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鎖 〜例え、どんなに歪な形でも〜  作者: 暦海


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来年も、また一緒に――

「いやー、楽しい時間はあっという間ですね冬樹ふゆき先輩! もうこんな時間なんて」

「はい、僕もほんとに楽しかったです藤島ふじしまさん」

「あれぇ、ほんとにそう思ってますぅ?」

「お、思ってますよもちろん!」

「ふふっ、分かってますよ先輩」


 それから、数時間経て。

 すっかり夜の帳が下りた頃、いっそう輝くイルミネーションの中を歩きながらそんなやり取りを交わす僕ら。彼女の言うように、楽しい時間はほんとにあっという間で……うん、本気で疑われてないよね?


 では、体感としては一時間にも満たないと思えるほど充実していたこの数時間、どのように過ごしていたのかというと――古民家カフェやハンドメイドの雑貨店、はたまたレトロな書店なども訪れたり。なんだか、クリスマスっぽくないですね――そう、可笑しそうに二人笑い合ったり。まあ、そもそもクリスマスじゃないしね、今日。


 ふと、ぼんやり空を見上げる。視界には、一面に広がる真っ黒なカーテン――そして、対をなすように霏霏と舞い降る真っ白な不香の花。そんな幻想のようなコントラストの中を、ゆっくりと二人歩みを進めていく。だけど……うん、そろそろ――


「……あの、藤島さん。そろそろ――っ!?」


 些か躊躇いつつ口にした僕の言葉が、不意にプツリと途切れる。何故なら――隣を歩く彼女の右腕が、さっと僕の左腕をいだいたから。一人動揺する僕を余所に、彼女は寒さを忘れるほど身を寄せ、そして――



「……ねえ、冬樹先輩。来年も、また二人で来ましょうね……二人で」

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