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仕事ってそんなもんだし

「――どうもありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」


 それから、およそ二時間後。

 カウンターにて、申し訳程度の定例句を口にするも、最後まで聞き届けることなく談笑しながら店を去っていく陽気な学生達。まあ、正直助かるけども。


 それにしても……前々から思っていたけど、案外クビにならないものだよね。やる気も愛想もなく、ただただ機械のように決まり切った業務をこなしているだけだというのに。まあ、僕としては大いに助かる……いや、そうでもないか。


 ――ただ、それはそれとして。


(うっわ、またあの人と同じシフトかよ。開始早々気が滅入るわ)

(あんたなんてまだ良いじゃん。あたしなんて、もう四日連続で被ってるんだよ? 空気が重いのなんのって)


 接客の最中さなか、少し後方からそんなやり取りが耳に届く。不運にも、僕と時間が被ってしまった大学生のスタッフ達だ。多少なりとも声を潜めているとは、僕にというよりお客さんに対しての配慮だろう。……うん、だったら言わなきゃいいのに。


 ただ、そうは言ってもやはり申し訳ない気持ちはある。僕が彼らの立場でも、こんな陰鬱な雰囲気くうきを纏う人間と近しい空間にいるなど、願わくば御免被りたい。とはいえ、そこは是非とも割り切って頂けたらと。仕事ってそんなもんだし。

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