論見

『……その、ここ最近のことなのですが……その、誰かにつけられているみたいでして……』



 そして、あのクリスマスデートから数日後。

 ……まあ、正確にはクリスマスじゃないけど、それはさておき。

 ともあれ、そんな私の唐突な発言に驚きと心配――そして、強い罪悪感がひしひし伝わる声音が届いて。そんな彼に対し、私の方も酷く心が痛む。


 だって……あの時点では、まだつけられてなかったわけだし。どうやら直近、どういう経緯か冬樹ふゆき先輩と私の逢瀬を知ったらしい有希ゆき先輩が近いうちに跡をつけてくるだろうと推測――あるいは、そうなるよう誘導したに過ぎないわけだし。……まあ、逢瀬という表現が適切なのかはさておいて。


 果たして、推測――あるいは、目論見は現実のものとなった。有希先輩自身、そして田城たしろ先輩からも話を聞いて分かったのは――彼女が、ストーキング程度のことは平然と行うであろう極めて嫉妬深い人間だということ。そして、場合によってはそれ以上の――


 そして、それ以上の行動――殺害を誘導すべく決定的な一手を放つことに。具体的には、あの写真――初夜を終え、あられもない姿で二人毛布に包まるあの至福の一枚を有希先輩へと送りつけた。


 当然、と言うべきか効果は覿面てきめん――数日後、帰路を共にする私達に向けられたのは、以前のものとはまるで比較にもならない――それこそ、殺気と呼んで差し支えないほどの底知れぬ憎悪だった。

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