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憂鬱
「……ん、もうこんな時間か」
五畳半の、薄暗い居室にて。
寝ぼけ眼を擦り、枕元にて鳴り響くスマホを取り音を止める。画面を見ると、時刻は16時40分。まあ、この時間にセットしたのだから当然ではあるけれども。
ともあれ、ぼけっとした頭のまま徐に身体を起こし立ち上がる。そして、キッチンへ向かい蛇口を捻ると、勢いよく流れ出た水がシンクに溜まった食器に跳ね返り僕の顔に……うわ、冷た。
ともかく、シンクに埋もれたコップを軽く洗い、水を一杯注ぎ口へ含む。別に美味しくもないけど、乾いた喉を癒やすには十分だ。
それから、軽く身支度を済ませハンガーから制服を手に取る。アルバイト先の、某ファーストフード店の制服を。そして、それを乱雑に鞄へと……はぁ、憂鬱。