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鎖 〜例え、どんなに歪な形でも〜  作者: 暦海


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模範解答?

「……うわぁ」

「……ふふっ、どうですか冬樹ふゆき先輩」

「……はい、とっても綺羅きらびやかで素敵です。根暗な僕とはまるで正反対なくらいに」

「うん、最後の一言要ります? ……まあ、気に入ってくれたのなら良かったです」


 それから数分後。

 行きましょうか――そう、無邪気な笑顔で言った藤島ふじしまさんと一緒に来たのは、何とも華やかなイルミネーション。眩いほどに鮮やかなその光景に、思わず感嘆の息が洩れてしまう。うん、ほんと根暗な僕とは正反対。


「……それにしても、今の時期にも既にあるのですね、こういうの」

「そうですね。何処でもというわけでもないでしょうけど、こういった光景はわりと早い段階で見られるところも多いですよ? 流石にサンタさんはまだいないようですけど」

「……まあ、流石にフライングが過ぎますよね」


 華やかな電飾ひかりの中、ゆっくりと歩みを進めつつ他愛もない会話を交わす僕ら。なるほど、こういうのはクリスマス前後に限った光景かと勝手に思っていたけど……うん、行動範囲が狭いにも程があるね、僕。


「……それにしても、ほんとに綺麗ですよね」

「ふふっ、そうですね冬樹先輩。でも、こういうシチュエーションでは『とっても綺麗だね。でも、君はもっと綺麗だよ』と彼女のを見て告げるのが模範解答らしいですよ?」

「……へっ? もちろん、藤島さんの方が遥かに綺麗なことは言うまでもないですが……」

「……っ!? ……先輩って、時々ずるいですよね」

「……その、申し訳ありません。そのようにお伝えするのが正解だったとは露知らず……」

「いえ、どうかお気になさらず。模範解答とかほんとはないので。……その、ありがとうございます」

「……はい、どういたしまして……?」


 初めて耳にした驚くべき情報に、確認の意を込め尋ねる僕。すると、悪戯っぽい笑顔から一転、さっと顔を逸らし呟きを零す藤島さん。心做しか、舞い降る雪のように白い彼女の肌が朱に染まっている気が……ああ、電飾ひかりのせいかな。

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