既存の事実?
「ところで冬樹先輩。今更ではありますが……私が先輩を引っ張っていく直前、何か言おうとしてましたよね? すみません、遮ってしまって」
「……へっ? ……ああ、そう言えば……」
その後ものんびり歩みを進めていると、ふと隣から思い出したように尋ねる藤島さん。まあ、実際に今思い出したのだろうけど、それはともあれ――
……うーん、どうにも言いづらいなぁ。さっきもそうだったけど、後になると尚言いづらい。……とは言え、ここで誤魔化すのもどうかと思うし……それに、やっぱり確認はしておきたいので――
「……えっと、少々尋ねづらいのですが……今、こうして僕といても良いのでしょうか? ひょっとしたら、その……以前占いの際に仰っていた、藤島さんの好きな方に目撃されてしまう可能性も……」
そう、躊躇いつつも尋ねる。まだその時期――聖夜ではないとはいえ、恐らくここはデートスポットであり今も人通りが少ないわけではない。なので、偶然その人に目撃されてしまう可能性も、それほど高いとは言えないまでも排除はしきれな――
「……うん、まあ分かってはいましたが……やっぱり先輩ですよね」
「……?」
すると、仄かに微笑を浮かべ答える藤島さん。心做しか、何処か呆れた――あるいは、悟ったような表情にも見えて……あれ、何か変なこと言ったかな?




