ご機嫌斜め?
「……ところで、少し前から思ってたんですけど……先輩、美穂のことは随分と親しげに呼んでますよね?」
「……へっ、あっ、すみませんつい! 藤島さんのご友人に対して、随分と馴れ馴れしく……その、大変不快でしたよね」
それから、数十分経て。
食事の席にて、ジトりとした目でそう問い掛ける藤島さん。そう言えば、美穂さんに対してはいつの間にやらファーストネームで呼んでいたことを今更ながらに自覚する。
ただ、言い訳をさせてもらうと……それは、ただ単にファーストネームの方しか知らないからであり、それ以上の意味はない。そもそも、僕自身お会いしたこともないわけだし。
……とは言え、それなら苗字を尋ねるなり何なりすれば良かったわけで。大切なご友人の名前を、見ず知らずの僕に馴れ馴れしく呼ばれるなんて、やはり藤島さんにとって不快以外の何物でもなく――
「……いえ、別にそこに対して不服があるわけじゃないんです。ただ……だったら、私のこともそちらで呼んでほしいなと」
「…………へっ?」




