表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鎖 〜例え、どんなに歪な形でも〜  作者: 暦海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/96

例のあれ?

「……さあ、来るぞ……来るぞ……」

「ふふっ、楽しそうですね先輩」


 それから、およそ一時間後。

 当園の看板アトラクションであるからして、やはり人気が高くそれなりの待ち時間を経てゴンドラへと乗り込んだ僕ら。そして、ゆっくりゆっくりと上がっていく最中さなかそんなやり取りを交わす。……いや、やり取りというより、気持ち悪い僕の独り言を彼女が拾ってくれただけなんだけども。


 それにしても……思ったより余裕あるなあ藤島ふじしまさん。悪戯っぽい笑顔まで見せちゃってるし。


 さて、そんなやり取りの間にも徐々にゴンドラは軋む音を立て上がっていく。……さあ、来るぞ……来るぞ……



「…………あれ?」


 卒然、ポツリと声を洩らす僕。だけど、それは僕だけでなく――声こそ洩らしていないものの、隣に座る藤島さんも、恐らくは僕と似たようなポカンとした表情で僕を見ている。そして、恐らくは他の乗客の皆さんも、僕らとほぼ同様の表情を浮かべていることと思う。と言うのも――


「……えっと、これはひょっとして……例のあれですかね?」

「……はい、きっと例のあれでしょう」


 少し間があった後、淡く微笑み問い掛ける藤島さんにそっと頷き答える僕。……いや、こんなお馴染みのような言い方もどうかと思うけど、ともあれ何が起きたのかというと……まさに頂点に達したこの地点にて、突如ピタリとゴンドラが止まってしまったわけでして。


「おい、どうなってんだよこれ!」

「早く何とかしてよ責任者!」


 すると、ほどなくして僕らの後方から男女の叫び声が耳をつんざく。……まあ、そうなるのも無理ないよね。きっと、彼らにとっても全く以て予想だにしない事態ではないのだろうけど……それでも、いざその状況に陥ってしまえば、こうしてパニックになってしまっても仕方がない。なので、流石に藤島さんと言えど――


「――っ!?」

「……ん? どうかしましたか冬樹ふゆき先輩」

「……いえ、何と言いますか……ふふっ」

「……先輩?」


 僕の反応が予想の外だったのだろう、不思議そうに首を傾げる藤島さん。全く、何と言うか……ほんと、大物だなあ。


 それから数十分後、無事メンテナンス完了――乗客全員、少なくとも見た感じ怪我も体調異変もなく無事解放されることに。……ふう、大変な目に遭った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ