慟哭
「……陶奈、さん……?」
突然の思いがけない展開に、呆然と声を洩らす僕。とは言え……状況が状況だけに随分と声が籠もっているので、彼女に届いているかは定かでな――
「……おや、今なにか仰いましたか冬樹先輩。しっかりホールドしているせいか、どうにも声が聴こえづらいみたいで」
「……えっと、その……」
「それと、言わずもがなでしょうけど――こういう状況なので、当然ながら先輩の綺麗なお顔もまるで見えません。なので……今、どんな表情をなさっていても残念ながら知る由もないんですよね」
「…………」
僕の返答を待つことなく、滔々と一人話し続ける陶奈さん。……まあ、どうせ何の返答も出来なかっただろうけど。
ただ……流石に、僕もそこまで鈍くはないみたいで。唐突な陶奈さんの行動――そして、この言葉の意味……うん、ここまでお膳立てしてもらって、今更強がるのも逆にみっともないか。
――と言うか……もう、とうに限界だった。
「……ゔっ、ゔっ……」
「……先輩」
「――ゔぁああああああああああああああぁ!!!!」




