08 仲良し
まったりお茶して、ゆったり交流、
名残惜しかったけど、今度はナナさんも連れて来ますってことで、
皆さんにご挨拶して、イオちゃん『転移』でさようなら。
なんかイイな、ロイさんのお宅。
ああいうのを目指したいよね。
すっげぇ落ち着く感じとかさ。
イオちゃんも、セシエリアさんやリノアさんと、いっぱいハグしてたね。
「アマツさんがヴァニシアさんとのハグから逃げまわってたのが解せない」
あー、アレね。
だってさ、あのヴァニシアさんだぜ。
あんなの反則だってば、俺なんか瞬殺されちゃうよ、きっと。
いやホント怖いよね、コッチの世界、
本物のわがままボディって、マジ規格外。
「……えろオヤジめっ」
うん、エロいのは認めるから、メリシェラちゃんも頑張れっ。
「ぐぬぅ……」
はい、我が家に到着っと。
ナナさん、ただいまっ。
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ナナさんの美味しい手料理と、おみやげのリノアさん手作りデザートで、
今日の夕飯も大満足。
家族みんなでのんびりお風呂して、
寝る前にゆったり家族団らん。
あー、最近ちょっと幸せすぎじゃね、俺。
「ロイさんのお宅は凄く幸せ家族って感じだったけど、ペットがアレなのが解せない」
うん、なんか分かっちゃうね、イオちゃんの気持ち。
屋根の上にいた鳥でしょ。
確かに懐いてたけど、妙な鳥だったよね、アレ。
「ススケ鳥があれだけ懐いてるのは、私もわけ分からん」
へえ、ススケ鳥っていうんだ、アレ。
メリシェラちゃんも物知りさんだね。
もしかして有名な鳥なの?
「王宮の宮廷料理でも滅多に味わえないほどの、幻の鳥にして極上の美味」
「警戒心の強さと逃げ足の速さは、そもそも人里で呑気してるのがあり得ない」
そんなのが屋根の上で暮らしてるどころか、めっちゃ懐いてるってところがロイさんらしいよね。
でも、うちはペットは要らないよね、
ちっこくて可愛いのは間に合ってるし。
「頭撫でんなっ」
じゃあ今晩抱きマクラに。
「ちょっとナナさん、お宅のダンナが欲求不満みたいですけどっ」
「ごめんね、メリシェラさん、ちゃんと今晩お仕置きしておきますからね」
イイね、お仕置き。
じゃ、早く行こ、ナナさん。
「もうヤダ、この家」
「おとなしくメリシェラさんもアマツさんの眷属となるべき」
「そうすれば、家内安全、子宝礼賛、欲求不満のイライラ解消のうえ、お国から子育て支援金も」
「要らんわ、そんなモンッ」
てな感じで、我が家は今晩も仲良し家族なのですよ。




