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07 魔導具


「はい、ご要望の『Gふなずし』ですよっ」

「同じ『Gふなずし』同士や、各ギルドの通信設備との『通信』」

「敵性存在やダンジョンマップなどの『探索』」

「仲間達の活動がリアルタイムで反映される詳細地図情報を利用した『ナビゲーション』」

「その他、食材の食味や毒性のチェック、地形や宝箱にある罠の確認など」

「各種お役立ち機能満載の、イケてる冒険者の必須アイテム!」

「アマツさんのステータスを考慮しまして、内蔵魔素貯蔵具を大きめにセッティングしたスペシャルチューンバージョンですっ」


 ありがとうございます、アリシエラさん。


 ってか、すみませんね、本当。


 俺の魔力がアレなんで、いろいろ面倒でしょ、俺用の魔導具作り。



「いえいえ、個人個人に完璧フィットさせるその技術こそが、魔導具技師としての腕の見せどころっ、なのですっ」

「バンバン使いこなして、ご指摘の点がございましたら、バンバンご連絡くださいねっ」

「そのための『Gふなずし』なのですよっ」


 はい、これからはバンバン使わせてもらいますよっ。



「あと、こちらも是非っ」


 えーと、腕輪とリュック、ですか。



「こちらの腕輪は、『コニタン』と言いまして」

「私が作った魔導具たちを利用する際のロック解除に必須な個人認証用の魔導キーとなりますっ」

「これがあればこれからは『ゲートルーム』などもバッチシご利用可能となりますねっ」

「『Gふなずし』など各種魔導具の設定も、この腕輪から直接操作可能ですよっ」

「そして小容量ながら『収納』機能がありますので、おサイフ代わりにお使いいただければ大変便利っ」

「その他にも、数多くの種族との円滑な会話を可能とする『翻訳』機能などなど様々なアプリケーション内蔵で、イケてる見た目以上にお役立ちすること間違いなし!」

「ちなみに『コニタン』とは」

「『個人認証用単一素材ブレスレット』の略称、なのですっ」


 へえ、機能もスゴいですが、確かにめっちゃキレイな腕輪ですね。



「はいっ、『絶対金属』という、やたらめったら頑丈な素材を使用しておりますっ」

「あのモノカさんの神槍『ゼファー』と同等の強度を誇りっ」

「"龍が踏んでも壊れないっ"が売り文句で頑強さは補償付きっ、の見た目以上にイカす腕輪型魔導具なんですよっ」


 そりゃスゴい、


 って、龍に踏まれたら、俺、潰れちゃうし……



「身体を鍛えるのは冒険者さんご自身のお務め、ですよっ」

「もちろんご要望とあらば、龍に踏まれても大丈ブイな魔導スーツだってお茶の子さいさいサイコパスッ」

「ご入用の際は、是非!」


 あー、ありがとうございます、検討してみますね。


 えーと、こっちのリュックの説明の方も、お願い出来ます?



「承りっ、ですっ」

「そちらの魔導バックパックは『プログレス』ですねっ」

「正式名称『プロシード グレイル スーベニア』」

「主要な機能は3つ、『収納』『転送』『魔素貯蔵』ですっ」


「まずは『収納』」

「大物もスポンと吸い込む"開放型"」

「幌馬車1台まるっと入っちゃう"中容量"」

「食品や魔物素材も新鮮さキープな"時間経過無し"」

「誘拐魔と疑われずに済む"生き物生きたまま不可"」

「以上のように、旅のお供に最適な快適魔導バックパックなのですっ」


 なるほど、そりゃ便利。



「まだまだこれからっ、ですよっ」

「続いては『転送』」

「『Gふなずし』の登録友人リストや詳細地図情報から行き先を選んだら」

「内蔵された『携帯型『転送』ユニット』と『大容量魔素貯蔵具』にて」

「個人でのお手軽『転送』が可能となっておりますっ」

「ただしっ、『転送』魔法は大量の魔素を消費しますので、便利だからといってむやみやたらな乱用はNGですよっ」

「本来、この『転送』は、みんなでの助け合いのために実装された機能なのですっ」


 へえ。



「冒険者稼業に勤しむ皆さんには当然危険が付きモノ」

「時には手に負えないようなヤバげなヤツらと対峙しちゃうことも」

「そんな時にも慌てず騒がず、お手元の『コニタン』から"緊急応援要請"をポチッと発信」

「お仲間の皆さんの『Gふなずし』へと連鎖的に警報が拡散」

「準備を整えた心強い味方が即座に『転送』で救援に駆け付けて来てくれる、という大変に心強い救援システムなのですっ」

「つまり、いざという時の諸々に対応出来るよう、『プログレス』内の魔素残量に留意してご利用ください、なのですよっ」


 なるほど、みんなで助け合うための個人用『転送』魔導具なんですね、納得です。



「はいっ、それでは最後のご説明」

「『魔素貯蔵』、ですっ」

「前述の通り、私の魔導具たちは密接に連携する様にシステム設計されております」

「当然、魔導具ですから作動には魔素が必要」

「この『プログレス』内の『大容量魔素貯蔵具』が全ての魔導具と連携して、必要量の魔素をその都度補填してあげているのですっ」

「いわば、魔導具たちを陰から支える大黒柱っ」

「まさに、冒険の旅の要となる必須アイテムなのですよっ」


 はい、とっても分かりやすい解説、ありがとうございました。


 みんながアリシエラさんの魔導具を信頼して頼りにしている理由、よく分かりましたよ。


 まさに、ナイスバディネコミミ天才魔導具技師、ですね。



「ご清聴、ありがとうございました」

「アマツさんにはいろいろと特殊な事情もおありでしょうが」

「これからも『黒猫嵐工房』をご贔屓に願いますねっ」


 はい、こちらこそよろしくです、


 って、いつの間にか、イオちゃんとメリシェラちゃんの分まで!



「こちらにナナミリスさんの分もご用意しておりますので、おうちでしっかりと説明してあげてくださいね」

「あと、最後になりましたが、私の魔導具たちの取り扱いに関する留意点です」

「ほぼ全ての魔導具が『大気中魔素吸収型』という仕様でして」

「つまりは、ほっとくだけで自動的に魔素を溜め込んでくれる仕組みなのです」

「『収納』に入れっぱなしにしないで、時々風通しの良いひなたに置いて、休ませてあげてくださいね」


 はい、みんなの分まで用意していただけたなんて感激です。


 それで、この魔導具たちのお代の方は……



「はい、お代は皆さん共通の徴収システム」

「"問答無用で身体で払ってもらう強制徴収方式"ですよっ」

「つまり、私からのお願い事が出来次第、いろいろやっちゃってもらうってことになりますねっ」


 了解しました、お手柔らかに、です。



「むふっ、アマツさんの特異なお身体をアレコレしちゃうのが今から楽しみですっ」

「それでは、ご機嫌ようっ」



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