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資格
ともあれ、そこから話は盛り上がり今日の散々な日々について花を咲かせる。……うん、こういう会話を楽しめる辺り、やはり彼女も多少なり変わっているのかも。そして、
『――今日はすっごく楽しかったです、冬樹先輩! また、一緒に何処か遊びに行きましょうね!』
帰宅後、居室にて――だらりと仰向けになり、ぼんやりと脳裏に思い起こす。別れ際、満面の笑顔と共に告げられた彼女の言葉を。そんな眩い光景に――胸が、ズキリと痛む。
……何をしているんだ、お前は。こんな不相応な楽しさを享受する資格が、お前にあるとでも思っているのか。――忘れるなよ、香椎冬樹。お前に――お前なんかに、幸せになる資格なんてないんだよ。




